介護する人の食事|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

介護者の食事が最初に犠牲になる

介護をしている家族の食事は、次のように崩れていきます。

  • 相手の食事介助が終わってから食べる。冷めている、時間がない
  • 立ったまま、残り物で済ませる
  • 相手の食事形態に合わせて、自分も同じものを食べる
  • 食事を抜く。「作るのが面倒」
  • 甘いものとカフェインで乗り切る
  • 夜中に食べる。介護が一段落した時間帯

これが数か月続くと、体重の増減、血圧の上昇、免疫の低下が起きます。介護者の受診率は低く、自分の不調は後回しにされます。

自分の分も一緒に頼む

最も効果があるのは、作る回数そのものを減らすことです。

  • 配食を二人分頼む。介護される側だけでなく、自分の分も
  • 形態が違っても大丈夫。片方は普通食、片方はきざみ、という組み合わせが可能です
  • 作り置き、冷凍、惣菜を使うことに罪悪感を持たない
  • 週に何日かは「作らない日」と決める

「自分の分まで頼むのは贅沢」ではありません。介護者が倒れれば、施設入所か入院しかなくなります。それに比べれば、配食の費用ははるかに小さい。

座って食べる

小さなことですが、効きます。

  • 座って食べる。立ち食いは消化にも悪く、量も把握できません
  • 相手と一緒に食べる。介助しながらでも、自分の分を並べておく
  • 10分でいいので、自分の食事の時間を確保する
  • たんぱく質を必ず入れる。卵、納豆、ヨーグルト、牛乳。単品でも構いません

負担そのものを減らす

食事の工夫だけでは限界があります。介護の総量を減らしてください。

手段内容
ショートステイ数日預かってもらう。定期的に組み込む
デイサービス日中の時間を作る。入浴も食事もついてきます
訪問介護入浴介助、調理、掃除
配食調理の負担を外す
介護休業・介護休暇通算93日、分割可能。介護休暇は年5日(対象家族2人以上で10日)
家族会・介護者のつどい同じ立場の人と話す。孤立を防ぐ
ケアマネジャーへの相談「限界です」と言ってよい。正当な相談です

「まだ大丈夫」と言い続ける人ほど、突然倒れます。限界の手前で手を打つことが、結果として長く続ける方法です。

危険な兆候

次に当てはまるものが増えていたら、すぐにケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。

  • 眠れない、または寝ても疲れが取れない
  • 食欲がない、または食べすぎる
  • 体重が大きく変わった
  • 相手に強く当たってしまう
  • 何をしても楽しくない
  • 誰にも会いたくない
  • 自分の受診をやめている

これらは介護うつの入口です。相談することは、介護を投げ出すことではありません。

配食のふれ愛 太子店では、介護されるご本人だけでなく、ご家族の分もあわせてお届けできます。「作る回数を減らしたい」というご相談から始めていただいて構いません。

介護する人が倒れると全部が止まる

介護する人の食事が後回しになる状況は、単なる不摂生の話ではありません。介護の体制そのものの危うさを示しています。

介護している人が体調を崩せば、介護される人の生活も同時に止まります。食事も、服薬も、通院も、すべてが滞ります。結果として、緊急の入院や入所につながることがあります。

そして、介護している人自身も高齢であることが多いのです。60代、70代、80代の方が介護を担っている家庭が珍しくありません。この年代で食事が不十分な状態が続けば、体力は確実に落ちます。

だからこそ、介護する人の食事は、その人自身のためだけのものではありません。介護の体制を保つための、必要な投資として考えてください。後回しにしてよい部分ではありません。

この考え方は、周囲にも共有してください。「自分のことは後でいい」と言う介護者に、周囲が「そうですね」と応じてしまう状況があります。まず食べてください、と言える人がいることが大切です。

手間を増やさずに中身を確保する

時間がないなかで、自分の食事の質を上げるには、手間を増やさない工夫が要ります。

まず、二人分をまとめて用意してください。介護される側の食事を作るときに、自分の分も同時に作る。別々に作るから負担になります。同じ鍋から、形を変えて取り分ければ済みます。

配食を二人分頼むという方法もあります。一方だけに頼む家庭が多いのですが、二人分にすれば、介護する側も座って食べられます。費用は上がりますが、体調を崩して介護が止まることを考えれば、割に合います。

そして、たんぱく質を確保してください。残り物とパンだけでは、筋肉が保てません。卵、納豆、豆腐、牛乳、缶詰。調理せずに足せるものを、常に冷蔵庫に入れておいてください。

作り置きと冷凍も有効です。気力のある日にまとめて作り、疲れた日は温めるだけにする。毎日一から作ろうとすると、必ずどこかで途切れます。

座って食べる時間を守る

立ったまま、短時間で済ませる食事が習慣になっている方が多くいます。この習慣を変えてください。

立ったまま食べると、量が少なくなります。短時間で終わらせようとするため、噛む回数も減り、消化にも良くありません。そして、食べた実感が残らないため、満足も得られません。

介護される人と一緒に、同じ食卓で食べてください。介助しながらでも、自分の分を横に置いて、合間に食べることはできます。相手にとっても、一人で食べさせられるより、はるかに良い時間になります。

