介護する側が倒れたら、二人とも生活できなくなる
介護をしている家族の食事は、次のように崩れていきます。
これが数か月続くと、体重の増減、血圧の上昇、免疫の低下が起きます。介護者の受診率は低く、自分の不調は後回しにされます。
最も効果があるのは、作る回数そのものを減らすことです。
「自分の分まで頼むのは贅沢」ではありません。介護者が倒れれば、施設入所か入院しかなくなります。それに比べれば、配食の費用ははるかに小さい。
小さなことですが、効きます。
食事の工夫だけでは限界があります。介護の総量を減らしてください。
| 手段 | 内容 |
|---|---|
| ショートステイ | 数日預かってもらう。定期的に組み込む |
| デイサービス | 日中の時間を作る。入浴も食事もついてきます |
| 訪問介護 | 入浴介助、調理、掃除 |
| 配食 | 調理の負担を外す |
| 介護休業・介護休暇 | 通算93日、分割可能。介護休暇は年5日(対象家族2人以上で10日) |
| 家族会・介護者のつどい | 同じ立場の人と話す。孤立を防ぐ |
| ケアマネジャーへの相談 | 「限界です」と言ってよい。正当な相談です |
「まだ大丈夫」と言い続ける人ほど、突然倒れます。限界の手前で手を打つことが、結果として長く続ける方法です。
次に当てはまるものが増えていたら、すぐにケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。
これらは介護うつの入口です。相談することは、介護を投げ出すことではありません。
配食のふれ愛 太子店では、介護されるご本人だけでなく、ご家族の分もあわせてお届けできます。「作る回数を減らしたい」というご相談から始めていただいて構いません。
介護する人の食事が後回しになる状況は、単なる不摂生の話ではありません。介護の体制そのものの危うさを示しています。
介護している人が体調を崩せば、介護される人の生活も同時に止まります。食事も、服薬も、通院も、すべてが滞ります。結果として、緊急の入院や入所につながることがあります。
そして、介護している人自身も高齢であることが多いのです。60代、70代、80代の方が介護を担っている家庭が珍しくありません。この年代で食事が不十分な状態が続けば、体力は確実に落ちます。
だからこそ、介護する人の食事は、その人自身のためだけのものではありません。介護の体制を保つための、必要な投資として考えてください。後回しにしてよい部分ではありません。
この考え方は、周囲にも共有してください。「自分のことは後でいい」と言う介護者に、周囲が「そうですね」と応じてしまう状況があります。まず食べてください、と言える人がいることが大切です。
時間がないなかで、自分の食事の質を上げるには、手間を増やさない工夫が要ります。
まず、二人分をまとめて用意してください。介護される側の食事を作るときに、自分の分も同時に作る。別々に作るから負担になります。同じ鍋から、形を変えて取り分ければ済みます。
配食を二人分頼むという方法もあります。一方だけに頼む家庭が多いのですが、二人分にすれば、介護する側も座って食べられます。費用は上がりますが、体調を崩して介護が止まることを考えれば、割に合います。
そして、たんぱく質を確保してください。残り物とパンだけでは、筋肉が保てません。卵、納豆、豆腐、牛乳、缶詰。調理せずに足せるものを、常に冷蔵庫に入れておいてください。
作り置きと冷凍も有効です。気力のある日にまとめて作り、疲れた日は温めるだけにする。毎日一から作ろうとすると、必ずどこかで途切れます。
立ったまま、短時間で済ませる食事が習慣になっている方が多くいます。この習慣を変えてください。
立ったまま食べると、量が少なくなります。短時間で終わらせようとするため、噛む回数も減り、消化にも良くありません。そして、食べた実感が残らないため、満足も得られません。
介護される人と一緒に、同じ食卓で食べてください。介助しながらでも、自分の分を横に置いて、合間に食べることはできます。相手にとっても、一人で食べさせられるより、はるかに良い時間になります。
15分でかまいません。座って、自分の食事を食べる時間を、1日に一度は確保してください。この時間があるかどうかで、疲れ方が変わります。
そして、食事の時間を「休憩」として扱ってください。食べながら次の段取りを考えていては、休んだことになりません。短くても、切り替える時間として使ってください。
支援を使うことをためらう介護者が多くいます。この気持ちが、状況を悪化させます。
