通いの場|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

孤食は食事の質を下げる

一人で食べる食事(孤食)が続くと、次のことが起きます。

  • 品数が減る。一人分を何品も作るのは割に合いません
  • 同じものが続く。作り置きや買い置きを繰り返す
  • 食べる量が減る。誰かと食べるときより明らかに少なくなります
  • 時間が不規則になる。抜く日が出てくる
  • 食べる意欲が落ちる。「自分だけのために作るのは面倒」

研究でも、共食(誰かと食べること)の頻度が高い高齢者ほど、栄養状態がよく、フレイルになりにくいことが示されています。これは、食べる量そのものが増えることに加え、外出・会話・生活のリズムが伴うためです。

通いの場とは

市区町村や住民が運営する、高齢者が集まる場のことです。呼び名は地域により、いきいきサロン、ふれあい喫茶、体操教室、カフェ、居場所などさまざまです。

形内容
体操・運動いきいき百歳体操、シルバーリハビリ体操など。週1回程度
会食・食事会みんなで食べる。調理を伴う場合も
サロン・お茶会おしゃべり、手芸、囲碁将棋
認知症カフェ認知症の本人と家族が集まる場
ボランティア・就労的活動支えられる側から、支える側へ

費用は無料〜数百円程度のものがほとんどです。要介護認定は不要で、誰でも参加できます。

探し方

  1. 地域包括支援センターに聞く(最も確実。地域の一覧を持っています)
  2. 市区町村の広報誌、ホームページ
  3. 社会福祉協議会
  4. 民生委員
  5. 公民館、自治会の掲示板

行きたがらないとき

「そういうところは苦手」「知らない人ばかり」という反応はごく普通です。次のような入り方があります。

  • 家族が一緒に、最初の1回だけ行く。付き添いを断らない場が多いです
  • 目的をひとつに絞る。「交流」ではなく「体操」「お茶を飲むだけ」
  • 知っている人がいる場を選ぶ。近所の人、昔の同僚
  • 役割を作る。「手伝ってほしいと言われている」という誘い方は効きます
  • デイサービスから入る。送迎があり、体調も見てもらえます

無理に通わせないことも大切です。合わなければやめてよい。合う場が見つかるまで、いくつか試してみる姿勢のほうがうまくいきます。

家庭でできる共食

通いの場に行けない場合も、共食の機会は作れます。

  • 週に1回、家族が一緒に食べる日を決める
  • ビデオ通話をつないで、離れたまま一緒に食べる
  • 近所の人と、月1回お茶をする
  • デイサービスの昼食を、共食の機会として位置づける
  • 配食の手渡しも、1日1回の人との接点になります

配食のふれ愛 太子店では、お弁当を玄関先で手渡しし、ひと声おかけしています。短いやりとりですが、毎日決まった時間に人が来ることが、生活のリズムを作ります。

孤立の予防は孤立を防ぐ、一人暮らしの栄養は一人暮らしの栄養管理をご覧ください。

一人で食べることの影響

誰と食べるかが、食べる量と内容に影響することが知られています。

一人だと、作る意欲が落ちます。自分だけのために手をかけるのは、続きません。結果として、簡単なもの、同じものが繰り返されるようになります。

そして、食べる量そのものが減ります。会話をしながらだと時間がかかり、その分だけ多く入ります。一人だと、短時間で切り上げてしまいます。

味の感じ方にも影響すると言われています。同じものでも、誰かと食べるとおいしく感じる。これは、多くの方が経験していることです。

配偶者を亡くした方、家族が独立した方では、この変化が急に訪れます。食事の内容が変わったことに、本人も気づかないことがあります。周囲が確かめる価値があります。

どんな場があるのか

地域には、思っているより多くの集まりがあります。

体操やレクリエーションを行う集まりが、公民館や集会所で開かれています。週に1回、月に2回といった頻度で、住民が運営していることが多くあります。費用は実費程度です。

