マグネシウム|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

体の中で300以上の反応に関わる

マグネシウムは、エネルギーを作る、筋肉を緩める、神経の興奮を抑える、骨を作るといった多くの働きに関わっています。体内のマグネシウムの6割は骨にあり、カルシウムと一緒に骨の構造を支えています。

カルシウムだけを増やしてもマグネシウムが足りなければ、骨は十分に作られません。カルシウム:マグネシウム=2:1あたりが望ましい比率とされます。

不足すると何が起きるか

  • こむら返り(足がつる)。筋肉が緩まなくなります
  • まぶたのぴくつき、手のふるえ
  • 便秘。マグネシウムには便をやわらかくする作用があります
  • 血圧が上がりやすくなる
  • 不整脈
  • 疲れやすい、眠りが浅い

夜中に足がつって目が覚める高齢者は多く、その背景にマグネシウム不足と脱水が重なっていることがあります。

多く含む食品

食品マグネシウム(100gあたり)
あおさ(乾)約3,200mg
ひじき(乾)約640mg
アーモンド約290mg
大豆(乾)約220mg
そば(乾)約190mg
納豆約100mg
玄米ごはん約49mg
木綿豆腐約57mg
あさり約100mg
ほうれん草(ゆで)約40mg
精白米ごはん約7mg

最後の行に注目してください。精白米は玄米の7分の1しかありません。日本人のマグネシウム摂取量が戦後に減った大きな理由が、主食の精白と加工食品の増加です。

「そばのひとしお」で覚える

マグネシウムが多い食品の頭文字を並べた覚え方があります。

  • そ:そば
  • ば:バナナ
  • の:のり(海藻)
  • ひ:ひじき
  • と:豆腐(大豆製品)
  • し:しいたけなどきのこ
  • お:おくら、青菜

いずれも和食の材料です。特別なものを買う必要はありません。白米に雑穀や玄米を混ぜる、味噌汁にわかめを入れる、納豆を1パック足す。これだけで摂取量は上がります。

目安量と、摂りすぎ

推奨量は男性320〜370mg、女性270〜290mg(年齢による)です。日本人の平均摂取量はこれをやや下回っています。

食品から摂る分には、摂りすぎの心配はほとんどありません。余った分は尿から排出されます。

ただしサプリメントや医薬品(酸化マグネシウムの便秘薬)では話が別です。下痢を起こしますし、腎機能が低下している方では高マグネシウム血症という危険な状態になります。吐き気、脱力、意識がぼんやりするといった症状が出ます。腎臓病の方は必ず主治医に確認してください。

骨全般はカルシウムと骨粗しょう症、便秘は便秘対策をご覧ください。

不足しやすい背景

この栄養素が足りなくなる背景には、食事の内容だけでなく、生活の変化があります。

まず、食べる量そのものが減っていることです。1日に食べる総量が減れば、含まれている栄養素も比例して減ります。特定の食品を意識する前に、全体の量が足りているかを確かめてください。

次に、精製された食品が増えることです。白米、白いパン、うどん。これらは、精製の過程でこの栄養素が減っています。やわらかく食べやすいため、高齢の方の食卓では増えていきます。

そして、吸収の力が落ちることです。年齢とともに、腸から取り込む力が落ちると言われています。同じものを食べていても、若い頃と同じだけ取り込めているとは限りません。

薬の影響もあります。利尿薬や、胃酸を抑える薬を長く飲んでいる場合、体の中の量に影響することがあります。心当たりがあれば、医師か薬剤師に確かめてください。自己判断で薬をやめないでください。

献立に落とし込む

含まれる食品を知っていても、実際の食卓に置き換えられなければ意味がありません。具体的な形にします。

主食を替えるのが、最も効率の良い方法です。白米に雑穀を混ぜる、玄米を少し混ぜる、全粒の入ったパンを選ぶ。毎日食べるものを替えるため、効果が積み上がります。ただし、消化に負担がかかる場合があるため、少量から試してください。

次に、大豆の製品です。豆腐、納豆、油揚げ、みそ。やわらかく、そのまま食べられ、調理の手間もかかりません。高齢の方の食卓に足しやすい食品です。

そして、海藻とごまです。わかめの味噌汁、ひじきの煮物、ごまをふる。少量ずつでも、毎日続けば意味があります。ただし、ばらけて飲み込みにくい場合があるため、飲み込みに不安がある方は形に注意してください。

ナッツも豊富ですが、高齢の方には勧めにくい面があります。硬く、詰まらせる危険があります。すりつぶしたものを和えものに使う、といった形なら安全に使えます。

腎臓の働きが落ちている場合

この栄養素については、腎臓の働きが落ちている方では、考え方が逆になります。

腎臓は、余った分を尿として出す役割を担っています。働きが落ちていると、出しきれずに体の中にたまることがあります。この状態は危険です。

そのため、腎臓の病気がある方は、多く含む食品を意識して増やさないでください。医師から食事の指示が出ているはずです。それに従ってください。一般向けの「不足しがちだから増やしましょう」という情報を、そのまま当てはめないでください。

市販の下剤や胃薬に、この成分を含むものがあります。腎臓の働きが落ちている方が長く使うと、体の中にたまることがあります。市販薬を常用している場合は、必ず医師か薬剤師に伝えてください。

