「非該当」でも、使えるサービスが残っている
正式名称は介護予防・日常生活支援総合事業(略して総合事業)。市区町村が実施する事業で、要介護認定を受けていない方でも使えるのが最大の特徴です。
背景には、「要支援にも至らないが、少し手助けがあれば自立を保てる人」が多くいるという事情があります。認定を待つ間、あるいは非該当になった方の受け皿です。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 介護予防・生活支援サービス事業 | 訪問型サービス(掃除・洗濯・買い物)、通所型サービス(体操・交流)、その他の生活支援(配食、見守り) |
| 一般介護予防事業 | 体操教室、健康講座、通いの場、住民主体の活動 |
「その他の生活支援サービス」に配食と見守りが位置づけられています。自治体によっては、ここで配食の助成が行われています。配食の助成制度もあわせてご覧ください。
総合事業の生活支援サービスは、要介護認定を受けなくても、基本チェックリストに該当すれば利用できます。
基本チェックリストは25項目の質問票で、次の領域を確認します。
栄養と口腔が独立した項目になっている点に注目してください。「最近やせた」「むせるようになった」は、それだけで支援の対象になりうるということです。
チェックリストは地域包括支援センターの窓口で、その場で実施できます。認定調査のような訪問も審査会も不要で、判定が早いのが利点です。
| 要介護認定 | 基本チェックリスト | |
|---|---|---|
| 期間 | 約1か月 | その場〜数日 |
| 使えるもの | 介護保険の全サービス+総合事業 | 総合事業のみ |
| 福祉用具貸与・住宅改修 | 使える | 使えない |
| 訪問看護・訪問リハビリ | 使える | 使えない |
| 向く人 | 医療的な支援も要る、福祉用具が必要 | 生活の一部だけ手助けがほしい、急ぎたい |
迷ったら、両方を並行して進めることもできます。チェックリストで先にサービスを開始し、同時に認定を申請する、という形です。地域包括支援センターに相談してください。
総合事業は市区町村が設計するため、内容も料金も自治体ごとにまったく違います。隣町にある通いの場が、こちらにはないということが普通に起こります。
調べる先は次のとおりです。
あわせて通いの場と介護予防、地域包括支援センターもご覧ください。
この仕組みの最も大きな意味は、手続きの負担が軽いことにあります。
要介護認定の申請から結果までには、1か月程度かかるとされています。その間、何も使えないままでは、状態が悪くなることがあります。この仕組みは、その隙間を埋めるものとして位置づけられています。
基本チェックリストという簡単な質問に答えることで、利用の可否が判断される場合があります。窓口でその日のうちに済むことが多く、訪問調査も医師の書類も不要です。負担が大きく違います。
そして、認定で非該当となった方でも使えることがあります。「介護保険は使えません」と言われて終わりにせず、この仕組みについて確かめてください。案内されないまま帰る方がいます。
ただし、内容は市町村によって差があります。隣の町にあるものが、自分の町にはないことがあります。必ず、住んでいる市町村の窓口で確かめてください。
大きく分けて、生活を支えるものと、体を保つものがあります。
訪問による支援では、掃除、洗濯、買い物、調理といった家事の手助けが受けられます。介護保険の訪問介護と似た内容ですが、担い手や費用の仕組みが異なる場合があります。資格を持つ人だけでなく、研修を受けた地域の人が担うこともあります。
通所による支援では、体操、レクリエーション、入浴、食事といった内容が提供されます。介護保険のデイサービスより短い時間、少ない回数で使える形が用意されていることがあります。
そして、住民が運営する集まりの場も、この枠組みに含まれることがあります。体操の集まり、食事の会、サロン。費用が安く、気軽に参加できるのが利点です。
配食や見守りが含まれている自治体もあります。栄養改善を目的とした事業として行われている場合があります。窓口で確かめてください。
利用の判断に使われる質問票について、知っておいてください。
日常生活の状況を尋ねる質問に答える形式です。買い物や外出ができるか、階段を上れるか、体重が減っていないか、物忘れがあるか。難しい内容ではありません。
食事に関わる項目も含まれています。体重の変化、口の乾き、むせること、固いものが食べにくいこと。これらは、栄養の状態を見る手がかりとされています。
正直に答えることが重要です。できないことを「できる」と答えると、必要な支援につながりません。本人が答える場合、実際より良く答える傾向があります。家族が同席してください。
結果によっては、要介護認定の申請を勧められることもあります。この仕組みで足りるか、認定が必要かの判断材料になります。どちらがよいかは、窓口で相談してください。
両方の道があるとき、どう選べばよいかを整理します。
すぐに支援が必要で、内容が軽いものでよいなら、チェックリストのほうが早く始められます。手続きが簡単で、日数もかかりません。掃除や買い物の手助け、通いの場への参加なら、これで足ります。
