ビタミンC|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

体で作れないビタミン

ヒトはビタミンCを体内で作れません。毎日食事から摂る必要があります。しかも水に溶けるため、余った分は数時間で尿から出ていきます。まとめ食いが効かない栄養素です。

主な働きは3つあります。

  • コラーゲンを作る。皮膚、血管、骨、軟骨の材料。傷の治りに直結します
  • 鉄の吸収を助ける。植物性の鉄(非ヘム鉄)の吸収率を数倍に上げます
  • 抗酸化。体を酸化から守る

高齢者では褥瘡(床ずれ)の治癒や貧血の改善に関わるため、実務上の重みが大きい栄養素です。

多く含む食品

食品ビタミンC(100gあたり)備考
赤ピーマン約170mg加熱しても比較的残る
ブロッコリー(ゆで)約55mgゆでると半減。蒸すのがよい
菜の花約130mg春の食材
キウイフルーツ約70mg生で食べられる
いちご約62mg同上
柿約70mg秋の食材
じゃがいも約28mgでんぷんに守られ、加熱に強い
さつまいも約29mg同上
レモン(果汁)約50mg一度に多くは飲めない

ビタミンCというとレモンが思い浮かびますが、実際に量を摂れるのはいも類と野菜です。とくにいも類は、でんぷんがビタミンCを保護するため加熱に強く、日本の食卓では重要な供給源でした。

調理で失わない

  • ゆでるより蒸す・電子レンジ。水に溶け出しません
  • 切ってから水にさらす時間を短く。
  • 汁ごと食べる。スープ、味噌汁
  • 加熱時間を短く。
  • 生で食べられるものは生で。果物、トマト

果物を1日1回入れるのが、最も確実な方法です。みかん1個、キウイ1個、いちご数粒。手間がかからず、加熱による損失もありません。

鉄と組み合わせる

ほうれん草や小松菜、大豆製品に含まれる鉄は、そのままでは吸収率が低いのですが、ビタミンCと一緒に摂ると吸収が上がります。

  • ほうれん草のおひたしに、レモンやゆずを絞る
  • 青菜の炒め物に赤ピーマンを足す
  • 納豆にトマトを合わせる
  • 食後に果物を1つ

貧血の対策は葉酸とビタミンB12で詳しく扱っています。

目安量と、サプリメントの扱い

推奨量は1日100mgです。野菜350gと果物を食べていれば足ります。喫煙者は消耗が多いため、より多く必要になります。

サプリメントで大量に摂っても、余った分は尿から出るだけです。1日1,000mgを超えると下痢や吐き気が出ることがあり、腎結石の危険を高めるという指摘もあります。

食品から摂る形を基本にしてください。サプリメントとの付き合い方もご覧ください。

高齢者で不足しやすい理由

この栄養素は、若い頃と同じ食生活を続けていても、高齢になると足りなくなりやすいものです。理由がいくつも重なっています。

最も大きいのは、生の野菜と果物を食べる量が減ることです。噛みにくい、皮をむくのが面倒、買いに行くのが大変。こうした理由で、少しずつ食卓から消えていきます。本人は減ったことに気づいていないことが多く、聞くと「食べている」と答えます。実際に1週間分を書き出してみると、思っていたより少ないことが分かります。

次に、調理による損失です。この栄養素は熱に弱く、水に溶けます。長く煮る、ゆでこぼす、作り置きして何度も温め直す。こうした調理では、かなりの量が失われます。やわらかく調理する必要がある方ほど、加熱時間が長くなり、残る量が減ります。

そして、体の側の事情もあります。喫煙している方、傷や床ずれのある方、感染症にかかっている方では、消費される量が増えると言われています。同じ量を食べていても、足りなくなる状況があるということです。

薬の影響を受けることもあります。複数の薬を長く飲んでいる方では、食欲そのものが落ちていることがあります。入る量が減れば、当然この栄養素も減ります。食欲の低下を年齢のせいと片づけず、一度は医師に相談してください。

