「動いていない」は分かる。「なぜ動いていないか」は分からない
| 種類 | 置く場所 | 検知するもの |
|---|---|---|
| 人感センサー | 廊下、トイレ、居間 | 人の動き。一定時間動きがないと通知 |
| 開閉センサー | 冷蔵庫、トイレのドア、玄関 | 開け閉め。生活のリズムが見える |
| 家電の使用通知 | 電気ポット、照明、テレビ | 使ったかどうか |
| 電力の使用量 | 分電盤 | 普段と違う電気の使い方 |
| カメラ | 居間、玄関 | 映像そのもの |
| ウェアラブル | 腕、首 | 脈拍、転倒、位置情報 |
費用も設置の手間も幅があります。工事が要らず、コンセントに挿すだけ、あるいは電池式で貼るだけ、という製品が増えています。賃貸でも導入できるかは、工事の有無で判断してください。
2つ目は見落とされがちですが、実は最も価値がある部分です。夜間のトイレの回数が増えたことが、体調の変化の最初の兆しであることがあります。
最後の点は現実によく起きます。月に一度、通知が正常に届いているかを確かめる日を決めてください。
カメラは情報量が多い一方で、本人の抵抗が最も強い手段です。導入するなら次を守ってください。
認知症がある場合でも、説明を省いてよい理由にはなりません。理解できる形で伝え、本人の反応を見ることが前提です。認知症の方の見守りは認知症の方の見守りで扱っています。
センサーの弱点は、そのまま訪問型の強みです。配食のように毎日人が訪ねる仕組みと組み合わせると、昼は人が確かめ、夜は機器が見るという形になります。
組み合わせ方は見守りの種類と選び方をご覧ください。
機器を選ぶ前に、それが何を見ているのかを知っておいてください。ここを誤解すると、期待外れになります。
人の動きを捉えるものは、決められた範囲を通ったかどうかだけを見ています。倒れたことを直接検知しているのではなく、一定時間動きがないことから推測しています。ですから、寝ているのか倒れているのかは区別できません。
扉の開閉を見るものは、生活の動きを間接的に捉えます。冷蔵庫、トイレ、玄関。毎日必ず開けるはずの扉が開かなければ、異常として通知されます。複数の扉を組み合わせることで、生活の様子が見えてきます。
電気や水道の使用量を見るものもあります。いつもと違う使い方をしていれば分かる、という仕組みです。機器を家の中に置く必要がなく、本人の負担が少ない点が利点です。
電気ポットや照明の操作を知らせるものもあります。本人が普段どおりに使うだけで、家族に通知が届きます。操作を覚える必要がないため、記憶に不安がある方でも使えます。
機器が得意とする領域を整理します。
まず、24時間途切れないことです。人が訪ねる形では埋められない、夜間や休みの日を埋められます。これが最大の利点です。
そして、本人が意識しなくてよいことです。ボタンを押す、応答する、操作を覚える。こうした負担がありません。認知の症状がある方でも使えるのは、この点によります。
記録が残る製品もあります。いつ起きたか、いつトイレに行ったか、どれくらい動いたか。日ごとの変化を比べられるため、少しずつ進む変化に気づけます。
離れて暮らす家族が、手元の画面で確かめられる形も多くあります。毎日電話をかけなくても、動いていることが分かります。本人にとっても、干渉されすぎない形になります。
期待しすぎると、防げなかったときに失望します。限界を知っておいてください。
原因は分かりません。動きがないという情報だけでは、倒れているのか、外出しているのか、来客中なのかは判断できません。結局、誰かが確かめに行く必要があります。
そして、体調の変化は分かりません。熱がある、食べていない、元気がない。これらは、動いていれば検知されません。機器は、生活が止まったことしか教えてくれません。
誤って通知されることもあります。外出が長かった、いつもと違う時間に寝た、機器の前を通らなかった。何度も誤報が続くと、家族が反応しなくなります。これが最も危険な状態です。
電池切れや故障もあります。動いていると思い込んでいたら、止まっていた。定期的に動作を確かめる必要があります。
最も情報量が多い一方で、最も慎重に扱うべき手段です。
映像があれば、状況がすぐ分かります。倒れているのか、来客中なのか、いつもと違うのか。判断が早くなります。この点で、他の機器とは決定的に違います。
しかし、監視されていると感じる方が多くいます。無断で設置すれば、信頼を失います。一度こじれると、他の支援も入りにくくなります。必ず本人の同意を得てください。
設置する場所も、話し合って決めてください。居間や玄関にとどめ、寝室や浴室、トイレには置かない。この線引きがあれば、受け入れられることがあります。
