眠れないときの食事|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

加齢で睡眠は変わる

年をとると、深い眠りが減り、途中で目が覚める回数が増えます。これ自体は病気ではありません。必要な睡眠時間も短くなり、65歳を過ぎると6時間程度で足りる方が多くなります。

問題は、「8時間眠らなければ」と考えて長く床にいることです。眠れない時間が増え、かえって不眠感が強まります。

カフェイン

カフェインの作用は、高齢者では長く続きます。分解に時間がかかるためです。

飲み物カフェイン量(1杯あたり)
コーヒー(150mL)約90mg
玉露(150mL)約180mg。コーヒーより多い
煎茶・紅茶(150mL)約30mg
ほうじ茶・ウーロン茶約20mg
玄米茶約10mg
麦茶・そば茶・ルイボスティー0

午後2時以降はカフェインを避けるのが目安です。夕方以降のお茶は、麦茶やほうじ茶に替えてください。緑茶をやめられない方は、水出しにすると量が減ります。

寝酒はやめる

アルコールは寝つきを良くしますが、数時間後に分解される過程で覚醒作用が出ます。結果として、夜中に目が覚め、眠りが浅くなります。

  • 利尿作用で、夜間のトイレが増える
  • いびきや無呼吸を悪化させる
  • 耐性がつき、量が増えていく
  • 睡眠薬との併用は危険。転倒の原因にもなります

寝酒を習慣にしている方は、急にやめると眠れなくなるため、少しずつ減らすか、主治医に相談してください。

夕食の時間と内容

  • 就寝の3時間前までに終える。消化のために体が働いていると眠りが浅くなります
  • 脂っこいもの、量の多い食事を夜にしない。逆流の原因にもなります
  • 水分は夕方以降やや控えめに。ただし1日の総量は減らさない(脱水を招きます)
  • 空腹で眠れない場合は、少量の補食を。ホットミルク、バナナ、おにぎり半分

朝食が夜の睡眠を作る

意外に思われますが、睡眠を整える最も確実な食事は朝食です。

  • 朝、食べることで体内時計がリセットされる。光と食事の2つが合図になります
  • トリプトファン(必須アミノ酸)が材料になる。朝に摂ったトリプトファンが、日中セロトニンになり、夜メラトニンになります
  • トリプトファンが多い食品:納豆、豆腐、牛乳、チーズ、卵、バナナ、魚
  • ビタミンB6(魚、肉、バナナ)と炭水化物が一緒だと働きやすくなります

朝に納豆ごはんと味噌汁、あるいはパンと牛乳と卵。これが夜の眠りにつながります。

食事以外

  • 朝、日光を15〜30分浴びる
  • 昼寝は午後3時までに、30分以内
  • 日中に体を動かす
  • 眠くなってから床に入る。長く床にいない
  • 眠れないときは一度起きる

次の場合は受診してください。いびきが強く、呼吸が止まる(睡眠時無呼吸)。足がむずむずして眠れない。夜中に大声を出す、暴れる。これらは治療が必要な病気です。

気分の落ち込みをともなう場合は気分の落ち込みと食欲もご覧ください。

夕食の時間と内容を組み直す

眠りに効く食事の工夫のうち、最も効くのは夕食の時間です。寝る直前に食べると、消化のために体が働き続けるため、眠りが浅くなります。目安は、就寝の3時間前までに食べ終えることです。22時に寝るなら19時までということになります。

とはいえ、この時間に食べられない事情がある方も多くいます。その場合は、夕食を2回に分けてください。夕方に主食と主菜を食べ、夜は汁ものや軽いものだけにする。「夕食を早める」が難しくても、「夕食を分ける」なら実行できます。高齢の方の場合、1回に食べられる量が減っているので、この分け方は栄養の面でも都合がよくなります。

内容としては、脂の多いものと、量の多い食事を夜に持ってこないことです。揚げもの、肉の脂身、こってりした料理は、消化に時間がかかります。夜は、魚、豆腐、卵、野菜を中心にした軽い献立にすると、寝つきが変わります。

逆に、夜に空腹すぎるのも眠りを妨げます。夕食が早すぎて、寝るころに おなかが空いてしまう方は、寝る1時間前に軽く食べてください。温かい牛乳、バナナ、ビスケット数枚。この程度なら消化の負担になりません。空腹で目が覚めるより、少し入れておくほうが眠れます。

カフェインをどこまで減らすか

カフェインは、飲んでから効果が薄れるまでに時間がかかります。個人差はありますが、体の中に半分残っている時間が4〜6時間、高齢の方ではさらに長くなることがあります。つまり、午後3時に飲んだコーヒーが、夜まで残っていることになります。

目安として、午後2時以降はカフェインを含むものを避けてください。コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶、栄養ドリンク、コーラ、チョコレート。緑茶を見落とす方が多くいます。夕食後のお茶を習慣にしている方は、そこを変えるだけで眠りが変わることがあります。

代わりになるものは十分にあります。麦茶、そば茶、ほうじ茶(カフェインは少ないが含まれます)、白湯、カフェインを抜いたコーヒーや紅茶。温かいものを飲む習慣そのものは、体を落ち着かせるので続けて構いません。中身を変えるだけです。

ただし、朝や午前中のコーヒーをやめる必要はありません。むしろ、朝にカフェインを取ることは目覚めを助け、1日のリズムを作ります。問題は量ではなく、飲む時間です。1日に何杯飲むかより、最後の1杯が何時かを気にしてください。

