熱が出たあとの食事|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

寝込んだあとに起きること

発熱や感染症で数日動けずにいると、体には次のことが起きます。

  • 筋肉が落ちる。安静臥床では1日あたり0.5〜1%の筋肉量が失われるとされます。1週間寝込めば5%前後
  • 食べていないぶん、体重が減る。減った分の多くは筋肉と水分です
  • 消耗が続く。発熱時は代謝が上がり、平熱より多くのエネルギーを使っています
  • 食欲がすぐには戻らない。熱が下がっても、食べられるようになるまで数日かかります

そして重要なのは、落ちた筋肉は、放っておいても自然には戻らないということです。とくに高齢者では、一度の入院や発熱をきっかけに要介護状態へ進むことがあります。

回復期に必要な量

回復期は、平常時より多くの栄養が要ります。

  • エネルギー:体重1kgあたり30〜35kcal
  • たんぱく質:体重1kgあたり1.2〜1.5g(腎機能に問題がなければ)
  • 水分:発熱で失われた分を戻す

体重50kgなら1500〜1750kcal、たんぱく質60〜75gです。食欲が落ちているときにこの量を摂るのは簡単ではありません。だから工夫が要ります。

戻し方の順番

時期食べるもの
発熱中水分優先。経口補水液、スープ、ゼリー、アイス、果物。食べられなくてよい
熱が下がった直後おかゆ、うどん、茶碗蒸し、豆腐、白身魚。消化のよいもの
2〜3日後卵、鶏肉、魚を加える。ここでたんぱく質を意識する
1週間後普段の食事に戻す。量が戻らないなら分食で補う

おかゆだけを長く続けないでください。おかゆは水分が多く、同じ茶碗1杯でもごはんの半分程度のエネルギーしかありません。たんぱく質もほとんど入りません。3日を超えるなら、卵や豆腐、魚を必ず足してください。

筋肉を戻すには、食事だけでは足りない

たんぱく質を摂っても、体を動かさなければ筋肉にはなりません。食事と運動をそろえて初めて戻ります。

  • 熱が下がったら、まず座る時間を増やす
  • 次に立つ、家の中を歩く
  • 椅子からの立ち座りを1日10回×2〜3セット
  • 食後30分〜1時間のあいだに動くと、たんぱく質が筋肉に使われやすくなります
  • 入院していた場合は、リハビリの継続を(訪問リハビリ、通所リハビリ)

「病み上がりだから安静に」を長く続けないでください。安静そのものが筋肉を減らします。

戻らないときのサイン

  • 2週間たっても食事量が戻らない
  • 体重が戻らない、さらに減っている
  • 歩く速さが明らかに落ちた
  • 立ち上がりに手すりが必要になった
  • 外出しなくなった

これらがあれば、フレイルやサルコペニアが進んでいる可能性があります。かかりつけ医とケアマネジャーに相談してください。介護保険をまだ使っていない方は、地域包括支援センターが窓口になります。

作る余力がない時期を、どうしのぐか

回復期は、本人も家族も余力がない時期です。ここで栄養が入らないことが、その後を決めます。

配食のふれ愛 太子店では、1食から、必要な期間だけご利用いただけます。「退院してから2週間だけ」「熱が下がるまで」といった使い方もできます。管理栄養士が組んだ献立なので、たんぱく質と野菜が確実に入ります。

あわせて退院後の食事管理、フレイルとは?もご覧ください。

寝込んだあとに何が失われているか

熱が下がって症状が消えても、体は元に戻っていません。数日寝ていただけで、思っている以上のものが失われています。ここを理解しておかないと、回復期の食事の重要さが分かりません。

まず、筋肉です。安静にしている状態が続くと、1日あたり数百グラムから1キロ近い筋肉が失われるといわれています。高齢の方では、この落ち方が速く、戻り方が遅くなります。1週間寝込めば、そのぶんを戻すのに数週間から数か月かかります。

次に、体内の水分と電解質です。発熱、発汗、食事量の低下によって、体は乾いた状態になっています。脱水は、だるさ、ふらつき、便秘、意識のぼんやりとして残ります。

そして、食欲そのものです。熱が下がっても、しばらくは食べられません。この時期に「まだ食べられないから」と量を戻さないでいると、落ちた体重がそのまま固定されます。高齢の方が寝込みをきっかけに動けなくなっていく道筋は、ほとんどがここから始まります。回復期こそ、意識して食べる時期です。

回復期に必要な量を確保する

回復期には、普段より多くのたんぱく質とエネルギーが必要です。失った筋肉を作り直す材料が要るためです。ところが、食欲は落ちたままなので、放っておくと必要量に遠く届きません。

目安として、体重1kgあたり1.2〜1.5gのたんぱく質が勧められます。体重50kgなら60〜75gです。これは普段より多い量なので、意識しないと届きません。毎食に主菜を欠かさず、さらに間食でも たんぱく質を取ることになります。

具体的には、朝に卵と納豆と牛乳、昼に魚と豆腐、夜に肉と副菜、間食にヨーグルトとチーズ。この形で、ようやく60gを超えます。1食に集中させるのではなく、3食プラス間食2回に分けて積み上げてください。

食欲が戻らないうちは、少量で栄養の入るものを使います。栄養補助食品、プリン、アイスクリーム、卵豆腐、茶わん蒸し、豆乳、チーズ。この時期に「バランスの取れた食事」にこだわると、量そのものが入りません。まずエネルギーとたんぱく質を入れることを優先してください。

