ビタミンK|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

2つの役割

ビタミンKには、性格の違う2つの働きがあります。

  1. 血液を固める。止血に必要な因子を作ります。「K」はドイツ語の凝固(Koagulation)から来ています
  2. 骨を作る。オステオカルシンというたんぱく質を活性化し、カルシウムを骨に沈着させます

高齢者にとって重要なのは2つ目です。カルシウムとビタミンDだけでは、骨は十分に作られません。ビタミンDが腸からのカルシウム吸収を助け、ビタミンKがそれを骨へ運び留める、という分担になっています。

多く含む食品

食品ビタミンK(100gあたり)
納豆約600μg。群を抜いて多い
モロヘイヤ約640μg
春菊約250μg
小松菜約210μg
ほうれん草約270μg
ブロッコリー約160μg
キャベツ約80μg
わかめ(乾)約660μg
抹茶約2,900μg

納豆が特別に多いのは、納豆菌がビタミンK2(メナキノン-7)を作るからです。しかも納豆菌は腸内でもビタミンKを作り続けます。骨のためには理想的な食品です。

目安量は1日150μg。納豆1パック(40〜50g)でおおよそ満たせます。

ワルファリンを飲んでいる場合

ここは必ず守ってください。血液を固まりにくくする薬ワルファリンは、ビタミンKの働きを妨げることで効きます。そのため、ビタミンKを多く摂ると薬が効かなくなります。

  • 納豆・青汁・クロレラは禁止
  • 緑黄色野菜は禁止ではないが、量を一定に保つ
  • ビタミンK配合のサプリメントは使わない

詳しくはワルファリンと納豆をご覧ください。なお、DOACと呼ばれる新しいタイプの抗凝固薬では、この制限はありません。自分がどちらを飲んでいるかを、お薬手帳で確認してください。

不足しやすい人

ビタミンKは腸内細菌も作るため、通常の食事では不足しにくい栄養素です。ただし次の場合は注意が要ります。

  • 抗生物質を長く使っている。腸内細菌が減ります
  • 脂肪の吸収が悪い。脂溶性ビタミンなので、油と一緒でないと吸収されません(膵炎、胆道の病気など)
  • 食が細く、野菜も納豆も食べていない

脂溶性であるため、油と一緒に摂ると吸収が上がります。青菜のおひたしにごま油を少し、炒め物にする、といった工夫が効きます。

骨の話はカルシウムと骨粗しょう症カルシウムと骨の健康、大豆製品は大豆たんぱくの力をご覧ください。

骨は食事だけでは守れない

骨を保つ話になると、栄養素の名前ばかりが並びます。しかし、実際に効くのは、それだけではありません。

まず、体を動かすことです。骨は、負荷がかかることで強さを保つと言われています。寝ている時間が長い方、外に出なくなった方では、どれだけ食べても骨は弱くなっていきます。散歩、立ち上がる動作、家の中で歩く。無理のない範囲で、体重をかける動きを保ってください。

次に、日光です。皮膚に日が当たることで作られる栄養素があり、これが骨に関わります。家から出ない生活が続くと、この分が作られません。窓越しでは十分でないとされ、短時間でも外に出ることに意味があります。

そして、転ばないことです。骨がもろくなっていても、転ばなければ折れません。家の中の段差、滑るマット、暗い廊下、履物。骨を強くする話より、こちらのほうが即効性があります。

薬による治療もあります。骨の状態は検査で分かり、必要なら薬が処方されます。食事の工夫は、治療の代わりにはなりません。骨折の心配があるなら、まず受診してください。

納豆を毎日食べるという方法

この栄養素を多く含む食品として、日本の食卓で最も現実的なのは納豆です。

やわらかく、そのまま食べられ、調理の手間がありません。たんぱく質も同時に取れ、値段も安く、どこでも買えます。高齢の方の食卓に足しやすい食品として、これに勝るものは多くありません。

ただし、食べにくいと感じる方もいます。においが苦手、粘りが飲み込みにくい、口の中に残る。粘りが気になる場合は、刻んだものを使う、汁物に混ぜる、加熱するといった方法があります。無理に毎日食べる必要はありません。

納豆以外では、緑の濃い葉物野菜が知られています。ほうれん草、小松菜、モロヘイヤ、ブロッコリー、菜の花。やわらかく煮て、汁ごと食べる形にすれば、飲み込みに不安がある方にも使えます。

そして、油と一緒に取ると吸収が上がると言われています。油で炒める、ごま油をかける、マヨネーズで和える。高齢の方では脂質を減らしすぎている場合があり、少量の油を足すことはエネルギーの確保にもなります。

血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合

この栄養素については、飲んでいる薬によって、話がまったく変わります。ここが最も重要な点です。

血液を固まりにくくする薬の中に、この栄養素の働きを抑えることで効く種類があります。その薬を飲んでいる方が、この栄養素を多く含む食品を大量に取ると、薬の効きが弱まると言われています。脳梗塞や心臓の病気の予防のために飲んでいる薬であれば、これは重大な問題です。

この場合、納豆は避けるよう指示されるのが一般的です。青汁やクロレラの製品も同様です。薬を始めるときに説明を受けているはずですが、時間が経つと忘れられます。お薬手帳を確かめてください。

ただし、すべての血液の薬がこれに当てはまるわけではありません。新しい種類の薬では、食品の制限がないものもあります。自己判断で「血液の薬だから納豆は駄目」と決めず、処方している医師か薬剤師に確かめてください。