「自分でやるべき」「他人に任せるのは申し訳ない」という気持ちは、多くの介護者が抱えています。しかし、一人で抱えて倒れれば、結局は他人の手を借りることになります。それも、より大きな形で。
使える支援は多くあります。訪問介護、デイサービス、短期の入所、配食、訪問看護、訪問リハビリ。介護保険で使えるものを、ケアマネジャーに一度すべて挙げてもらってください。知らないまま使っていないものがあります。
短期の入所を使うことに、強い抵抗を持つ方がいます。しかし、これは介護する人が休むための仕組みとして用意されています。使うことが前提の制度です。ためらう必要はありません。
そして、家族のあいだでも分担してください。一人がすべてを担い、他の家族が何もしないという形が、最も壊れやすいものです。できることは人によって違います。金銭、手続き、電話、たまの交代。何らかの形で関わってもらってください。
介護している人の体には、特有の変化が出ます。自分では気づきにくいため、意識して確かめてください。
まず、体重です。減っているなら、食事が足りていません。逆に、急に増えている場合も注意が要ります。手軽に食べられるものに偏っている可能性があります。月に1回でよいので、量って記録してください。
次に、腰と膝です。移乗、起こす、支える。介護の動作は、腰への負担が非常に大きくなります。痛みが出はじめたら、早めに対処してください。悪化すると、介護そのものができなくなります。
睡眠も見てください。夜間に対応が必要な状況が続くと、慢性的な寝不足になります。これが判断力と気力を確実に削ります。夜間の対応を減らす方法を、ケアマネジャーに相談してください。
そして、気持ちの変化です。何をしても楽しくない、些細なことで怒る、涙が出る、眠れない。これらは、限界が近いしるしです。我慢する問題ではありません。医療機関か、介護者の相談窓口に相談してください。
介護する人が孤立すると、状況は必ず悪化します。相談できる場所を確保してください。
ケアマネジャーは、最も身近な相談相手です。介護される人のことだけでなく、介護する人の状況も伝えてください。疲れている、食べられていない、眠れていない。これを伝えることで、支援の内容が変わります。
地域包括支援センターも、家族からの相談を受けています。介護保険を使っていない段階でも相談できます。何から手をつければよいか分からない場合、まずここに電話してください。
介護している人どうしが集まる場が、各地にあります。同じ立場の人と話せることには、専門職との相談とは違う効果があります。自分だけではないと分かるだけで、気持ちが軽くなることがあります。
そして、体調のことは医療機関に相談してください。介護のせいだから仕方ない、と我慢しないでください。腰痛も、不眠も、気持ちの落ち込みも、治療の対象です。
介護する人が限界に近づいているとき、いくつかのしるしが現れます。自分でも、周囲でも、気づけるようにしておいてください。
食事を抜くことが日常になっている。これは、最も分かりやすいしるしの一つです。時間がないのではなく、食べる気力がなくなっています。
相手に強くあたってしまう。怒鳴る、無視する、乱暴な扱いをしてしまう。これは介護する人の性格の問題ではなく、限界のしるしです。この段階になったら、すぐ相談してください。
外に出なくなり、人と話さなくなる。介護に縛られて、自分の生活が完全に消えている状態です。この状態が続くと、判断力が落ち、状況が見えなくなります。
そして、将来のことを考えられなくなる。今日をしのぐことで精一杯になり、先の段取りが立てられない。ここまで来たら、一時的にでも介護から離れる必要があります。短期の入所を使うなど、まず休むことを優先してください。
介護する人が休むための仕組みが、制度として用意されています。使うことをためらわないでください。
短期の入所は、数日から1週間程度、施設に泊まってもらう仕組みです。介護する人が休むこと自体が、利用の理由として認められています。本人の体調が悪いから使うものではありません。
この期間に、まず眠ってください。そして、自分の食事をきちんと取ってください。数日でも、まとまって休めば体力は戻ります。介護が長期にわたる場合、定期的に組み込んでおくことが必要になります。
本人が嫌がることがあります。初めての場所に泊まることへの不安は自然なものです。まずは日帰りの通所から慣らす、短い日数から始める、といった進め方があります。
そして、罪悪感を持たないでください。介護する人が休むことは、介護を続けるための条件です。ケアマネジャーに「休みたい」と伝えてください。それが利用の正当な理由になります。
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