食事を伴う集まりもあります。会食の会、みんなで作って食べる会。作る側に回ることで、役割が生まれるという効果もあります。

喫茶の形をとった場もあります。決まった時間に開いていて、いつ行ってもよい、いつ帰ってもよい形です。気楽に始められます。

そして、趣味の集まりも、この役割を果たします。手芸、囲碁、カラオケ、園芸。介護や健康を目的としない集まりのほうが、参加しやすい方もいます。

探し方

あることは分かっても、どこにあるかが分からないという声をよく聞きます。

地域包括支援センターが、地域の集まりを把握しています。「近くに通える場所はありますか」と聞けば、一覧をもらえることがあります。最も確実な方法です。

社会福祉協議会も、住民の活動を支援しています。サロンや会食の会の情報を持っています。市町村ごとにあります。

市町村の広報紙にも、案内が載っていることがあります。読み飛ばしていることが多いものです。高齢者向けの欄を見てください。

そして、自治会や民生委員も情報源になります。近所のことは、近所の人が知っています。民生委員の連絡先は、役所で聞けます。

行きたがらないときの考え方

勧めても断られる、というのは、よくある状況です。

まず、理由を確かめてください。知らない人の中に入るのが苦手、行き方が分からない、体力に自信がない、費用が心配。理由によって、対処が変わります。

「介護」「高齢者向け」という言葉に抵抗を感じる方がいます。「まだそんな年ではない」という気持ちです。この場合、趣味の集まりや、地域の行事から誘うほうが受け入れられます。

