自動では戻らない制度がある。申請して初めて動く
介護費用には上限を設ける制度があります。ただし、多くは申請しないと適用されません。知らずに払い続けている方がいます。
| 制度 | 内容 |
|---|---|
| 高額介護サービス費 | 1か月の介護サービス自己負担額が上限を超えた分が戻る |
| 高額医療・高額介護合算制度 | 1年間の医療費と介護費の合計が上限を超えた分が戻る |
| 特定入所者介護サービス費(負担限度額認定) | 施設入所・ショートステイの食費・居住費が軽減される |
1か月に支払った介護サービスの自己負担額(1〜3割部分)が一定額を超えると、超えた分が払い戻されます。上限は所得によって段階的に決まります。
対象にならないもの:
最初の該当時に市区町村から申請書が届きます。一度申請すれば、以降は自動的に同じ口座へ振り込まれる自治体が多いです。ただし最初の申請は必要です。
1年間(8月〜翌7月)の医療保険と介護保険の自己負担額を合計し、上限を超えた分が戻ります。医療も介護も使っている世帯では、これが効きます。
申請は加入している医療保険の窓口(国民健康保険なら市区町村、後期高齢者医療なら広域連合)です。介護保険の窓口ではないことに注意してください。
時効は2年です。過去の分もさかのぼって申請できる場合があります。
特別養護老人ホーム、老健、ショートステイなどでは、食費と居住費が全額自己負担です。所得と資産が一定以下の方は、負担限度額認定を受けることで大きく軽減されます。
更新を忘れると軽減が切れます。毎年6〜7月頃に案内が届くので、必ず手続きしてください。
とくに障害者控除は知られておらず、使われていません。要介護認定を受けている方は、市区町村の窓口で「障害者控除対象者認定書」について尋ねてみてください。
これらの制度は窓口がばらばらで、自分で調べきるのは大変です。ケアマネジャーと地域包括支援センターに、「使える軽減制度を全部教えてください」と聞くのが早道です。
介護費用が家計を圧迫すると、食事から削られていきます。食費を削って栄養が落ちるのは、いちばん高くつく節約です。制度で使えるものは使ってください。
負担を軽くする制度に共通する特徴があります。知っておくかどうかで、金額が変わります。
多くの制度は、自動的には適用されません。申請して初めて、対象になるかどうかが判断されます。条件を満たしていても、黙っていれば何も起きません。
市町村から案内が届く場合もありますが、届かないこともあります。案内が来ないから対象外だ、と判断しないでください。心当たりがあれば、こちらから問い合わせてください。
そして、さかのぼって申請できる期間には限りがあります。気づくのが遅れると、戻るはずだった分が受け取れなくなります。早めに確かめる価値があります。
まとめて相談できます。役所の介護保険の担当課に「負担が重いので、使える制度を教えてほしい」と伝えてください。制度の名前を知らなくても構いません。
介護のサービスを使ったときの自己負担には、月ごとの上限が定められています。
上限を超えて支払った分は、申請すれば戻ってきます。上限額は、世帯の所得によって段階が分かれています。所得が低いほど、上限も低く設定されています。
一度申請すれば、その後は自動的に振り込まれる自治体が多くあります。ただし、最初の申請は必要です。該当しているのに手続きをしていない方がいます。
ただし、すべての費用が対象になるわけではありません。食費、部屋代、日用品費、保険の対象外のサービス。これらは、この計算に含まれません。配食の費用も対象外です。
いくら戻るかは、使ったサービスの内容によります。正確な計算は、役所かケアマネジャーに確かめてください。明細を持っていくと、話が早く進みます。
両方を使っている方には、別の制度があります。
1年間に支払った医療と介護の自己負担を合わせて、上限を超えた分が戻る仕組みです。それぞれ単独では上限に達しなくても、合わせると超えることがあります。持病があり、介護も受けている方が該当しやすくなります。
年に一度の計算になるため、気づきにくい制度です。1年分の負担を振り返る機会を、意識して作ってください。領収書を保管しておくと役立ちます。
手続きは、加入している医療保険の窓口で行います。介護の窓口とは別になることがあります。どちらに聞けばよいか分からなければ、役所で確かめてください。
該当する方には案内が届くこともあります。ただし、届かない場合もあるため、こちらから確かめる価値があります。
施設に入っている方、短期の入所を使う方に関わる制度です。
施設での食費と部屋代は、保険の対象外で自己負担です。しかし、所得と資産の条件を満たす方は、負担を軽くしてもらえます。この差は大きく、月々の金額が変わります。
