食物繊維とは
食物繊維とは、人の消化酵素では分解されない食品の成分のことです。水に溶けないもの(不溶性食物繊維)と水に溶けるもの(水溶性食物繊維)の2つに分類されます。
食物繊維は消化されないため、エネルギー源にはなりません。しかし、食物繊維は近年、5大栄養素に次ぐ「第6の栄養素」、「病気の予防において重要な栄養素」として重要視され始めています。食物繊維は多くの日本人に不足している食品成分のひとつでもあります。
食物繊維の働き
食物繊維は、私たちの体内で様々な役割を担っています。主な働きを3つ紹介します。
まず、最初の役割は整腸作用です。大腸を刺激し活発化させ、排便をスムーズにします。また、腸内の有害物質やコレステロールなどを吸収し、排出して腸の状態を整えます。
次に、高血圧を予防する役割があります。食物繊維は低カロリーであるため肥満の原因にならず、多くの生活習慣病の予防・改善につながります。
最後に、血糖値の上昇を抑制する役割も担っています。他の栄養素の吸収を緩やかにする働きを持つ食物繊維は、糖の吸収速度を抑制します。食後の血糖値上昇を防ぐ効果があります。
食物繊維が不足するとどうなる?
食物繊維の不足は、腸内環境の悪化を招きます。その結果として引き起こされる便秘は、大腸がん・糖尿病などの生活習慣病や痔になるリスクを高めます。食物繊維の不足により、適切に血糖値上昇の抑制やコレステロールの排出ができないことによって、病気になる危険性が高まります。
また、便秘を放置していると腸内に有害物質が発生し、体全体に不調をきたすこともあります。毎日の規則的な排便がないことは、食物繊維が不足しているサインです。不足した食物繊維を補うために、サプリメントなどの健康食品を利用することも可能ですが、できれば普段の食事からの食物繊維の接種をおすすめします。
食物繊維を過剰摂取するとどうなる?
現在、日本人の食事には食物繊維が不足しており、過剰摂取になる可能性は低いですが、サプリメントなどの健康食品の利用によって過剰摂取になってしまうことがあります。
食物繊維を過剰摂取をすると、必要以上に作用して身体に悪影響を及ぼしてしまいます。具体的には、ビタミンやミネラルなどの体に必要な他の栄養素の吸収を妨げたり、排便を必要以上に促進し、下痢が起こりやすくなったりすることがあります。また、便秘を悪化させてしまう可能性もあります。
食物繊維が豊富な食品
食物繊維は主に、植物性食品に多く含まれています。いくつか例を挙げると、ごぼうやさつまいも、ひじきなどがあります。
食物繊維を多く含む食品でも食感が繊維質であるとは限らないので、注意が必要です。