15分でかまいません。座って、自分の食事を食べる時間を、1日に一度は確保してください。この時間があるかどうかで、疲れ方が変わります。

そして、食事の時間を「休憩」として扱ってください。食べながら次の段取りを考えていては、休んだことになりません。短くても、切り替える時間として使ってください。

外の手を使うことに罪悪感を持たない

支援を使うことをためらう介護者が多くいます。この気持ちが、状況を悪化させます。

「自分でやるべき」「他人に任せるのは申し訳ない」という気持ちは、多くの介護者が抱えています。しかし、一人で抱えて倒れれば、結局は他人の手を借りることになります。それも、より大きな形で。

使える支援は多くあります。訪問介護、デイサービス、短期の入所、配食、訪問看護、訪問リハビリ。介護保険で使えるものを、ケアマネジャーに一度すべて挙げてもらってください。知らないまま使っていないものがあります。

短期の入所を使うことに、強い抵抗を持つ方がいます。しかし、これは介護する人が休むための仕組みとして用意されています。使うことが前提の制度です。ためらう必要はありません。

そして、家族のあいだでも分担してください。一人がすべてを担い、他の家族が何もしないという形が、最も壊れやすいものです。できることは人によって違います。金銭、手続き、電話、たまの交代。何らかの形で関わってもらってください。

介護者に出やすい体の変化

介護している人の体には、特有の変化が出ます。自分では気づきにくいため、意識して確かめてください。

まず、体重です。減っているなら、食事が足りていません。逆に、急に増えている場合も注意が要ります。手軽に食べられるものに偏っている可能性があります。月に1回でよいので、量って記録してください。

次に、腰と膝です。移乗、起こす、支える。介護の動作は、腰への負担が非常に大きくなります。痛みが出はじめたら、早めに対処してください。悪化すると、介護そのものができなくなります。

睡眠も見てください。夜間に対応が必要な状況が続くと、慢性的な寝不足になります。これが判断力と気力を確実に削ります。夜間の対応を減らす方法を、ケアマネジャーに相談してください。

そして、気持ちの変化です。何をしても楽しくない、些細なことで怒る、涙が出る、眠れない。これらは、限界が近いしるしです。我慢する問題ではありません。医療機関か、介護者の相談窓口に相談してください。

相談できる場所を持つ

介護する人が孤立すると、状況は必ず悪化します。相談できる場所を確保してください。

ケアマネジャーは、最も身近な相談相手です。介護される人のことだけでなく、介護する人の状況も伝えてください。疲れている、食べられていない、眠れていない。これを伝えることで、支援の内容が変わります。

地域包括支援センターも、家族からの相談を受けています。介護保険を使っていない段階でも相談できます。何から手をつければよいか分からない場合、まずここに電話してください。

介護している人どうしが集まる場が、各地にあります。同じ立場の人と話せることには、専門職との相談とは違う効果があります。自分だけではないと分かるだけで、気持ちが軽くなることがあります。

そして、体調のことは医療機関に相談してください。介護のせいだから仕方ない、と我慢しないでください。腰痛も、不眠も、気持ちの落ち込みも、治療の対象です。

限界のしるしを知っておく

介護する人が限界に近づいているとき、いくつかのしるしが現れます。自分でも、周囲でも、気づけるようにしておいてください。

食事を抜くことが日常になっている。これは、最も分かりやすいしるしの一つです。時間がないのではなく、食べる気力がなくなっています。

相手に強くあたってしまう。怒鳴る、無視する、乱暴な扱いをしてしまう。これは介護する人の性格の問題ではなく、限界のしるしです。この段階になったら、すぐ相談してください。

外に出なくなり、人と話さなくなる。介護に縛られて、自分の生活が完全に消えている状態です。この状態が続くと、判断力が落ち、状況が見えなくなります。

そして、将来のことを考えられなくなる。今日をしのぐことで精一杯になり、先の段取りが立てられない。ここまで来たら、一時的にでも介護から離れる必要があります。短期の入所を使うなど、まず休むことを優先してください。

短期の入所を使って休む

介護する人が休むための仕組みが、制度として用意されています。使うことをためらわないでください。

短期の入所は、数日から1週間程度、施設に泊まってもらう仕組みです。介護する人が休むこと自体が、利用の理由として認められています。本人の体調が悪いから使うものではありません。

この期間に、まず眠ってください。そして、自分の食事をきちんと取ってください。数日でも、まとまって休めば体力は戻ります。介護が長期にわたる場合、定期的に組み込んでおくことが必要になります。

本人が嫌がることがあります。初めての場所に泊まることへの不安は自然なものです。まずは日帰りの通所から慣らす、短い日数から始める、といった進め方があります。

そして、罪悪感を持たないでください。介護する人が休むことは、介護を続けるための条件です。ケアマネジャーに「休みたい」と伝えてください。それが利用の正当な理由になります。

毎日のことだから、抱え込まない

配食のふれ愛 太子店では、管理栄養士が献立を組んだお弁当を、太子町を中心とした南河内エリアへ手渡しでお届けしています。週に何回か、1日1食だけ。そんな使い方で構いません。「作れない日をなくす」ための手段として、ご相談ください。

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ケアマネジャー

介護保険のケアプランを作り、サービス事業者との調整を担う専門職です。

たんぱく質

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低栄養

エネルギーとたんぱく質が不足した状態。高齢者の要介護化の入口になります。

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