申請が必要で、認定を受けると証明書が発行されます。これを施設に提示することで、軽減された金額になります。持っているだけでは適用されません。
資産の条件があるため、預貯金の状況を申告する必要があります。通帳の写しを求められることがあります。手続きの内容は、役所で確かめてください。
短期の入所でも対象になります。介護する家族が休むために使う場合も、同じです。該当しそうなら、使う前に申請しておいてください。
介護だけでなく、医療の側にも同様の制度があります。
1か月の医療費の自己負担に、上限が定められています。入院や手術で高額になった場合、超えた分は戻ります。事前に手続きをしておけば、窓口での支払い自体を上限までにできます。
入院が決まったら、加入している医療保険の窓口に相談してください。あとから戻す手続きより、事前の手続きのほうが負担が軽くなります。病院の相談員も案内してくれます。
そして、入院中の食事代にも、負担を軽くする仕組みがあります。所得の条件があります。該当するかどうかを確かめてください。
複数の医療機関にかかっている場合、合算できることがあります。領収書を保管しておいてください。計算の対象になるかは、窓口で確かめられます。
直接の給付ではありませんが、税の面から負担が軽くなる場合があります。
1年間に支払った医療費が一定額を超えると、申告によって税が軽くなる仕組みがあります。介護のサービスの一部も、この対象になることがあります。どれが対象かは、税務署か役所で確かめてください。
領収書の保管が前提になります。捨ててしまうと、証明できません。1年分をまとめて保管する習慣をつけてください。
そして、障害者に関する控除の対象になる場合があります。要介護の認定を受けている方が、一定の条件で対象になることがあります。市町村の証明が必要です。
これらは、申告しなければ適用されません。確定申告の時期に、まとめて確かめてください。分からなければ、税務署で相談できます。
制度の対象にならない費用も、生活の中では大きな比重を占めます。
配食の費用は、介護保険の負担の上限には含まれません。全額が自己負担になります。ただし、市町村独自の助成がある場合があります。
この助成は、介護保険とは別の制度です。役所の高齢福祉の担当課に確かめてください。対象になれば、1食あたりの負担が下がります。
そして、使う回数を調整することで、費用を抑えられます。毎日でなくてよい、昼だけでよい。無理のない範囲から始めてください。
費用の全体を見て判断することが重要です。保険のサービスにも自己負担があります。何にいくらかかるかを一覧にしてもらうと、判断しやすくなります。
制度が多く、個別に調べるのは負担です。まとめて聞く方法があります。
役所の介護保険の担当課で、「負担が重い」と伝えてください。使える制度を一通り確かめてもらえます。制度の名前を知っている必要はありません。
ケアマネジャーも、費用の相談に応じます。いま使っているサービスの内訳を把握しているため、具体的な話ができます。遠慮せずに伝えてください。
地域包括支援センターでも相談できます。介護に限らず、生活全体を見て提案してもらえます。年金や生活費のことも含めて相談できます。
そして、払えない状態が続くなら、早く相談してください。サービスを止めてしまうと、状態が悪くなり、結果として費用が増えます。使える制度は、想像より多くあります。
制度を使うには、支払った証拠が要ります。習慣にしておいてください。
介護のサービスの明細、医療機関の領収書、薬局の領収書。1年分をまとめて保管する場所を決めておいてください。封筒一つで足ります。
そして、月ごとにいくら払っているかを記録しておくと、負担の全体が見えます。「なんとなく高い」ではなく、数字で把握できます。相談するときにも役立ちます。
離れて暮らす家族が費用を確かめる場合も、この記録が手がかりになります。本人は「大丈夫」と言うことが多いものです。実態は、明細に表れます。
捨ててしまうと、あとから証明できません。戻るはずだった分が受け取れなくなります。1年間は保管してください。
一度確かめて終わりにせず、節目ごとに見直してください。
所得や世帯の構成が変わると、上限の段階も変わります。配偶者が亡くなった、同居していた家族が転出した、年金の額が変わった。こうした変化があれば、負担が軽くなる可能性があります。
制度そのものが改定されることもあります。上限の額や、対象の条件が見直されることがあります。年度が変わる時期に、案内が届くことがあります。
そして、使うサービスが増えたときも確かめてください。これまで上限に届いていなかった方が、該当するようになることがあります。ケアマネジャーに聞けば分かります。
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