片側に麻痺があるときに起きること

脳卒中の後などで片側に麻痺がある場合、食事の場面では次のことが同時に起きます。

  • 器を押さえられない。片手だけでは器が動き、すくえない
  • 切れない。ナイフとフォーク、箸の両方が使いにくい
  • 口の中の麻痺側に食べ物が残る。感覚が鈍く、残っていることに気づかない
  • 麻痺側の口角から こぼれる。唇が閉じきらない
  • 姿勢が傾く。麻痺側に倒れ、あごが上がる

3つ目が誤嚥に直結します。食後に口の中を必ず確かめてください。頬の内側にたまった食べ物が、あとから気管に落ちることがあります。

食器と道具で解決できること

困りごと道具
器が動く滑り止めマット、底に吸盤の付いた食器
すくえない片側が立ち上がった皿(すくいやすい形)、縁に返しのある皿
握れない柄が太いスプーン、曲がるスプーン、手に固定するバンド付き
切れないあらかじめ一口大に切って出す。ロッキングナイフ
コップが持てない両手付きコップ、取っ手が大きいマグ、飲み口が斜めのコップ
麺がすくえない先が曲がったフォーク、短く切る

これらは自助具と呼ばれ、介護用品店や通販で手に入ります。詳しくは食器と自助具の選び方をご覧ください。作業療法士がいる場合は、その方に合った形を選んでもらえます。

姿勢と配置

  • 麻痺側にクッションを入れて支える。体が傾くとあごが上がります
  • 食器は使える側の手が届く範囲に置く。遠いと体が伸びて姿勢が崩れます
  • 麻痺側の視野が欠けている場合、その側に器を置かない。気づかず残します
  • テーブルの高さを合わせる。ひじが自然に乗る高さ

視野の欠け(半側空間無視)がある場合、お盆の左半分だけ食べ残すといったことが起きます。本人は食べたつもりです。器の位置を変える、途中でお盆を回す、といった対応をします。

食べ方の工夫

  • 健側(麻痺していない側)に食べ物を入れる。感覚と動きが残っている側で処理します
  • 顔を健側に少し向けて飲み込む。食べ物が健側の喉を通ります(頸部回旋。適否は専門職に確認)
  • 一口ごとに、飲み込んだのを確かめる。
  • ときどき水分をはさむ。口の中に残ったものを流します
  • 食後に口の中を見る。頬の内側、舌の下、歯と歯ぐきの間

顔の向きの調整は有効ですが、その方に合うかどうかは嚥下の評価によります。言語聴覚士や医師の指示を確かめてください。

「自分で食べる」を守る

介助したほうが早く、こぼれず、確実です。しかし全部介助にすると、残っている力が使われなくなり落ちていきます。

現実的な折り合いは、時間のある食事は自分で、急ぐ食事は介助でという分け方です。朝は介助、昼は自分で、といった形でも構いません。

脳卒中の後の食事全般は脳卒中と食事退院後の食事管理もあわせてご覧ください。

食事形態を、その日の状態に合わせて選べます

配食のふれ愛 太子店では、普通食のほかに、やわらかく仕上げた小町食・きざみ・一口大・ムース食をご用意しています。同じ献立を形だけ変えてお届けできるため、ご家族と同じものを召し上がれます。どの形が合うか分からないときは、まず無料試食でお試しください。

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嚥下障害

飲み込みがうまくいかない状態。むせや口の中の残留が目印になります。

介護食

かむ力・飲み込む力に合わせて形や硬さを調整した食事の総称です。

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