高齢者の健診|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

75歳からは健診の中身が変わる

75歳以上(後期高齢者医療制度の対象者)の健診では、生活習慣病の早期発見だけでなく、フレイルの把握が重視されるようになりました。

若い世代の特定健診が「太りすぎ・血圧・血糖」を中心に見るのに対し、後期高齢者では「やせ・低栄養・筋力低下・口の機能・社会参加」が焦点になります。見る方向が逆になるのが特徴です。

15項目の質問票

2020年度から、後期高齢者の健診で「後期高齢者の質問票」が使われています。次の10類型・15問です。

  • 健康状態(1問)
  • 心の健康状態(1問)
  • 食習慣(1問)— 1日3食食べているか
  • 口腔機能(2問)— 半年前より固いものが食べにくいか、お茶や汁物でむせるか
  • 体重変化(1問)— 6か月で2〜3kg以上減ったか
  • 運動・転倒(3問)
  • 認知機能(2問)
  • 喫煙(1問)
  • 社会参加(2問)
  • ソーシャルサポート(1問)

15問のうち4問が食事と口に関するものです。それだけ、栄養と口の機能が高齢者の健康を左右すると考えられています。

結果の読み方

指標注意する値意味
BMI21.5未満高齢者の目標は21.5〜24.9。やせているほうが危険
体重変化6か月で2〜3kg以上減低栄養の疑い
血清アルブミン3.5g/dL以下たんぱく質の栄養状態の指標
ヘモグロビン男性13、女性12 g/dL未満貧血
総コレステロール低すぎる場合高齢者では低いほうが予後が悪いことがあります
握力男性28kg、女性18kg未満サルコペニアの目安

健診結果で「異常なし」でも、体重が落ちていれば問題です。数値が基準内かどうかより、去年と比べてどう変わったかを見てください。

該当したらどうなるか

質問票で気になる回答があった場合、次のような支援につながります。

  • 高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施:市区町村の保健師・管理栄養士が個別に相談に乗ります
  • 通いの場への案内:通いの場と介護予防
  • 歯科受診の勧め:口腔機能の項目に該当した場合
  • 地域包括支援センターへの紹介
  • 基本チェックリストの実施 → 総合事業の利用

「該当しても何も言われなかった」場合は、こちらから動いてください。健診結果を持って、地域包括支援センターに相談できます。

受けやすくする工夫

高齢になるほど健診の受診率は下がります。次のことが障壁になります。

  • 会場まで行けない → 個別健診(かかりつけ医で受ける)が使える自治体があります
  • いつやっているか分からない → 市区町村の広報、受診券を確認
  • 面倒 → かかりつけ医の定期受診に合わせて依頼する
  • 費用 → 後期高齢者健診は無料または低額の自治体がほとんどです

年に1回、体重と血液を測るだけで、この1年の食事がどうだったかが見えます。数値で捉えれば、対策も具体的になります。低栄養とその対策、フレイル予防もご覧ください。

健診を受ける意味

年齢を重ねると、健診を受けなくなる方が増えます。理由と、受ける意味を整理します。

「もう年だから調べても仕方がない」と考える方がいます。しかし、見つかる問題の多くは、対処すれば生活の質が保てるものです。治療するかどうかは、見つけたあとで決められます。

そして、高齢の方の健診では、病気を見つけることだけが目的ではありません。心身の働きが落ちてきていないかを確かめることが、重視されています。この点が、若い方の健診と違うところです。

体重が落ちている、噛めなくなっている、外に出なくなっている。これらは病名がつくものではありませんが、放置すると生活が成り立たなくなります。早く気づけば、戻せる段階があります。

費用は、多くの自治体で無料か低額に設定されています。案内が届いていないか確かめてください。受けられる期間が決まっていることがあります。

質問票で何を見ているのか

75歳以上の方の健診では、質問に答える形式の項目が使われます。

健康の状態、心の状態、食習慣、口の働き、体重の変化、運動、物忘れ、社会とのつながり、喫煙、睡眠。幅広く、生活の全体を尋ねる内容になっています。難しい質問ではありません。

食事に関わる項目が複数含まれています。1日に何回食べているか、固いものが食べにくくなっていないか、お茶や汁物でむせることがないか。いずれも、食べる力の変化を捉えるための項目です。

体重の変化も尋ねられます。半年で減っているかどうかが、重要な手がかりとされています。測っていない方は、この機会に測ってください。

正直に答えてください。できないことを「できる」と答えると、必要な支援につながりません。良く見せる必要はありません。

結果をどう読むか

結果が返ってきたあと、何をすればよいかを整理します。

数値に印がついている項目は、医師に確かめてください。「様子を見ましょう」で終わらせず、何に注意すべきかを聞いてください。次にいつ確かめるかも決めておくと安心です。

質問票で該当した項目については、支援につながることがあります。栄養、口の働き、運動、社会とのつながり。それぞれに対応する取り組みが用意されている自治体があります。