加熱で失われる分をどう補うか

調理で失われるという性質は変えられませんが、失う量を減らす工夫はできます。

まず、加熱時間を短くすることです。ゆでるより蒸す、蒸すより電子レンジ。加熱時間が短いほど、残る量は多くなります。電子レンジは、水に溶け出す分がないという点でも有利です。かぼちゃ、じゃがいも、ブロッコリーは、この方法で扱いやすい食材です。

次に、汁ごと食べることです。溶け出した分は、汁の中にあります。捨てなければ、口に入ります。味噌汁、スープ、シチュー、煮物の汁。汁ものは水分の確保にもなるため、高齢の方には二重の意味で向いています。

そして、切り方です。細かく切って水にさらすと、溶け出す量が増えます。洗ってから切る、水にさらす時間を短くする。この程度の心がけで、残る量は変わります。

いも類は、この点で優れています。じゃがいも、さつまいもに含まれる分は、でんぷんに守られて、加熱しても比較的残ると言われています。やわらかく調理でき、主食にも副菜にもなるため、高齢の方の食卓に組み込みやすい食材です。

毎日続けやすい食品

特別な食材を買う必要はありません。手に入りやすく、手間のかからないものを挙げます。

果物が最も確実です。みかん、キウイ、いちご、柿。皮をむくか切るだけで食べられ、加熱による損失がありません。1日1個から2個を習慣にすれば、それだけでかなりの量になります。噛む力が落ちている方には、やわらかいものを選ぶか、つぶして使ってください。

いも類も使いやすい食品です。じゃがいも、さつまいも。ふかす、煮る、つぶす。どの形でも食べられ、腹持ちもします。作り置きして冷蔵しておけば、翌日も使えます。

野菜では、ブロッコリー、ピーマン、キャベツ、大根の葉が知られています。やわらかく調理し、汁ごと食べる形にすれば、飲み込みに不安がある方にも使えます。刻んで味噌汁に入れる、あんかけにする、といった方法があります。

そして、市販の果汁飲料を使う手もあります。ただし、糖分が多い製品があります。表示を見て、量を決めてください。糖尿病で食事の指示が出ている方は、勝手に増やさず、医師か管理栄養士に確かめてください。

床ずれや傷がある方の場合

皮膚に傷がある方では、この栄養素の役割が特に重く見られます。

傷が治る過程で、体はいろいろな材料を必要とします。たんぱく質、亜鉛、そしてこの栄養素。どれか一つでも足りないと、治りが遅くなると言われています。栄養だけで治るものではありませんが、栄養が足りていなければ治りにくいのは確かです。

とはいえ、この栄養素だけを増やしても足りません。まず確かめるべきは、たんぱく質とエネルギーが足りているかです。体重が落ちている方、食事の量が減っている方では、そちらが先です。微量の栄養素の話は、その後になります。

床ずれのある方には、医療用の栄養補助食品が処方されることがあります。これは、必要な材料をまとめて取れるように作られたものです。自己判断でサプリメントを買うより、医師と管理栄養士に相談したほうが確実です。

そして、床ずれは栄養だけの問題ではありません。体位の変え方、寝具、皮膚の清潔、そして本人の全身の状態。複数の要因が関わります。訪問看護や医師と一緒に見ていく問題です。食事だけで抱え込まないでください。

サプリメントを使うときの注意

錠剤で補えば手軽だと考える方がいます。ただし、知っておくべき点があります。

まず、体は一定量以上を蓄えられません。余った分は尿として出ていくと言われています。大量に取っても、その分だけ体に残るわけではありません。高価な製品を大量に使う意味は乏しいということです。

そして、大量に取ったときの害が報告されています。腹痛、下痢を起こすことがあります。また、腎臓に石ができやすくなるという指摘もあります。腎臓に問題のある方は、自己判断で始めないでください。

