一度に食べられないとき|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

「全部食べる」を目標にしない

加齢とともに、胃の容量も消化のはたらきも落ちます。1回に食べられる量が減るのは自然なことで、これを「全部食べさせる」方向で押すと、食事の時間そのものが苦痛になります。

考え方を変えます。1食で足りなくてよい。1日の合計で足りればよい。これが分食(食事を分けて摂ること)の考え方です。

分け方の例

時間内容ねらい
朝7時ごはん・味噌汁・卵・野菜(普段の6割)1日の始まり。無理をしない
10時ヨーグルト、バナナ、牛乳たんぱく質とカルシウム
昼12時配食の弁当(食べられる分)1日でいちばん食べやすい時間帯
15時おにぎり半分、豆乳、プリンエネルギーを足す
夕18時主菜と汁物を中心に量より、たんぱく質を優先
就寝前牛乳、栄養補助飲料(必要なら)夜間の低血糖・空腹を防ぐ

間食は「余計なもの」ではありません。食べられない方にとって、間食は栄養を入れる正規の機会です。

少量で栄養を濃くする

量が入らないなら、同じ量あたりの栄養を増やします。

  • 油脂を足す:マヨネーズ、バター、ごま油、MCTオイル。1gで9kcalとエネルギー効率が高い
  • 粉ミルク・スキムミルクを混ぜる:おかゆ、スープ、ポタージュに。たんぱく質とカルシウムが上がります
  • きな粉・すりごまをかける:ヨーグルト、おひたし、みそ汁に
  • 卵を足す:おかゆに落とす、スープに溶く(アレルギーがない場合)
  • チーズを刻んで入れる:おかゆ、リゾット、野菜のあえもの
  • だしを濃くする:味が濃くなり、少量でも満足感が出ます

ただし、油脂を急に増やすと胃もたれや下痢を起こします。少しずつ、様子を見ながら増やしてください。

栄養補助食品を使うとき

ドラッグストアや通販で手に入る、小容量で高エネルギーの飲料・ゼリーがあります。使いどころは次のとおりです。

  • 食事の代わりにしない。食事に足す形で使います
  • 食後や間食の時間に。食前に飲むと、その分食事が入りません
  • 味を替える。同じ味が続くと飲めなくなります
  • 制限がある方は確認する。糖尿病、腎臓病、心不全の方は主治医に確かめてください

体重が減り続けている場合は、市販品で対応する前に医師・管理栄養士に相談してください。体重減少の背景に病気が隠れていることがあります。

食べられる時間帯を見つける

1日のなかで、食が進む時間帯は人によって違います。朝がいちばん食べられる方、夕方から調子が出る方。その時間帯にいちばん栄養のあるものを置いてください。

配食のふれ愛 太子店では、昼のみ・夕のみ・両方といった形でご注文いただけます。食べられる時間帯に合わせて、必要な食数だけご利用いただけます。

食欲が落ちている場合の対処は高齢者の食欲不振、体重が減っている場合は低栄養とその対策をご覧ください。

回数を増やすと何が起きるか

1日3食が当たり前と思われていますが、これは健康な成人を前提とした形です。食べる力が落ちてきた方には、必ずしも合いません。

一度にたくさん食べられなくなる理由はいくつもあります。胃の動きが遅くなる、少量で満腹に感じる、噛むのに時間がかかって途中で疲れる、食欲が続かない。3食の枠に固執すると、1食あたりの量が足りず、1日の合計が不足します。

回数を増やすと、1回あたりの負担が減ります。3食にこだわらず、1日5回から6回に分ければ、同じ合計量でも無理なく入ります。朝、10時、昼、15時、夕方、就寝前。このような形です。

もう一つの効果は、血糖の動きが穏やかになることです。一度に大量に食べると血糖が急に上がり、そのあと下がって強い眠気やだるさが出ます。分けて食べれば、この波が小さくなり、日中の活動が保たれます。

間に何を出すか

回数を増やすといっても、何を出すかで結果が変わります。お茶と煎餅では、量は入っても中身が足りません。

優先すべきは、たんぱく質です。高齢の方の不足で最も多いのがたんぱく質で、これが足りないと筋肉が落ち、動けなくなります。牛乳、ヨーグルト、チーズ、豆乳、卵、プリン、栄養補助のドリンクやゼリー。少量で確実にたんぱく質が入るものを選んでください。

次に、エネルギーです。量が食べられない方に、低カロリーのものを出すのは逆効果です。アイスクリーム、カステラ、バターを塗ったパン、あんこ、はちみつ。少量でエネルギーが取れるものが向いています。健康的な食事の常識をそのまま当てはめないでください。

そして、水分です。間食の時間は、水分を取ってもらう機会でもあります。飲み物と一緒に出せば、脱水も同時に防げます。ゼリー飲料なら、水分と栄養が同時に取れます。

果物や野菜のジュースは、水分とビタミンが取れますが、たんぱく質もエネルギーも多くありません。それだけで済ませず、必ず何かと組み合わせてください。

時間の決め方

回数を増やすときに失敗しやすいのが、時間の配置です。ここを誤ると、本来の食事が食べられなくなります。

基本は、食事の2時間前には間食を終えることです。食事の直前に食べると、満腹になって食事が入りません。これでは、栄養の密度が高いおかずを食べる機会を失うことになります。

時間を決めて、毎日同じにしてください。だらだらと食べ続ける形にすると、いつも中途半端に満腹で、食事の時間に食欲が出ません。また、口の中に食べものがある時間が長くなり、虫歯や口の中の汚れにつながります。