そして、結果は保管してください。去年と比べることに意味があります。一度の数値より、変化のほうが多くを教えてくれます。

離れて暮らす家族は、結果を見せてもらってください。本人は「異常なし」としか言わないことがあります。実際には印がついていることがあります。

体重を測る習慣をつける

健診は年に一度ですが、体重は毎月測れます。

半年で2キロから3キロ落ちているなら、注意が必要とされています。本人に自覚がないことが多く、周囲も気づきません。数字で追うことに意味があります。

体重計がなければ、用意してください。数千円で買えます。乗るだけのものでよく、複雑な機能は要りません。

測ったら、カレンダーに書いてください。記録が残れば、変化が見えます。受診のときに持っていけば、判断の材料になります。

服がゆるくなった、指輪が回るようになった、顔つきが変わった。こうした変化も手がかりです。離れて暮らす家族は、会うたびに確かめてください。

該当したあとに使えるもの

質問票で該当した場合、どんな支援があるかを知っておいてください。

栄養に関わる項目に該当した場合、管理栄養士による相談が案内されることがあります。自宅を訪ねてもらう制度もあります。医師の指示にもとづいて行われます。

口の働きに関わる項目では、歯科の受診が勧められます。入れ歯が合っていない、噛めない、むせる。いずれも、食べる量に直結する問題です。

運動や外出に関わる項目では、通いの場や体操の集まりが案内されます。費用が安く、気軽に参加できるものが多くあります。

そして、必要に応じて、地域包括支援センターにつないでもらえます。生活全体を見て、使えるものを整理してもらえます。健診が、支援の入口になります。

受けやすくする工夫

受けたほうがよいと分かっていても、実際に行くのが難しいことがあります。

会場までの移動が壁になることがあります。送迎がある自治体、集団での健診と個別の医療機関での健診の両方が選べる自治体があります。確かめてみてください。

かかりつけ医で受けられる場合は、そのほうが負担が軽くなります。普段の受診とあわせられることがあります。医療機関に聞いてみてください。

そして、家族が付き添うと、受けやすくなります。帰省の予定に合わせて日程を組む、という方法があります。結果を一緒に聞けるという利点もあります。

本人が嫌がる場合は、理由を確かめてください。結果を知るのが怖い、面倒、費用が心配。理由によって、伝え方が変わります。

健診で分からないこと

受けたから安心、とはなりません。限界も知っておいてください。

健診は、決められた項目を確かめるものです。すべての病気が見つかるわけではありません。症状があるなら、健診を待たずに受診してください。

そして、生活の実態は、質問票だけでは分かりません。本人が良く答えれば、問題は見えません。家族が気づいていることを、別に伝える必要があります。

認知の症状も、短い問診では分かりにくいものです。気になることがあれば、はっきり伝えてください。専門の医療機関につないでもらえます。

健診は、入口の一つにすぎません。日々の変化に気づくのは、本人と周囲の人です。年に一度の検査より、毎日の観察のほうが多くを教えてくれます。

数値を追いすぎない

高齢の方の健診には、若い方とは違う考え方が必要です。

血圧や血糖などの目標は、年齢や状態によって変わることがあります。厳しく下げすぎることの害が指摘されています。ふらつき、転倒、意識の低下につながります。

そして、食事の制限を厳しくしすぎると、食べる量が落ちます。痩せてしまうことのほうが、高齢の方にとっては大きな問題になる場合があります。

自分の目標をどこに置くべきかは、主治医に確かめてください。一般向けの数値を、そのまま当てはめないでください。何年も前の指示のまま続けている方がいます。

迷ったら、次の受診で「いまの方針でよいか」を聞いてください。この一言で、見直しの機会が生まれます。

歯科と目の検査も忘れない

一般的な健診の項目に含まれないものにも、確かめる価値があります。

歯科の受診です。噛めなくなることは、食べる量に直結します。入れ歯が合っていない、歯が痛む、口の中が乾く。いずれも、放置すると食事の内容が変わっていきます。自治体によっては、高齢者向けの歯科の健診が用意されています。

目の検査も重要です。見えにくさは、転倒に直結します。緑内障のように、初期には自覚症状が出にくいものもあります。年に一度、眼科で診てもらう習慣に意味があります。

耳の聞こえも確かめてください。聞こえにくくなると、人と話す機会が減り、外に出なくなります。結果として、食事も一人になり、量が落ちます。

これらは、健診の案内には含まれないことがあります。自分で意識して受ける必要があります。かかりつけ医に相談すれば、適切な医療機関を紹介してもらえます。

受けた結果を生活に反映する

受けるだけで終わらせず、その後につなげてください。

該当した項目について、何を変えるかを一つ決めてください。すべてを一度に変えようとすると、続きません。食事の回数を増やす、体操の会に行ってみる。一つで構いません。

そして、次の健診までに変化があったかを確かめてください。体重、外出の回数、食べる量。比べられる形で記録しておくと、効果が見えます。

家族と共有することにも意味があります。一人で取り組むより、見ている人がいるほうが続きます。離れて暮らしていても、電話で確かめるだけで違います。

そして、うまくいかなくても構いません。できなかったことを責める必要はありません。別の方法を試せばよいだけです。

制度のことも、あわせてご相談ください

配食のふれ愛 太子店は、太子町を中心に南河内エリアでお弁当をお届けしています。ケアマネジャーさんからのご相談、自治体の助成を使ったご利用についてもお受けしています。「どこに聞けばいいか分からない」という段階でも構いません。まずはお問い合わせください。

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関連用語

フレイル

健康と要介護の中間にある虚弱な状態。食事と運動で戻せる段階です。

低栄養

エネルギーとたんぱく質が不足した状態。高齢者の要介護化の入口になります。

BMI

体重と身長から出す体格の指標。高齢者は21.5〜24.9が目安とされます。

サルコペニア

加齢に伴う筋肉量と筋力の低下。転倒と要介護の危険を高めます。

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