高齢者は、暑さも寒さも感じにくくなる
加齢に伴い、皮膚の温度センサーの働きと、体温を調節する機能が落ちます。その結果、本人が暑い・寒いと感じていない状態で、体には負担がかかっているということが起きます。
だから「暑くない?」と聞いても答えは当てになりません。室温計の数字を見ます。
| 見るもの | 目安 |
|---|---|
| 室温 | 28℃を超えていないか。エアコンがついているか |
| 湿度 | 70%を超えていないか |
| 水分 | ペットボトルや湯のみの減り方。1日1.0〜1.5Lが目安 |
| 汗 | 汗をかいていない。皮膚が乾いている(危険な徴候) |
| 食事 | そうめん・冷やし中華ばかりになっていないか |
| 受け答え | ぼんやりしている、話がかみ合わない |
エアコンをつけない理由は、寒がる・電気代・「もったいない」の3つがほとんどです。電気代を家族が負担する、設定温度だけ決めて自動運転にするなど、本人が操作しなくてよい形にすると使われるようになります。
夏場は食事が麺類に偏り、たんぱく質が落ちます。詳しくは高齢者の夏バテ対策と熱中症と食事をご覧ください。
| 見るもの | 目安 |
|---|---|
| 居間の室温 | 18℃以上を保てているか |
| 脱衣所・浴室・トイレ | 居間との差が大きくないか。ヒートショックの原因 |
| 入浴 | 湯温41℃以下、10分以内。長湯していないか |
| 水分 | 冬も脱水は起きる。トイレを気にして控えていないか |
| 手足 | 冷たい、しもやけ、あかぎれ |
| 暖房 | 灯油ストーブの給油ができているか。火の始末 |
入浴中の事故は冬に集中します。浴室での死亡は交通事故より多いとされ、その多くが高齢者です。脱衣所に小型の暖房を置く、湯船に入る前にシャワーで浴室を温める、といった対策が効きます。
冬の食事は冬の低体温を防ぐ食事をご覧ください。
年末年始は特に注意が必要です。かかりつけ医が休み、配食も休み、家族は帰省で移動中、という空白が生まれます。12月に入ったら、休みの期間と、その間の連絡先を確かめておいてください。
玄関を開けた瞬間の空気で、室内の温度はおおよそ分かります。配食のふれ愛 太子店の配達員は、夏の暑い室内、冬の冷えた室内に気づいたときは声をおかけし、必要に応じてご家族へご連絡しています。
災害時や悪天候での配達の扱いはよくある質問をご覧ください。
暑い、寒いという感覚は当てになりません。数字で見てください。
温度計を、生活する部屋に置いてください。大きな数字で表示されるものが適しています。湿度も分かるものなら、なお良い形です。
そして、目に入る場所に置いてください。棚の奥や、見上げる高さでは、見ません。座ったときに目線の高さに来る位置が望ましい形です。
望ましい室温の目安を、紙に書いて温度計の横に貼ってください。数字を見ても、どうすればよいか分からなければ動きません。「この数字を超えたら冷房を入れる」という形にしてください。
離れた家族が確かめられる機器もあります。室温を遠くから見られる形なら、電話で促せます。本人が気づかない場面を補えます。
飲むように言うだけでは、増えません。
手が届く場所に置いてください。台所まで取りに行く形では、飲む回数が減ります。座る場所のそばに、常に置いてください。
そして、時間を決めてください。起きたとき、食事のとき、風呂の前後、寝る前。のどが渇いてからでは、遅いことがあります。
飲みやすいものを用意してください。お茶が続かない方には、汁物やゼリーの形もあります。食事から取る分も、水分です。
そして、どれだけ飲んだか分かる形にしてください。一日分を容器に用意し、そこから飲む。残りを見れば、足りているかが分かります。
頭ごなしに勧めても、聞き入れられません。理由があります。
電気代を気にしている場合があります。「もったいない」という気持ちが強く働きます。家族が費用を持つと伝えると、使うようになることがあります。
体が冷えるのが苦手な方もいます。設定を高めにする、風が直接当たらない向きにする。使い方を調整すれば、受け入れられることがあります。
そして、操作が分からなくなっている場合があります。リモコンのボタンが多く、どれを押せばよいか迷います。使うボタンだけを残して、あとは覆う方法があります。
機器が壊れていることもあります。本人が言い出さないまま、何年も使っていない例があります。帰省したときに、実際に動かして確かめてください。
寒い時期の入浴は、注意が要る場面です。
脱衣所と浴室を、あらかじめ暖めてください。暖かい部屋から寒い場所へ移ることが、体に負担をかけます。小型の暖房器具を置く方法があります。
湯の温度を高くしすぎないでください。熱いほうが良いと考える方がいます。長く浸かる習慣がある場合は、時間も確かめてください。
そして、入る前に声をかける習慣を作ってください。同居の家族がいる場合、入浴の前後に一言交わすだけで、異変に早く気づけます。