寝酒がなぜ逆効果になるか

眠れないから酒を飲む、という方は少なくありません。実際、酒を飲むと寝つきは良くなります。しかし、そのあとが問題です。

アルコールが体の中で分解されると、眠りを浅くする物質ができます。そのため、飲んで寝ると、夜中の2時や3時に目が覚めます。「寝つきは良いが、途中で目が覚めてそのあと眠れない」という訴えの多くは、寝酒が関係しています。さらに、利尿の働きがあるため、トイレで起きる回数も増えます。

そして、慣れが起きます。同じ量では眠れなくなり、量が増えていきます。増えれば肝臓への負担が増え、栄養の吸収にも影響します。高齢の方では、転倒の危険も上がります。夜中にトイレに行こうとして、酒が残った状態で転ぶ。これは実際に多い事故です。

やめ方としては、いきなりゼロにするのではなく、量と時間を少しずつ変えてください。飲む時間を夕食時に前倒しし、量を減らしていく。長く続けている方ほど、急にやめると眠れなくなり、かえって挫折します。やめるのが難しいと感じたら、医師に相談してください。眠れないことへの手当ては、酒以外にもあります。

朝食が夜の眠りを作る

眠りの話をしているのに朝食が出てくるのは、不思議に思われるかもしれません。しかし、体内の時計は朝の光と朝食で調整されます。朝食を抜くと、1日のリズムがずれて、夜に眠くなりません。

朝食に何を食べるかも関係します。たんぱく質を含む食品には、眠りに関わる物質のもとになる成分が含まれています。朝にたんぱく質を取ることが、その日の夜の眠りにつながるという関係が知られています。卵、納豆、豆腐、牛乳、ヨーグルト、魚。朝食に主菜を1品入れてください。

時間も一定にしてください。毎日同じ時間に食べることで、体内の時計が安定します。週末だけ遅く起きて朝食を抜く、といったことをすると、そこでリズムが崩れます。高齢の方の場合、予定のない日ほど生活が乱れやすくなります。

そして、朝食と一緒に光を浴びてください。カーテンを開けて、明るい場所で食べる。これだけで、体内の時計が朝だと認識します。朝の光と朝食の組み合わせが、その日の夜の眠りを決めます。眠れないことを夜だけの問題として考えると、手当てを見落とします。

眠りが浅いと食事も崩れる

眠りと食事の関係は、一方通行ではありません。眠れないと食事が崩れ、食事が崩れるとさらに眠れなくなります。この循環に入ると、どちらから手をつけてよいか分からなくなります。

眠りが不足すると、食欲を調整する仕組みが乱れます。甘いものや脂っこいものが欲しくなり、量も増える傾向が知られています。夜中に目が覚めて何か食べる習慣がついてしまうと、体重が増え、逆流の症状も出やすくなります。

また、日中に眠くなるため、活動量が落ちます。動かなければおなかが空かず、食事の量が減ります。栄養が足りなくなれば体力が落ち、さらに動かなくなる。眠りの問題が、栄養の問題に変わっていくという道筋です。

この循環を断つには、生活の時間割から立て直すのが確実です。起きる時間を一定にする、朝食を食べる、日中に光を浴びて体を動かす、昼寝は30分以内にする、夕食を早めにする、寝る前は酒とカフェインを避ける。すべてを一度に変える必要はなく、起きる時間を一定にすることから始めるだけでも変わります。

眠れない背景に別の原因があることも

食事と生活を整えても眠れないときは、別の原因を考える段階です。年齢のせいで片づけないでください。

まず、体の病気です。頻尿、痛み、かゆみ、息苦しさ、逆流の症状、足のむずむずする感じ。これらは眠りを妨げる原因として知られており、それぞれ治療の方法があります。夜中に何回もトイレに起きる方は、泌尿器の問題や、心臓・腎臓の問題が背景にあることがあります。

次に、いびきと呼吸の止まりです。寝ているあいだに呼吸が止まっている場合、眠りが細切れになり、日中に強い眠気が出ます。家族が「いびきがひどい」「息が止まっていることがある」と気づくことが多いので、本人が気づいていなくても伝えてください。検査と治療の対象になります。

そして、薬です。飲んでいる薬の中に、眠りを妨げるものがあることがあります。逆に、眠るための薬を長く飲んでいて、効かなくなっている場合もあります。自己判断で増やしたり、市販の睡眠改善薬を足したりしないでください。高齢の方では、ふらつきと転倒の危険が上がります。

気分の落ち込みも、眠りに現れます。早朝に目が覚めて、そのあと眠れない。この形が続くときは、心の側の可能性も考えてください。相談先については気分の落ち込みと食欲にまとめています。

日中の過ごし方が夜を決める

夜の眠りを良くしようとして、夜のことばかりを工夫する方が多くいます。しかし、効くのは日中の過ごし方です。

まず、朝の光です。起きたらカーテンを開け、できれば外に出てください。光を浴びることで、体の時計が整い、その日の夜に眠くなる仕組みが働きます。室内にこもりきりだと、この仕組みが弱くなります。

次に、日中に体を動かすことです。散歩、家事、体操。何でもかまいません。体を使っていない日は、夜に眠くなりません。デイサービスに通う日は眠れる、という方が多いのは、この理由です。

そして、昼寝の扱いです。短い昼寝は害になりませんが、長く寝ると夜が眠れなくなります。午後3時までに、30分以内。夕方に眠ってしまうと、夜の眠りが崩れます。

眠れないことを気に病むと、さらに眠れなくなります。眠れない夜があっても、翌日に大きな支障がないなら、それほど心配は要りません。年齢とともに、必要な睡眠は短くなり、途中で目が覚めやすくなります。これ自体は自然なことです。

制限のある食事を、毎日ひとりで組み立てない

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