就寝前の一口は、有効な場合があります。夜間から朝までの絶食時間が長いと、体は筋肉を分解してエネルギーを作ります。寝る前に牛乳やヨーグルトを少し取ると、これを防げます。ただし、逆流の症状がある方は避けてください。横になったときに戻ってきます。

目が覚めている時間帯に合わせることも大事です。昼過ぎに眠ってしまう方に、その時間に間食を用意しても食べられません。その方の1日の過ごし方を見て、目が覚めていて機嫌のよい時間に合わせてください。

1食の中でも工夫できる

回数を増やす以外にも、1食の中でできることがあります。同じ量でも、出し方を変えるだけで食べられる量が増えます。

まず、出す順番です。最初に汁ものや野菜でお腹がふくれてしまうと、たんぱく質のおかずが食べられません。肉、魚、卵、豆腐のおかずを先に出してください。食欲がある最初のうちに、大事なものを食べてもらう考え方です。

次に、盛り付けの量です。山盛りの皿を見ると、それだけで食欲が失せる方がいます。少なめに盛って、足りなければおかわりを出す。この形なら、「食べきれた」という満足につながります。小さめの器を使うと、同じ量でも多く見えます。

そして、密度を上げることです。量が増やせないなら、同じ量に含まれる栄養を増やせばよいという発想です。ごはんに卵を混ぜる、汁ものに豆腐やひき肉を入れる、いもに牛乳とバターを加える、味噌汁を粉ミルクや豆乳で作る。見た目の量を変えずに、中身を濃くできます。

油を上手に使うことも有効です。油は少量でエネルギーが高く、味もよくなります。マヨネーズ、バター、ごま油、オリーブ油、生クリーム。控えるべきものと思われがちですが、食べる量が落ちている方には、むしろ足すべきものです。

どこまで足りているかを見る

回数を増やしても、実際に足りているかどうかは、感覚では分かりません。数字で確かめてください。

最も簡単で確実なのが、体重です。週に1回、同じ時間、同じ服装で量ってください。減っていれば足りていません。1か月で2キロ以上、または半年で体重の5%以上減っていれば、明らかに不足しています。すぐ相談してください。

ふくらはぎの太さも目安になります。親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太いところを囲んでみてください。指が余るようなら、筋肉が落ちています。体重だけでは分からない変化が見えます。

食べた量の記録も役立ちます。厳密に量る必要はなく、「主食は半分」「おかずは全部」という程度で十分です。1週間つけると、いつ、何が残っているかが見えます。特定のものだけ残るなら、その形が合っていない可能性があります。

そして、専門職に見てもらってください。管理栄養士に相談すれば、いまの食事で何が足りないかを具体的に示してもらえます。介護保険を使っている方なら、ケアマネジャーを通じて栄養の相談につなげられる場合があります。

用意する側が続けられる形にする

回数を増やすということは、用意する回数が増えるということです。ここを軽く見ると、続きません。

調理が必要なものを、1日6回作るのは無理です。間の食事は、開けるだけ、注ぐだけ、温めるだけで済むものにしてください。ヨーグルト、牛乳、チーズ、プリン、栄養補助のゼリーやドリンク。これで十分に役目を果たします。

まとめて用意しておく方法もあります。小分けにして冷蔵庫に入れ、本人が自分で取れる場所に置いておく。これができる方なら、家族が毎回出す必要がありません。何時に何を食べるかを紙に書いて貼っておくと、忘れずに済みます。

配食サービスを使えば、1日の主要な食事が確保されます。そのぶんの余力を、間の食事や見守りに回せます。すべてを自分で背負おうとせず、手を抜ける場所を決めておいてください。事業者の選び方は配食サービスの確認12項目にまとめています。

そして、無理に食べさせないでください。回数を増やすのは、楽に食べてもらうためです。回数が増えたぶんだけ、食べるよう促される場面も増えます。それが本人にとって負担になるなら、逆効果です。食べたくない日は、無理をしない。この余裕が、長く続けるための条件です。

施設や配食を使っている場合の組み方

家庭で全部を用意するのではなく、外の力を使っている場合の組み方を整理しておきます。

配食サービスを使っている場合、届くのは主要な食事です。間の食事は、家庭または本人が用意することになります。配食が届く時間を確かめ、その前後2時間は間食を入れないよう配置してください。届いた食事が食べられなくなります。

デイサービスに通っている日は、昼食とおやつがそこで出ます。帰宅後の夕食までの間に、家でさらに間食を出すと、夕食が入りません。通う日と通わない日で、家での回数を変えてください。

そして、施設に入っている場合は、施設の方針を確かめてください。持ち込みができるか、冷蔵庫が使えるか、誰が出してくれるか。差し入れたものが、そのまま食べられずに残っていることがあります。

いずれの場合も、1日の合計で見ることが大事です。家で食べた分だけを見ていると、実際より少なく見えたり、多く見えたりします。関わっている先から情報をもらい、1日全体で足りているかを確かめてください。事業者の選び方は配食サービスの確認12項目にまとめています。

食事形態を、その日の状態に合わせて選べます

配食のふれ愛 太子店では、普通食のほかに、やわらかく仕上げた小町食・きざみ・一口大・ムース食をご用意しています。同じ献立を形だけ変えてお届けできるため、ご家族と同じものを召し上がれます。どの形が合うか分からないときは、まず無料試食でお試しください。

メニュー詳細を見る 無料試食を申し込む

関連用語

低栄養

エネルギーとたんぱく質が不足した状態。高齢者の要介護化の入口になります。

たんぱく質

筋肉・臓器・免疫をつくる栄養素。高齢者は不足しやすくなります。

BMI

体重と身長から出す体格の指標。高齢者は21.5〜24.9が目安とされます。

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