そして、誰が映像を見られるかを決めておいてください。家族の中でも、範囲を限る必要があります。本人の尊厳に関わる問題です。
機器を入れるとき、最も重要なのは、通知の先にある行動です。
通知を受け取っても、確かめに行けなければ意味がありません。遠方の家族だけが受け取る形では、到着まで何時間もかかります。近くに確かめに行ける人を、あわせて決めておいてください。
近所の方、親戚、ケアマネジャー、大家。誰でもよいので、駆けつけられる人を確保してください。本人の了解を得たうえで、連絡先を交換しておいてください。
そして、室内に入れるかどうかを決めておいてください。鍵がなければ、外から呼ぶことしかできません。鍵の扱いは鍵をどうするかにまとめています。
駆けつけを含むサービスもあります。費用は上がりますが、近くに頼れる人がいない場合は選択肢になります。1回ごとの費用がかかる形が多いため、条件を確かめてください。
導入の前に、金額の全体を把握してください。
初期費用と月々の費用の両方を確かめてください。機器の代金、設置費、通信費、月々の利用料。安く見えても、合計すると負担が大きい場合があります。
そして、通信の環境が必要かどうかを確かめてください。家に回線がない場合、別に契約が要ることがあります。本人が使っていない設備を新たに引くと、費用が増えます。
解約の条件も聞いておいてください。最低の利用期間、違約金、機器の返却。状態が変われば、やめることもあります。
自治体が費用を補助している場合があります。導入の前に、役所か地域包括支援センターに確かめてください。知らずに全額を負担している方がいます。
機器だけで完結させないでください。人が関わる部分を必ず残してください。
機器は、生活が止まったことしか教えてくれません。体調が落ちていること、食事が偏っていること、気持ちが沈んでいること。こうした変化は、人が見なければ分かりません。
配食で毎日顔を見て、機器で夜間を埋める。この組み合わせが、費用と効果の釣り合いの取れた形の一つです。介護のサービスを使っているなら、その日以外を機器で埋める考え方になります。
そして、話す機会も残してください。誰とも話さない生活が続くことは、それ自体が対処すべき状態です。機器では、この部分は埋まりません。
手段ごとの特徴は見守りの種類と選び方にまとめています。弱点を補い合う形を考えてください。
設置には、本人の理解が要ります。伝え方によって、受け入れられ方が変わります。
「見張るため」ではなく「何かあったときのため」と伝えてください。倒れて動けなくなったとき、早く見つけてもらえる。この利点は、本人にとっても意味があります。
そして、映像を撮らないものであれば、その点をはっきり伝えてください。「カメラではない」と分かるだけで、抵抗が下がることがあります。誤解したまま拒んでいる方がいます。
置く場所も、一緒に決めてください。勝手に設置すると、外されることがあります。本人が納得していれば、長く続きます。
そして、やめたくなったらやめられると伝えてください。取り返しのつかない決定だと感じると、慎重になります。試してみる、という形なら始めやすくなります。
入れたあとに放置すると、機能していない状態が続くことがあります。
電池の残量、通信の状態、通知が届くかどうか。月に一度は確かめてください。止まっていることに気づかないまま、安心しているのが最も危険です。
そして、生活が変わると、設定も合わなくなります。起きる時間が変わった、部屋の使い方が変わった、家具の配置が変わった。検知の条件を見直す必要があります。
誤報が続く場合は、設定を調整してください。そのままにすると、家族が通知に反応しなくなります。事業者に相談すれば、調整してもらえます。
そして、状態が変われば、機器そのものを見直してください。いま必要なものと、1年前に必要だったものは違います。費用の見直しにもつながります。
民間の契約を進める前に、公的な支援を確かめてください。
緊急通報の装置を貸し出している自治体があります。費用が無料か低額に設定されていることが多く、条件を満たせば使えます。一人暮らし、要介護の認定、所得といった条件が設けられている場合があります。
機器の購入や設置に補助を出している自治体もあります。知らずに全額を負担している方がいます。導入の前に確かめる価値があります。
そして、内容は市町村によってばらばらです。ほかの町の案内を見て「使えるはず」と思わないでください。住んでいる市町村で確かめてください。
まとめて聞くなら、地域包括支援センターです。「見守りの機器で使えるものはありますか」と尋ねてください。その町の状況を把握しています。
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