一人暮らしの場合、時間帯を決めておく方法があります。その時間に電話をかける約束にしておけば、応答がないことで気づけます。
火を使う器具は、季節ごとに確かめてください。
燃料を使う暖房では、周りに物を置かないでください。洗濯物、新聞、布団。体が動かしにくくなると、離れた場所に干せず、近くに置きがちになります。
そして、換気を忘れないよう、目に入る場所に紙を貼ってください。窓を閉め切ったままにすると、危険な状態になります。換気の必要な器具かどうかを確かめてください。
電気の器具でも、たこ足の配線は避けてください。古い住宅では、容量を超えることがあります。配線が布団の下を通っていないかも見てください。
器具そのものを、安全な形に替える方法もあります。倒れたら止まる、一定時間で切れる。買い替えの費用で、危険を減らせます。
暑さと寒さは、食べる内容を変えます。
夏は、さっぱりしたものに偏ります。そうめん、冷たい麺、果物。たんぱく質が減り、体をつくる材料が足りなくなります。
そして、作るのがおっくうになります。火を使いたくない、台所に立ちたくない。結果として、同じものが続きます。
冬は、買い物に出るのが減ります。寒い、道が凍る、暗くなるのが早い。家にあるもので済ませる日が増えます。
この時期こそ、届けてもらう形が役に立ちます。栄養の偏りを防ぎ、外に出る負担も減らせます。選び方は配食サービスの選び方にまとめています。
流行の時期には、備えを一段階上げてください。
体調を崩したときに、誰が気づくかを決めておいてください。熱が出ると、自分で連絡することが難しくなります。毎日の連絡を、この時期だけ増やす方法があります。
そして、食べられないときの備えを置いておいてください。常温で保存できるもの、飲みやすいもの。買い物に出られない日が続くことがあります。
受診の段取りも決めておいてください。どこに、どうやって行くか。熱があるときは、事前に電話をするよう求められることがあります。
予防のための接種については、かかりつけの医師に相談してください。市町村が費用を補助している場合があります。時期が決まっているものがあります。
天候が荒れる前に、確かめておくことがあります。
食べ物と水を、数日分用意してください。届く予定のものが、届かないことがあります。配達も止まります。
そして、薬の残りを確かめてください。通院できない日が続くと、切れます。早めに受診しておいてください。
連絡の手段を確かめてください。携帯の充電、固定電話の使用可否。停電すると、使えなくなる機器があります。
避難が必要な場合の行き先と、誰が連れて行くかを決めておいてください。一人で移動できない方は、事前の登録が必要な場合があります。市町村の窓口で確かめてください。
見守りの仕組みは、電気で動いています。
センサーや通報の装置は、停電で止まることがあります。電池で動く時間があるか、確かめてください。止まったときに家族へ知らせが届く形かどうかも確かめてください。
そして、冷暖房が使えなくなります。夏の停電は、特に危険です。近所や親族の家に移れるかどうか、考えておいてください。
明かりの備えも必要です。暗い中で動くと、転倒します。手の届く場所に、電池式の明かりを置いてください。
そして、復旧したあとに、機器が元どおり動いているかを確かめてください。設定が消えていることがあります。止まったままでは、備えがない状態と同じです。
着ているものと寝具は、確かめやすく、影響の大きい部分です。
暑い時期に厚手のものを着ている、寒い時期に薄着でいる。体で感じ取る力が落ちると、季節と服装が合わなくなります。訪ねたときに、まず目に入る点です。
そして、入れ替えができていない場合があります。押し入れの上のほうに手が届かない、重くて運べない。体力の問題で、そのままになっていることがあります。
寝具も同じです。夏に厚い掛け布団のまま、冬に薄いままで寝ている。夜間の体調に直接影響します。
季節の変わり目に、家族が手伝ってください。入れ替えのときに、家全体を見ることにもなります。年に二度、確かめる機会になります。
訪ねたときに見る点を、決めておくと漏れません。
暑い時期は、冷房が動くか、温度計があるか、飲み物が手の届く場所にあるか、汗をかいた形跡があるか。この4点を見てください。本人の申告より、部屋の状態が正直です。
寒い時期は、暖房が安全に使えているか、脱衣所が寒くないか、厚手の寝具が出ているか、買い物に出られているか。冷蔵庫の中身で、外出の頻度が分かります。
そして、どの季節でも共通して見る点があります。薬が残りすぎていないか、郵便物がたまっていないか、台所が使われているか。季節に関わらず、変化が出る場所です。
気づいたことは、その場で伝えるより記録に残してください。回数が重なると、傾向が見えます。ケアマネジャーに伝える材料にもなります。
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