そして、最初は家族が付き添うと、行きやすくなります。一度行ってみて、雰囲気が分かれば、次から一人で行けることがあります。入口の一回が、最も高い壁です。

合わなければ、やめてよいと伝えてください。「一度行ったら続けなければならない」と思うと、行きにくくなります。見学だけでも構いません。

行き帰りの手段を確かめる

参加したくても、移動が壁になることがあります。

歩いて行ける距離かどうかが、最も大きな条件です。遠ければ、続きません。近所に何かないかを、まず探してください。

送迎がある場合もあります。介護保険のサービスとして通う場合や、自治体が支援している場合です。確かめてみてください。

そして、地域によっては、移動を支援する仕組みがあります。乗り合いの車、ボランティアによる送迎、タクシーの助成。市町村によって内容が違います。

家族が送迎できる日に合わせるという方法もあります。毎回でなくても、月に1回でも意味があります。行かないより、はるかに違います。

家庭でできる共食

外に出るのが難しい場合でも、一人で食べる時間を減らす方法があります。

家族が訪ねる日を決めて、一緒に食べる。週に1回、月に2回でも構いません。予定があること自体が、生活のはりになります。

電話をつないだまま食べる、という方法もあります。離れていても、話しながら食べれば、一人ではありません。画面をつなぐ手段もあります。

そして、配食の配達員と一言交わすことにも意味があります。毎日決まった時間に人が来ることは、生活のリズムを作ります。手渡しであれば、顔を見て話せます。

近所の方と食べる機会を作るのも一つです。おかずを分ける、季節のものを届ける。こうしたやりとりが、つながりを保ちます。

参加が続く条件

一度行っても、続かなければ意味がありません。続く条件を整理します。

近いこと。歩いて行ける、送迎がある。移動が負担なら、必ず途中でやめます。

費用が無理のない範囲であること。毎回の負担が重ければ、続きません。実費程度の場を選んでください。

そして、居心地がよいこと。雰囲気が合わない、話が合わない。こればかりは、行ってみないと分かりません。合わなければ、別の場を探してください。

役割があると、続きやすくなります。お茶を入れる、片づけを手伝う、誰かに教える。「行かなければ」という気持ちが生まれます。

体を動かす機会にもなる

食事だけでなく、体を保つ効果も期待できます。

出かけること自体が、運動になります。着替える、歩く、電車やバスに乗る。家にいるだけでは、これらの動作がなくなります。

体操の会であれば、直接的に筋肉を使います。座ったままできる体操も多く、体力に自信がない方でも参加できます。無理をする必要はありません。

そして、外に出ることで日光に当たります。骨を保つうえで意味があるとされています。短時間でも、家にこもるのとは違います。

転倒を防ぐ効果も期待できます。足腰の力とバランスを保つことが、骨折を防ぐ最も確実な方法です。骨を強くする話より、こちらのほうが直接的です。

孤立を防ぐという意味

この話は、最終的に生活が続くかどうかに関わります。

人と会わない生活が続くと、変化に気づく人がいなくなります。体調を崩しても、誰も知りません。これが、最も危険な状態です。

集まりに通っていれば、来なくなったときに誰かが気づきます。「あの人が来ていない」という一言が、命に関わることがあります。見守りの仕組みとして機能します。

そして、話す相手がいることは、気持ちの面でも支えになります。気分の落ち込みは、食欲の低下に直結します。栄養の話より、こちらが先である場合があります。

見守りの考え方は見守りの基本にまとめています。通いの場も、見守りの手段の一つとして位置づけられます。

運営する側に回るという道

参加するだけでなく、開く側に回る方法もあります。

住民が自分たちで開いている場が、多くの地域にあります。公民館や集会所を借りて、月に1回お茶を飲む。それだけでも成り立ちます。特別な資格は要りません。

立ち上げを支援する仕組みがある自治体もあります。場所の確保、費用の補助、進め方の助言。社会福祉協議会や地域包括支援センターに相談してください。

役割があることが、続ける力になります。誰かのために動くことで、自分の生活にも張りが出ます。参加する側でいるより、健康に良い影響があるという指摘もあります。

そして、無理のない規模から始めてください。数人でも構いません。大きくすることが目的ではありません。

来なくなった人に気づく

集まりが持つ最も重要な機能は、欠けたことに気づくところにあります。

毎回来ていた人が来なくなったとき、誰かが気づきます。この気づきが、命に関わる場面で働くことがあります。体調を崩している、転んで動けない、入院している。

ですから、連絡先を把握しておくことに意味があります。本人の電話番号だけでなく、家族の連絡先も分かるようにしておいてください。参加のときに、書いてもらう形が一般的です。

そして、来なくなったときにどうするかを、決めておいてください。電話をかける、家を訪ねる、地域包括支援センターに伝える。あらかじめ決めておかないと、誰も動きません。

ただし、無理に踏み込まないでください。行きたくない事情があることもあります。心配を伝えつつ、本人の意思を尊重する姿勢が求められます。

制度のことも、あわせてご相談ください

配食のふれ愛 太子店は、太子町を中心に南河内エリアでお弁当をお届けしています。ケアマネジャーさんからのご相談、自治体の助成を使ったご利用についてもお受けしています。「どこに聞けばいいか分からない」という段階でも構いません。まずはお問い合わせください。

メニュー詳細を見る 無料試食を申し込む

関連用語

フレイル

健康と要介護の中間にある虚弱な状態。食事と運動で戻せる段階です。

低栄養

エネルギーとたんぱく質が不足した状態。高齢者の要介護化の入口になります。

見守りサービス

高齢者の安否や体調の変化を定期的に確認するしくみです。

関連コラム

一人暮らしの高齢者の食事問題

一人暮らしの高齢者が陥りやすい食事の問題、孤食の影響、配食サービスの活用法、見守りとの連携を管理栄養士が解説します。

孤立を防ぐという見守り

社会的孤立が高齢者の健康に及ぼす影響と、食事を通じたつながりのつくり方を解説します。共食の効果、通いの場、配食の会話の役割を整理します。

フレイルとは?

フレイルの定義・3つの要素・フレイルサイクルをわかりやすく解説し、たんぱく質とエネルギー摂取による食事予防法を管理栄養士が紹介します。

ひざの痛みと体重

変形性膝関節症と体重の関係を整理し、筋肉を落とさずに体重を落とす食事を解説します。高齢者の減量で気をつけることも説明します。

高齢者の健診

後期高齢者の健康診査と、そこで行われるフレイル健診(質問票)について解説します。健診で分かる栄養状態の指標と、結果の読み方を整理します。

介護のことをもっと詳しく

介護保険や事業所探し、福祉用具の選び方は、同じ株式会社京谷商会が運営する情報サイトにまとめています。

介護保険のしくみ

介護の窓口(kaigoinfo.com)の記事。保険料・自己負担・使えるサービスの全体像を整理しています。

地域包括支援センターとは

介護の窓口の記事。高齢者のことなら最初に相談できる公的な窓口です。

介護の相談先が分からないとき

介護の窓口の記事。どの段階で誰に聞けばよいかを一覧にしています。