一方、福祉用具の貸与、住宅の改修、訪問看護といったものが必要なら、認定を受ける必要があります。これらは、この仕組みでは使えません。該当するなら、最初から認定の申請をしてください。
そして、状態が重い、あるいは今後悪くなることが見込まれる場合も、認定を受けておくほうが確実です。あとから申請すると、また日数がかかります。
迷ったら、窓口で両方の説明を受けてください。本人の状態を聞いたうえで、どちらが適しているかを判断してもらえます。自分で決める必要はありません。
費用の仕組みは、介護保険のサービスと異なる場合があります。
自己負担の割合や、1回あたりの金額は、市町村が定めています。介護保険より安く設定されていることもあれば、そうでないこともあります。必ず、事前に確かめてください。
住民が運営する集まりの場は、実費程度で参加できることが多くあります。食事の会なら材料費、体操の会なら会場代の分担。気軽に始められる金額です。
そして、この仕組みで使ったものが、介護保険の月々の上限に関わるかどうかも、確かめてください。仕組みが分かりにくい部分です。窓口で説明を受けてください。
費用が負担になる場合は、その旨を伝えてください。軽減の仕組みや、別の手段が示されることがあります。黙っていると、提案されません。
食事に困っている場合に、この仕組みが役立つ場面があります。
訪問による調理の支援が含まれている自治体があります。介護保険の認定を受けていなくても、家事の手助けとして受けられる場合があります。買い物の代行が含まれることもあります。
通いの場で昼食が出る場合、その日の1食が確保されます。一人で食べるより量が入る、という効果も期待できます。孤食が続いている方には、意味の大きい変化です。
栄養に関わる相談や指導が、事業として行われている自治体もあります。管理栄養士が関わる形が用意されている場合があります。窓口で確かめてください。
そして、配食が組み込まれている自治体もあります。ただし、多くの市町村では、配食は別の制度として行われています。どちらの枠組みかを、窓口で整理してもらってください。
この仕組みの最大の難しさは、内容が場所によって違うことです。
調べた情報が、自分の町に当てはまらないことがあります。ほかの市町村の案内を見て「使えるはず」と思って窓口に行き、断られることが起こります。必ず、住んでいる市町村で確かめてください。
そして、内容は年度によって変わることがあります。以前に聞いた話が、いまも同じとは限りません。数年前に断られた方も、改めて確かめる価値があります。
転居したときは、必ず調べ直してください。前の町で使えていたものが、新しい町にはないことがあります。逆の場合もあります。
調べ方が分からなければ、地域包括支援センターに聞いてください。その町で使えるものを、まとめて整理してもらえます。制度の名前を知らなくても構いません。
問い合わせるときに、聞くべきことを整理しておきます。
この仕組みで使えるサービスの一覧。訪問、通所、その他。何があるかを聞いてください。資料をもらえることもあります。
利用の条件と、判断の方法。チェックリストで使えるのか、認定が必要なのか。本人の状況を伝えれば、見当がつきます。
費用と、手続きの流れ。いくらかかるか、どこに申し込むか、いつから使えるか。この3つを聞けば、次の行動が決まります。
そして、この仕組み以外に使えるものがあるかも、あわせて聞いてください。配食の助成、見守り、地域の活動。制度の枠にこだわらず、困りごとを伝えるほうが、良い提案が得られます。
この仕組みの特徴として、資格を持つ職員以外が支援に関わることがあります。
研修を受けた地域の住民が、掃除や買い物を手伝う形が用意されている自治体があります。費用が抑えられ、身近な相手であるという利点があります。顔なじみになれば、見守りの目にもなります。
一方で、専門的な介助はできません。身体に直接触れる介助、医療に関わること。これらは、資格を持つ職員が行う必要があります。
どこまで頼めるかを、最初に確かめてください。期待と実際がずれると、双方が困ります。窓口で説明を受けてください。
そして、合わないと感じたら、担当を替えてもらえます。近所の人だからこそ言いにくい、という事情も理解されています。窓口に伝えてください。
市区町村が行う高齢者向け配食サービスの助成について、対象者・金額・申請の流れを整理します。制度の名前が自治体ごとに違うことも説明します。
地域包括支援センターの役割と、相談できる内容を整理します。介護保険を使っていない段階でも使えること、費用がかからないことを説明します。
地域の通いの場・サロン・体操教室について解説します。共食が栄養状態を改善する理由と、参加のきっかけの作り方を整理します。
65歳未満の方や障害のある方が使える食事関連の支援を整理します。介護保険との関係、日常生活用具、居宅介護の調理について解説します。
配食サービスは介護保険の給付対象ではありません。その理由と、総合事業・市区町村の助成・障害福祉・生活保護など、実際に費用の助けになるしくみを順に整理します。窓口で何を聞けばよいかも書いています。
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