ビタミンCとは
ビタミンCとは、水溶性ビタミンに分類されるビタミンのひとつで、「三大栄養素」の働きを補助する役割を担っています。ビタミンには、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンの2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
ビタミンCは、体をつくることや活動のためのエネルギー源になることはありませんが、体の調子を整える働きをする重要な栄養素です。多くの哺乳動物は身体のなかで自らビタミンCを作り出すことができますが、人は体内でビタミンCを生成することができません。
ビタミンCの働き
ビタミンCが私たちの体内で活躍している主な働きを4つ紹介します。
まずは、コラーゲンの生成です。コラーゲンは、肌の健康維持や細胞同士の結合に必要不可欠な化合物で、傷の治癒にも必要となります。
次に、免疫力を向上させる働きがあります。白血球やリンパ球に多く存在し、抵抗力を高めてくれます。また、鉄の吸収の補助も役割の一つです。
最後に、抗酸化作用です。抗酸化作用とは、生活習慣病や心臓、血管の病気、更にはしみやしわの原因となる過剰発生した活性酸素から体を保護する働きのことです。近年、ビタミンCの抗酸化作用が癌治療や老化防止に役立つとして注目されています。
ビタミンCが不足するとどうなる?
ビタミンCが不足すると、コラーゲンを合成することができなくなります。その結果、壊血病と呼ばれる疾患が原因で、血管の劣化による出血を引き起こします。その他にも、壊血病の症状として、歯肉の腫れや歯の脱落、筋肉の減少やうつ症状などがあります。最悪の場合には、呼吸困難を引き起こし死に至ることもあります。
バランスの良い食事を心掛けていれば不足の心配はありません。しかし、喫煙をしている時や感染症に感染している時には、普段より多い量のビタミンCが必要になります。そのため、このような時には注意が必要です。
ビタミンCを過剰摂取するとどうなる?
ビタミンCを過剰に摂取すると、吸収量の減少や排泄などといった調節機能が作用します。そのため、過剰に摂取した場合でも、健康な人であれば体に悪影響を及ぼすことはごく稀です。しかし、ビタミンCを多く含むサプリメントなどの健康食品の利用による過剰摂取には注意が必要です。重篤な副作用は報告されていませんが、ビタミンCを一度にまとめて過剰に摂取すると、下痢や腹痛、吐き気を引き起こす可能性があります。
ビタミンCが豊富な食品
ビタミンCは主に、果実や野菜類、いも及びスポーツ飲料などの嗜好飲料類に多く含まれています。長期保存や熱に弱いため調理の際には、ビタミンCがでんぷんに包まれていて栄養素が損なわれにくい食材を選ぶと良いでしょう。