食事の戻し方の順番

寝込んでいるあいだ、ほとんど食べていなかった場合、いきなり通常の食事に戻すと胃腸が受け付けません。順を追って戻してください。

最初は、水分と、消化のよい糖質からです。おかゆ、うどん、パン粥、いも。温かくして、味は薄めにします。この段階で大事なのは水分で、脱水が残っているあいだは体力も戻りません。飲みものだけでなく、汁もの、ゼリー、果物からも水分は取れます。

次に、脂の少ないたんぱく質を加えます。豆腐、白身魚、卵、鶏のささみ。調理はゆでる、蒸す、煮るにします。ここまでで、体を作る材料が入り始めます。

そして、通常の食事に戻していきます。油を使った料理、繊維の多い野菜、乳製品を加えます。戻す速さは、おなかの具合を見ながら決めてください。下痢が続くなら、一段階戻します。

戻すあいだも、食べる回数は多めに保ってください。1回の量が少ない時期は、回数で合計を確保するしかありません。3食にこだわらず、1日5〜6回に分けて食べる形が、この時期には合っています。

筋肉を戻すには動くことが要る

食べるだけでは筋肉は戻りません。落ちた筋肉を作り直すには、体を動かす刺激が必要です。栄養と運動は、どちらか一方では効きません。

寝込んだあとは、いきなり元の生活に戻さず、段階を踏んでください。まず、ベッドの上で座る時間を増やす。次に、ベッドから離れて椅子に座る。立ち上がる。室内を歩く。外に出る。1段階ずつ、日をかけて上げていきます。

とくに大事なのが、座っている時間を増やすことです。寝たままの姿勢が続くと、飲み込む力も落ち、食べる量も入りません。食事のときに座ることは、それ自体が回復のための運動になります。

そして、動くタイミングと食べるタイミングを組み合わせてください。体を動かしたあとにたんぱく質を取ると、筋肉が作られやすくなることが知られています。散歩から帰ったあとに牛乳を飲む、体操のあとに間食を取る。この程度の組み合わせで構いません。

ただし、心臓や肺の病気がある方、めまいやふらつきがある方は、どこまで動いてよいかを主治医に確かめてください。回復を焦って転倒すると、そこからさらに動けなくなります。順番を守ることが、結果として早い回復につながります。

戻らないときに気づくためのサイン

回復が順調でない場合、早めに気づいて手を打つ必要があります。放置すると、そのまま動けない状態が固定されます。

目印を挙げます。熱が下がって2週間たっても食欲が戻らない。体重が戻らない、あるいは落ち続けている。立ち上がるのがつらい、歩く速さが明らかに遅くなった。日中も横になっている時間が長い。これらが当てはまるなら、自然に戻るのを待つ段階ではありません。

また、感染そのものが治りきっていない可能性もあります。微熱が続く、痰が続く、だるさが取れない、食後に息切れがする。高齢の方では、肺炎などがはっきりした症状を出さずに続くことがあります。受診して確かめてください。

そして、飲み込みの機能が落ちていないかも確かめてください。寝込んでいるあいだに落ちることがあります。むせる、食事に時間がかかる、食後に痰が増える、声がかすれる。これらがあれば、評価を受けてください。気づかずに元の食事を続けると、誤嚥から次の肺炎につながります。

相談先は、かかりつけ医とケアマネジャーです。介護保険を使っているなら、一時的にサービスを増やすこともできます。回復期だけ支援を厚くして、戻ったら減らすという使い方ができます。

作る余力がない時期をどうしのぐか

回復期に十分な食事が必要だと分かっていても、本人も家族も疲れている時期です。ここで無理に手作りにこだわると、結局食べる量が確保できません。

使えるものを挙げます。レトルトのおかゆと雑炊、缶詰、冷凍食品、パックのごはん、栄養補助食品、宅配の惣菜、そして配食サービス。この時期は、手間をかけないことが最優先です。栄養があって、すぐ食べられるものを並べてください。

配食サービスは、回復期のような一時的な使い方もできます。1日1食だけ、1〜2週間だけ、といった使い方に対応している事業者があります。買いものに行けない、作る気力がない、という時期を乗り切るための手段として有効です。届けてもらうことで、外出せずに済むという利点もあります。

選ぶときは、量が調整できるか、やわらかい献立があるか、栄養成分が示されているかを確かめてください。食欲が戻っていない時期は、量の多い献立だと残してしまいます。少量でも栄養が入るように作られたものがあれば、そのほうが向いています。比べ方は配食サービスの確認12項目にまとめています。

そして、家族が作れないことを負い目に感じないでください。この時期に必要なのは、手作りかどうかではなく、必要な量が入ることです。作る側が倒れれば、支える人がいなくなります。

制限のある食事を、毎日ひとりで組み立てない

配食のふれ愛 太子店では、カロリー調整食・たんぱく調整食をはじめ、栄養バランスに配慮した食事を管理栄養士の献立でお届けしています。主治医から受けている指示をお伝えいただければ、どのコースが合うかを一緒に確かめます。まずは無料試食からお試しください。

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関連用語

たんぱく質

筋肉・臓器・免疫をつくる栄養素。高齢者は不足しやすくなります。

サルコペニア

加齢に伴う筋肉量と筋力の低下。転倒と要介護の危険を高めます。

フレイル

健康と要介護の中間にある虚弱な状態。食事と運動で戻せる段階です。

おかゆ

米を多めの水で炊いた主食。水分量で全粥・七分粥などに分かれます。

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