ワルファリンと納豆|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

ワルファリンとビタミンK

ワルファリンは血液を固まりにくくする薬で、心房細動や血栓症の方に処方されます。この薬はビタミンKの働きを妨げることで効きます。そのため、ビタミンKを多く摂ると薬が効かなくなります。

食品扱い
納豆禁止。納豆菌が腸内でビタミンKを作り続けるため、少量でも影響が長く続きます
青汁禁止。ケール・大麦若葉はビタミンKが非常に多い
クロレラ禁止。
緑黄色野菜(ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、モロヘイヤ)禁止ではない。ただし、大量に食べる日と食べない日を作らない
わかめ、のり通常の量なら問題になりません

ここが誤解されやすい点です。野菜を一切やめる必要はありません。やめると食物繊維とビタミンが不足します。「毎日だいたい同じ量を食べる」ことが正解です。量が一定なら、薬の量もそれに合わせて調整されます。

なお、DOAC(直接経口抗凝固薬)と呼ばれる新しいタイプの薬では、納豆もビタミンKの制限もありません。自分がどちらを飲んでいるか、お薬手帳で確認してください。

グレープフルーツ

グレープフルーツに含まれる成分が、薬を分解する酵素を阻害します。結果として薬が効きすぎ、副作用が出ます。

  • 影響する薬:一部のカルシウム拮抗薬(降圧薬)、一部のスタチン(脂質異常症の薬)、一部の睡眠薬、免疫抑制薬など
  • 影響する果物:グレープフルーツ、ぶんたん、ダイダイ、スウィーティー
  • 影響しない果物:温州みかん、オレンジ、レモン、ゆず
  • 作用は長い。「時間をずらす」では避けられません。摂らないことが必要です

該当する薬を飲んでいるかどうかは、薬局でもらう説明書に書かれています。分からなければ薬剤師に聞いてください。

その他の組み合わせ

薬避けるもの理由
一部の抗菌薬、骨粗しょう症薬牛乳、乳製品、カルシウム剤カルシウムと結合して吸収されなくなる
甲状腺ホルモン薬カルシウム剤、鉄剤、大豆製品(多量)吸収が落ちる
テオフィリン(喘息薬)カフェイン作用が重なり、動悸・不眠
降圧薬・利尿薬(一部)カリウムの多い食品、減塩しおカリウムが上がりすぎる
睡眠薬、安定剤アルコール作用が強まり、転倒・意識障害
糖尿病薬アルコール低血糖を起こしやすい
鉄剤濃いお茶(同時に大量)吸収が落ちる。ただし通常の量なら大きな問題にはなりません

サプリメントも薬と同じ扱いで

「健康食品だから安全」ではありません。次のようなものは薬に影響します。

  • セント・ジョーンズ・ワート(セイヨウオトギリソウ):多くの薬の効果を下げます
  • ビタミンK配合のサプリ:ワルファリンと併用不可
  • 青汁・クロレラ:同上
  • にんにく、イチョウ葉、EPA製剤:血が止まりにくくなる方向に働くことがあります
  • カリウム入りの塩:腎臓病・透析・一部の降圧薬の方は危険

サプリメントを飲み始めるときは、必ず主治医か薬剤師に伝えてください。お薬手帳に書いておくのが確実です。

配食を頼むときに伝えること

配食のふれ愛 太子店にご注文いただく際、ワルファリンを服用中で納豆が禁止、といった情報をお伝えください。献立から外してお届けします。

あわせて、アレルギー、塩分やたんぱく質の制限もお知らせください。伝え方の要点にまとめています。

なぜ納豆だけが特別扱いされるのか

ビタミンKを含む食品は多くあるのに、納豆だけが「絶対にだめ」と言われるのはなぜか。ここを理解しておくと、ほかの食品への対応も判断できるようになります。

納豆に含まれる菌は、腸の中でビタミンKを作り続けます。つまり、食べた納豆に含まれるビタミンKだけでなく、そのあと腸の中で新たに作られる分が加わります。そのため、少量でも、そして食べたあと長時間にわたって薬の効き目を打ち消します。ほかの食品とは影響の大きさが桁違いです。

同じ理由で、クロレラと青汁も避けるよう指示されます。これらはビタミンKが非常に多く、健康によいと思って続けている方が多いため、かえって危険です。サプリメントや健康食品は、食品だから安全という思い込みが働きやすく、医師に伝えられないまま続けられていることがあります。

一方、ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、キャベツ、海藻といった野菜にもビタミンKは含まれますが、これらは食べてはいけないというものではありません。大事なのは、量を大きく変えないことです。いつも食べているなら、そのまま続けてください。急に増やしたり、急にやめたりすると、薬の効き方が変わります。

量を「一定に保つ」という考え方

この薬を飲んでいるときの食事は、避けることより、一定に保つことが中心になります。この考え方は、ほかの食事療法とは違うので、慣れるまで戸惑います。

薬の量は、血液検査の結果を見ながら調整されています。その調整は、いまの食生活を前提に決められています。つまり、食事が変われば、合わせてあった薬の量が合わなくなります。野菜を食べる量が急に増えれば薬が効かなくなり、急に減れば効きすぎます。

だから、健康のために野菜を増やそう、といった変更も、事前に医師に伝えてください。良かれと思ってした変更が、検査の数値を動かします。逆に、体調を崩して食べられない日が続いたときも、伝える必要があります。

季節による変化にも気をつけてください。夏に冷やしトマトが増える、冬に鍋で葉物が増える、正月に普段と違うものを食べる。こうした変化は自然に起きるので、意識していないと気づきません。検査の値が動いたとき、食事の変化がなかったかを振り返ってみてください。