自分の腎臓の働きがどの程度かは、血液の検査で分かります。健康診断や定期の受診で測られている項目です。結果の見方が分からなければ、医師に聞いてください。

サプリメントで済ませない

錠剤で補えば早いと考える方がいます。しかし、この方法には注意点があります。

まず、食品から取る場合と違い、一度に多く入ります。下痢を起こすことがあります。成分によっては下剤として使われるほどで、量を誤ると生活に支障が出ます。

そして、他の栄養素との関わりがあります。体の中では、複数の成分が互いに影響し合って働いています。一つだけを大量に入れると、別のものの働きが乱れることがあります。

薬との組み合わせにも注意が要ります。飲んでいる薬の吸収に影響することがあります。複数の薬を飲んでいる方は、始める前に必ず薬剤師に相談してください。

それでも使う場合は、量を守り、医師か薬剤師に伝えておいてください。「食品だから安全」という前提は成り立ちません。そして、使っていることを、受診のたびに伝えてください。

一つの栄養素だけを見ない

特定の栄養素に注目すると、全体を見失います。この点を確かめておいてください。

不足が起きているとき、多くの場合、一つだけが足りないのではありません。食べる量が減っていれば、複数の栄養素が同時に足りなくなっています。一つを補っても、根本は解決しません。

まず確かめるべきは、たんぱく質とエネルギーです。ここが足りていなければ、微量の栄養素を整えても、体は保てません。体重が落ちているなら、まずこちらが優先です。

そして、いろいろな食品を食べることが、最も確実な方法です。特定の食品に偏ると、別のものが足りなくなります。主食、主菜、副菜がそろっていれば、大きく偏ることはありません。

気になることがあれば、管理栄養士に相談してください。1週間分の食事を書き出して持っていけば、何が足りていないかを具体的に示してもらえます。思い込みで特定の食品を増やすより、確実です。

症状から自己診断しない

不足したときに現れるとされる症状は、他の原因でも起こります。自己判断は避けてください。

だるさ、足のつり、動悸、食欲の低下。これらは、多くの病気や状態で現れます。栄養の不足と決めつけて食品やサプリメントを増やしても、本当の原因が別にあれば、対処が遅れます。

とくに、高齢の方では複数の要因が重なっています。脱水、薬の作用、心臓や腎臓の状態、甲状腺の働き。いずれも似た症状を起こします。

血液の検査で確かめられる項目です。気になるなら、受診して測ってもらってください。数字が分かれば、対処のしかたも決まります。

そして、症状が続く、急に強くなった、日常生活に支障が出ている。この場合は、栄養の話ではなく、受診の話です。迷ったら、かかりつけ医に相談してください。

水と調理でも変わる

同じ食材を使っても、水と調理の方法によって、口に入る量は変わります。細かい話ですが、毎日のことなので積み重なります。

この栄養素は水に溶けます。ゆでこぼす、長く煮て汁を捨てる、水にさらす。これらの調理では、かなりの量が失われます。汁ごと食べる料理にすれば、逃した分を取り戻せます。味噌汁、スープ、煮物の汁。高齢の方には、汁ものは水分の確保にもなります。

硬水と呼ばれる水には、この成分が含まれています。ただし、日本の水道水は多くの地域で軟水で、含まれる量はわずかです。水から取ることを当てにせず、食品から取る前提で考えてください。

そして、大豆製品は調理による損失が比較的少ない食品です。豆腐、納豆、みそ。そのまま食べるか、汁ごと使う料理が多いためです。毎日の献立に組み込みやすい点でも優れています。

細かい工夫より、続けられることが優先です。調理法にこだわりすぎて、料理そのものが負担になれば意味がありません。汁ごと食べる、大豆製品を毎日入れる。この2つを覚えておけば十分です。

飲み込みに不安がある方の場合

この栄養素を多く含む食品には、飲み込みにくいものが含まれます。安全を優先した選び方が要ります。

ナッツ、ごま、海藻、玄米。いずれも硬い、あるいは口の中でばらけやすい食品です。飲み込む力が落ちている方には、そのままの形では危険です。

形を変えれば使えます。ごまはすったものを使う、海藻は細かく刻んでとろみのある料理に混ぜる、玄米はやわらかく炊く。まとまりのある形にすれば、安全に取り入れられます。

豆腐と豆乳は、この点で最も安全な選択肢です。やわらかく、まとまりがあり、そのまま食べられます。飲み込みに不安がある方にとって、確実に使える食品です。

そして、安全を犠牲にしてまで特定の栄養素を追わないでください。誤嚥して肺炎になれば、栄養以前の問題になります。その方が安全に食べられる範囲で、できることをしてください。食事の形については嚥下食の分類にまとめています。

栄養バランスは、1食ごとに数えなくてよい

配食のふれ愛 太子店のお弁当は、管理栄養士が主菜・副菜・主食の組み合わせで献立を組んでいます。1日1食でも取り入れていただければ、不足しやすい栄養素をまとめて補えます。カロリー調整食・たんぱく調整食もございます。まずは無料試食からどうぞ。

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関連用語

カルシウム

骨と歯をつくる主要ミネラル。不足が続くと骨密度が下がります。

腎臓病

腎機能が低下した状態。たんぱく質・塩分・カリウムの調整が必要になります。

脱水症

体内の水分と電解質が不足した状態。高齢者は喉の渇きを感じにくく気づきが遅れます。

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