高齢者に多い理由

胃の内容物が食道へ逆流すると、胸やけ、げっぷ、のどの違和感、声のかすれ、就寝中の咳といった症状が出ます。高齢者に多いのには理由があります。

  • 食道と胃のつなぎ目の筋肉(下部食道括約筋)が緩む
  • 背中が丸くなる(円背)と、腹圧が上がる
  • 唾液が減るため、逆流したものを流し戻す力が落ちる
  • 食道の動きが遅くなる
  • 薬の影響(一部の骨粗しょう症治療薬、降圧薬、鎮痛薬など)

そして重要な点として、逆流したものを誤嚥すると肺炎になります。誤嚥性肺炎を繰り返す方の背景に、逆流が隠れていることがあります。

控えたほうがよい食品

食品なぜ
脂っこいもの(揚げ物、脂身、生クリーム)胃の滞在時間が長く、括約筋を緩める
チョコレート、ミント括約筋を緩める作用がある
コーヒー、濃い緑茶胃酸の分泌を促す
柑橘、トマト、酢の物酸が刺激になる
唐辛子など刺激物粘膜を刺激する
炭酸飲料胃が膨らみ、逆流しやすくなる
アルコール括約筋を緩め、胃酸を増やす
甘いもの全般胃の運動を鈍らせる

ただし、すべてを一律に禁止する必要はありません。何で症状が出るかは人によって違います。1〜2週間、食べたものと症状を記録して、自分の引き金を見つけてください。

食べ方のほうが効く

  1. 1回の量を減らし、回数を増やす。胃を膨らませないことが要です。分食の考え方が使えます
  2. ゆっくり食べる。早食いは空気を飲み込み、胃を膨らませます
  3. 食後2〜3時間は横にならない。これが最も効きます
  4. 寝る3時間前までに食事を終える。夕食が遅い生活を見直す
  5. 食後すぐの前かがみ作業を避ける。腹圧が上がります
  6. ベルト・腹巻きを締めすぎない。

寝るときの姿勢

就寝中の逆流には、姿勢が効きます。

  • 上半身を15〜20cm高くする。枕を重ねるのではなく、ベッドの頭側を持ち上げるか、背中全体を斜面にする。枕だけだと首が曲がり、かえって腹圧が上がります
  • 左を下にして寝る。胃の形の関係で、左下のほうが逆流しにくいとされます
  • 介護ベッドなら背上げ機能を使う。10〜15度でも違います

受診したほうがよい場合

  • 市販薬を2週間使っても改善しない
  • 飲み込むときにつかえる、痛い
  • 体重が減っている
  • 吐血、黒い便
  • 貧血を指摘された
  • 夜間の咳や誤嚥性肺炎を繰り返している

「つかえる」「体重が減る」は、逆流以外の病気を疑う理由になります。自己判断で市販薬を続けず、消化器内科を受診してください。

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関連用語

誤嚥性肺炎

食べ物や唾液が気管に入って起きる肺炎。高齢者の肺炎の多くを占めます。

嚥下障害

飲み込みがうまくいかない状態。むせや口の中の残留が目印になります。

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