薬と食べ合わせで気をつけるもの

この薬は、ほかの薬や食品との組み合わせで効き方が変わることが多く知られています。組み合わせの数が多いため、自己判断で何かを足すのは危険です。

まず、市販薬です。痛み止め、風邪薬、胃薬の一部が影響します。薬局で買うときは、この薬を飲んでいることを必ず伝えてください。お薬手帳を見せるのが確実です。

次に、サプリメントと健康食品です。ビタミンKを含むもの、青汁、クロレラ、一部のハーブ、魚油、にんにくの製剤。「自然のものだから安全」ということはありません。飲み始める前に、必ず医師か薬剤師に確かめてください。

グレープフルーツについては、この薬より、ほかの種類の薬で問題になることが多いのですが、飲んでいる薬全体で見る必要があります。高齢の方は複数の薬を飲んでいることが多いため、「この薬とグレープフルーツ」ではなく「飲んでいる薬すべてとグレープフルーツ」で確かめてください。

酒も影響します。飲む量が一定でなければ、効き方が変わります。大量に飲めば効きすぎ、慢性的に飲んでいれば効きにくくなることがあります。飲む習慣がある方は、その事実を医師に伝えてください。隠したままだと、薬の量を合わせられません。

出血のサインを知っておく

この薬は、血を固まりにくくする薬です。効きすぎると出血しやすくなります。日常で気づけるサインを知っておいてください。

あざができやすい。歯ぐきから血が出る。鼻血が止まりにくい。尿が赤い、または茶色い。便が黒い、またはタール状。傷の血が止まりにくい。生理の量が増えた。これらに気づいたら、医療機関に連絡してください。とくに黒い便は、消化管からの出血を示すことがあります。

そして、頭を打ったときは、たとえ何ともないように見えても受診してください。この薬を飲んでいる方が転倒して頭を打った場合、時間がたってから頭の中で出血が広がることがあります。高齢の方は転倒しやすいため、ここは特に重要です。「大丈夫そうだから様子を見る」という判断をしないでください。

逆に、効きが足りない場合のサインもあります。手足のしびれ、片側の力が入らない、ろれつが回らない、急な息切れ、胸の痛み、足の腫れと痛み。これらは血の塊ができたときの症状で、すぐの受診が必要です。

定期的な血液検査を欠かさないでください。効きすぎと効かなさすぎの両方を防ぐために、検査で確かめながら量を調整します。調子が良いからと受診を空けると、いつの間にか合わなくなっていることがあります。

周囲に伝えておくべきこと

この薬を飲んでいることは、本人だけが知っていれば足りるものではありません。関わる人すべてに伝わっている必要があります。

まず、歯科です。抜歯や歯石の処置で出血します。薬を飲んでいることを伝えずに処置を受けると、血が止まらなくなることがあります。初診のときに必ず申し出てください。

次に、ほかの診療科と、入院・手術のときです。整形外科、眼科、皮膚科、内視鏡の検査。処置の前に薬を止める必要がある場合と、止めてはいけない場合があります。判断は処方している医師が行うので、自分で止めないでください。止めた結果、脳梗塞を起こすことがあります。

そして、家族と介護する人です。転倒したとき、出血したとき、救急車を呼ぶとき。この薬を飲んでいることが伝われば、対応が変わります。お薬手帳を分かる場所に置き、財布にカードを入れておくと、救急のときに見つけてもらえます。

配食や施設を利用するときは、納豆と青汁を出さないことを伝えてください。「アレルギーではないが、薬の関係で納豆が出せない」という伝え方をすると、理由が伝わって確実になります。献立表に納豆が入る日があるかを、前もって確かめておくのが安全です。伝え方の紙の作り方はアレルギーの伝え方がそのまま使えます。

検査の数値を食事と結びつけて見る

この薬を飲んでいる方は、定期的に血液の検査を受けているはずです。その数値を、食事と結びつけて見る習慣をつけてください。

数値が大きく動いたときは、何か変わったことがなかったかを振り返ってください。食事の内容が変わった、体調を崩して食べる量が減った、旅行に行った、新しい薬が加わった、サプリメントを飲みはじめた。心当たりがあれば、必ず医師に伝えてください。

とくに、食べる量が落ちたときは注意が要ります。いつもと食べる量が違うと、薬の効き方も変わります。体調を崩して食事が取れない日が続いたら、そのことを受診時に伝えてください。

そして、配食や施設の食事に切り替えたときも、伝えてください。献立が変われば、取り入れる量も変わります。切り替えの前後は、検査を早めに受けたほうがよい場合があります。

お薬手帳に、食事の変化も書き込んでおくと便利です。受診のときに、これを見せれば伝わります。覚えていられないことを前提に、書いておく仕組みを作ってください。

制限のある食事を、毎日ひとりで組み立てない

配食のふれ愛 太子店では、カロリー調整食・たんぱく調整食をはじめ、栄養バランスに配慮した食事を管理栄養士の献立でお届けしています。主治医から受けている指示をお伝えいただければ、どのコースが合うかを一緒に確かめます。まずは無料試食からお試しください。

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関連用語

食物繊維

消化されない植物成分。糖の吸収を緩やかにし、便通を整えます。

カリウム

ナトリウムの排出を助けるミネラル。腎機能が低い方は制限が必要です。

カルシウム

骨と歯をつくる主要ミネラル。不足が続くと骨密度が下がります。

鉄分

赤血球のヘモグロビンをつくるミネラル。不足すると貧血になります。

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