薬との関わりもあります。血液を固まりにくくする薬、鉄剤、一部の検査。これらに影響することがあると言われています。使っているサプリメントは、受診のたびに医師と薬剤師に伝えてください。「食品だから言わなくてよい」という判断が、思わぬ問題につながります。

そのうえで、どうしても食事から取れない場合には、選択肢になります。その場合も、量を守り、医師か薬剤師に相談してから始めてください。複数の製品を同時に使うと、思わぬ量になります。

飲み込みに不安がある方の場合

この栄養素を多く含む食品には、そのままでは食べにくいものがあります。形を変える工夫が要ります。

果物は、皮と繊維が問題になります。りんごや柿は硬く、みかんの薄皮は口の中に残ります。すりおろす、つぶす、ゼリーにする。この形にすれば、安全に食べられます。バナナやよく熟した柿は、そのままでもやわらかい部類です。

市販の果物ゼリーやピューレは、手軽な選択肢です。やわらかく、まとまりがあり、水分も同時に取れます。ただし、糖分の量は確かめてください。製品によって差があります。

野菜は、やわらかく煮てからつぶす、あんをかけてまとめる。ばらける食材ほど、飲み込みにくくなります。とろみをつける方法はとろみのつけ方にまとめています。

そして、安全が優先です。栄養を取ることより、誤嚥しないことのほうが重要です。むせる、飲み込みに時間がかかる、食後に痰が増える。こうした変化があれば、医師か言語聴覚士に相談してください。

不足しているかをどう確かめるか

足りているかどうかを、自分で判断するのは困難です。確かめ方を整理します。

まず、症状からの自己判断は避けてください。だるい、疲れやすい、歯ぐきから血が出る。これらは、他の多くの原因でも起こります。栄養の不足と決めつけて対処すると、本当の原因への対応が遅れます。

最も現実的な確かめ方は、食事の内容を書き出すことです。1週間分の食事を記録して、果物と野菜がどれくらい入っているかを見てください。ほとんど入っていなければ、足りていない可能性が高いと考えられます。

その記録を持って、管理栄養士に相談してください。具体的に何をどれくらい足せばよいかを、その方の状態に合わせて示してもらえます。一般的な情報を自分で当てはめるより確実です。

そして、はっきりした症状がある場合は、受診してください。歯ぐきの出血、皮下の出血、傷が治らない。これらは、栄養の問題である可能性も、別の病気である可能性もあります。自己判断で食品を増やして様子を見るのではなく、医師に診てもらってください。

他の栄養素との関わり

一つの栄養素だけを見ていると、全体を見失います。関わりを知っておいてください。

この栄養素は、鉄の吸収を助けると言われています。植物性の食品に含まれる鉄は吸収されにくいのですが、一緒に取ることで吸収が上がるとされています。ひじきの煮物に果物を添える、といった組み合わせに意味があるということです。

逆に、この栄養素だけを増やしても、他が足りていなければ意味がありません。たんぱく質、エネルギー、そして食べる量そのもの。ここが土台です。体重が落ちている方では、まず土台を立て直すことが先です。

そして、いろいろな食品を食べることが、結局は最も確実な方法です。特定の食品を大量に食べるより、主食・主菜・副菜がそろった食事を毎日続けるほうが、全体として偏りません。

迷ったら、管理栄養士に相談してください。地域包括支援センターや、かかりつけの医療機関を通じて、相談できる場合があります。相談先が分からなければ、ケアマネジャーに聞いてください。

栄養バランスは、1食ごとに数えなくてよい

配食のふれ愛 太子店のお弁当は、管理栄養士が主菜・副菜・主食の組み合わせで献立を組んでいます。1日1食でも取り入れていただければ、不足しやすい栄養素をまとめて補えます。カロリー調整食・たんぱく調整食もございます。まずは無料試食からどうぞ。

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関連用語

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貧血

血液中のヘモグロビンが不足した状態。高齢者では鉄とたんぱく質の不足が重なって起きます。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助けるビタミン。日光浴と食事の両方から得られます。

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