ひと言で「年金」と言っても、その種類はさまざまです。
そんな年金の種類のひとつである公的年金は、政府によって運営されている年金制度で、いくつもの年金が積み重なるような仕組みであるために「きっと重要なんだろうけど、いまいち良く分からない」と感じてしまう方が多いです。
年金は、現役世代のようにバリバリと働くことができない高齢者にとって、生活に必要な買い物や食事などを補ってくれる非常に大切なものです。
若いころには「どうして毎月、年金を納めなければならないのだろう」と感じられていた方でも、受給年齢に達するとそのありがたみを実感するものです。
これから老後を迎えるにあたって正確に把握しておきたい公的年金制度の種類や支給条件、支給額について詳しく解説します。
国民年金
国民年金は、日本で生活をしている20歳以上の全員が必ず加入しなければならない年金です。大きく分けると3つに分類することができます。
国民年金に属する3つの年金には「基礎年金」と付いており、年金制度の基盤となるものです。日本の国民皆年金制度を支えているのが国民年金だと言えます。
具体的な国民年金の種類は、以下の3つです。
- 老後基礎年金(ろうれいきそねんきん)
- 障害基礎年金(しょうがいきそねんきん)
- 遺族基礎年金(いぞくきそねんきん)
では、国民年金に属する3つの「基礎年金」について、それぞれの特徴をご紹介します。
老齢基礎年金
老齢基礎年金とは、10年以上の期間にわたって保険を納付した方に支給される年金です。
保険料の納付期間 | 20歳から60歳まで |
受給開始年齢 | 65歳 |
満額支給額(年間) | 78万1700円(月あたり6万5141円) |
国民年金の保険料を支払う期間である20歳から60歳までの40年間ずっと払い続けた方には、65歳から満額(年間78万1700円)の老齢基礎年金が給付されます。
老齢基礎年金が減額になるケース
ただし、3つの理由によって老齢基礎年金が減額になるケースがあります。
- 繰り上げ受給した場合
- 未納期間がある場合
- 免除期間がある場合
年金を繰り上げて受給した場合には一定額が減額されます。
また、年金の未納期間がある場合にはその分が差し引かれ、免除期間がある場合には半額(2分の1)に減額されます。年金は前年の収入によって保険金額が変わるため、収入がなかった年の翌年は免除を申請することが可能です。
障害基礎年金
障害基礎年金とは、疾病や怪我などによって心身のハンディキャップを持った方に対して支給される年金の制度です。
年金支給要件
初めて診察を受けた日から1年6ヶ月経過すれば請求が可能になりますが、手足の欠損などの障害が固定される場合は、経過期間前に請求が可能です。
また、障害認定日に2級以上の障害を持っていなかった人が、65歳になる前日までに2級以上の障害の状態になった場合にも請求することができます。
年金に加入する最低年齢の20歳になる以前に罹患した疾病や怪我が原因で障害を持った方については、保険料納付の有無は問われず、年金が支給されます。
年金支給額
障害基礎年金の支給額は、以下の通りです。
障害等級 | 年金額(年間) |
1級 | 977,125円 |
2級 | 781,700円 |
また、一定の条件に該当するお子さんががいる方の場合には、支給額が加算されます。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金の被保険者が死亡した際に、被保険者の子供もしくは子供のいる配偶者に支給される年金です。
支給額は年間781,700円で、子供がいる場合には障害基礎年金と同様に加算された金額になります。
厚生年金
厚生年金とは第2号被保険者が加入できる公的年金であり、国民年金に加えて支給されます。
厚生年金は毎年、加入者の収入額によって納付金額が見直され、1ヶ月でも年金の支払い実績があれば年金を受給資格を得られます。
また、国民年金のように一定の年齢で加入が決められていものではなく、会社に社員として所属すれば何歳からでも加入が可能です。
老齢厚生年金
65歳以上の方が対象となり、年金の支給額は報酬比例年金額部分に定額部分が加算されて算出されます。
報酬比例年金額とは、厚生年金の中で保険に加入していた期間と、期間中に受け取った報酬を元に計算される部分のことです。
障害厚生年金
障害基礎年金と同じく、疾病や怪我によって一定以上のハンディキャップを抱えた場合に支給されます。
年金支給条件
障害厚生年金の支給には次の条件があるため、支給の対象なるか確認してください。
・障害を抱える契機となっ疾病や怪我に対して、初回の診察を受けた日時点で厚生年金に加入している
・障害等級が1級~3級であること
・初回の診察日の前日時点で「保険料納付条件」を満たすこと
障害厚生年金も、障害基礎年金と同じく初めて診察を受けた日から1年6ヶ月経過(障害認定日)すれば請求が可能になります。
年金支給額
支給額は障害等級によって変動しますので、次の表で紹介します。
障害等級 | 年金額 |
1級 | 報酬比例年金額×1.25 |
2級・3級 | 報酬比例年金額 |
報酬比例年金額は、老齢厚生年金と同じ計算方法で算出されます。
遺族厚生年金
遺族厚生年金とは厚生年金の被保険者が死亡した際、被保険者に扶養されていた親族が受給できる年金制度であり、以下の条件を満たす方に支給されます。
・死亡者の妻
・死亡者の、18歳以下または19歳以下で障害等級が2級以上の「子」もしくは「孫」
・死亡者の夫、父母、祖父母
子どもがいない29歳以下の妻は年金を受給できますが、受給期間が5年を超えれば年金を受けられません。
夫、父母、祖父母に年金が支給される60歳からですが、遺族基礎年金を受給中の夫は、遺族厚生年金も受給できます。
また、支給される年金額は比例報酬部分を元に算出されます。
まとめ
公的年金制度を知ることで、老後に受給できる年金額を計算することができ、今後の生活プランを組み立てやすくなります。
この記事を参考に年金制度を正しく理解し、老後や必要に応じて年金制度を上手に活用していきましょう。