そして、この記事を読んで自分で食事を変えないでください。薬の効き方は、食事を急に変えることでも乱れます。これまでの食習慣を続けたうえで、次の受診のときに相談するのが安全です。

カルシウムだけを増やしても足りない

骨といえばカルシウム、という理解が広く行き渡っていますが、それだけでは足りません。

カルシウムは骨の材料ですが、材料があっても、体が使えなければ骨になりません。吸収を助けるもの、骨に定着させるもの。複数の栄養素が関わって、はじめて骨が作られます。一つだけを大量に取っても、期待した結果にはなりません。

そして、たんぱく質も骨の材料です。骨はカルシウムだけでできているのではなく、たんぱく質の土台の上に固まっています。食が細くなってたんぱく質が足りていない方では、この土台から弱くなります。

牛乳、乳製品、小魚、豆腐、緑の野菜。これらを日常的に食べていれば、極端に不足することは考えにくいものです。特別な製品を買う前に、いまの食事の内容を確かめてください。

サプリメントでカルシウムを大量に取ることには、注意も指摘されています。腎臓に石ができやすくなる、血管に影響するといった報告があります。使う場合は、医師か薬剤師に相談してください。

検査を受けて現状を知る

骨の状態は、感覚では分かりません。測ることでしか把握できません。

骨の密度を測る検査があります。自治体の検診で受けられる場合があり、整形外科でも受けられます。結果は数値で出るため、経過を追うこともできます。

とくに、女性で閉経を過ぎた方、痩せている方、家族に骨折した人がいる方、ステロイドの薬を長く使っている方は、一度測っておく価値があります。自覚症状が出るのは、折れてからです。折れる前に知ることに意味があります。

数値が低ければ、薬による治療が検討されます。食事や運動だけで戻そうとせず、医師の判断を仰いでください。治療が必要な段階で食事の工夫だけを続けるのは、危険です。

そして、身長が縮んだ、背中が丸くなった、腰が痛む。これらは、気づかないうちに背骨が潰れているしるしである場合があります。年齢のせいと片づけず、受診してください。

転ばないための環境づくり

骨折の多くは、転倒がきっかけです。家の中を見直すことが、最も直接的な対策になります。

まず、床の上のものです。電気の配線、新聞紙、丸まったマット、置きっぱなしの荷物。これらを片づけるだけで、つまずく機会が減ります。慣れた家ほど、危険が見えなくなっています。

次に、明るさです。夜中にトイレへ行くときの廊下が暗いと、それだけで危険が増します。足元灯をつける、センサーで点く照明にする。費用も手間もそれほどかかりません。

手すりも有効です。介護保険には、住宅の改修に対する給付があります。手すりの取り付け、段差の解消などが対象になります。ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。

そして、履物です。脱げやすいスリッパ、かかとのない履物は、転倒のもとになります。家の中でも、かかとが固定される履物を選んでください。靴下だけで歩くのも滑りやすく、危険です。

食が細い方の優先順位

食べる量が減っている方に、特定の栄養素を増やす話をしても、実行できません。順番があります。

まず確かめるべきは、体重です。半年で2キロから3キロ落ちているなら、それは栄養が足りていないしるしです。この段階で微量の栄養素を気にしても、効果は出ません。

次に、エネルギーとたんぱく質を確保することです。ごはん、肉、魚、卵、豆腐、乳製品。この土台がないと、骨も筋肉も保てません。少量でエネルギーが取れるよう、油や乳製品を足す工夫があります。

そのうえで、余裕があれば、緑の野菜や納豆を足してください。順番を逆にしないでください。野菜ばかり増やして主菜が減ると、かえって状態が悪くなります。

食事の量が戻らない場合は、原因を探る必要があります。歯や入れ歯の問題、薬の影響、飲み込みの問題、気持ちの落ち込み。いずれも、食事の工夫では解決しません。医師とケアマネジャーに相談してください。

情報の受け取り方

栄養素の話は、極端な形で流れてくることがあります。受け取り方を整理しておきます。

「これを食べれば骨が強くなる」という言い方は、疑ってください。特定の食品や製品だけで骨が変わることはありません。そうした宣伝で高価な製品を勧められた場合は、いったん持ち帰って、家族や医師に相談してください。

そして、量が多いほど良い、という考え方も成り立ちません。栄養素には適切な範囲があり、多すぎると害が出るものもあります。とくにサプリメントは、食品と違って一度に多く入ります。

持病がある方、薬を飲んでいる方では、一般向けの情報がそのまま当てはまらない場合があります。この記事で述べた血液の薬の件が、その代表です。自分に当てはまるかどうかは、医師に確かめてください。

迷ったときの相談先は、かかりつけ医、薬剤師、管理栄養士、そしてケアマネジャーです。身近に相談できる相手を決めておくと、判断に迷う時間が減ります。相談先が分からない場合は、地域包括支援センターが入口になります。

栄養バランスは、1食ごとに数えなくてよい

配食のふれ愛 太子店のお弁当は、管理栄養士が主菜・副菜・主食の組み合わせで献立を組んでいます。1日1食でも取り入れていただければ、不足しやすい栄養素をまとめて補えます。カロリー調整食・たんぱく調整食もございます。まずは無料試食からどうぞ。

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骨と歯をつくる主要ミネラル。不足が続くと骨密度が下がります。

ビタミンD

カルシウムの吸収を助けるビタミン。日光浴と食事の両方から得られます。

骨粗しょう症

骨密度が低下し骨折しやすくなった状態。カルシウムとビタミンDが要です。

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