倒れているかもしれない、と思ったときに開けられるか
配達員が異変に気づいた。センサーが動きなしを知らせた。しかし玄関が施錠されていて中に入れない。この状態で待つ時間が、被害を大きくします。
警察や消防は、明らかな緊急性があると判断すれば立ち入ることができますが、判断には時間がかかります。あらかじめ開けられる状態を作っておくことが、最も確実な備えです。
| 方法 | 速さ | 費用 | 注意 |
|---|---|---|---|
| 同居・近居の家族が持つ | 速い | なし | 遠方だと機能しない |
| 近所の方・大家に預ける | 最も速い | なし | 本人の同意と、預かる側の負担への配慮が要る |
| 玄関のキーボックス | 速い | 2,000〜8,000円程度 | 暗証番号の管理。防犯上の懸念を家族で共有する |
| 警備会社に預ける | 速い(24時間) | 月額+駆けつけ料 | 費用がかかる |
| スマートロック | 速い | 1〜3万円程度 | 電池切れ・通信断のときに開かない |
費用と設置の可否は住まいの状況によります。賃貸の場合はキーボックスの設置やスマートロックの取り付けについて、事前に管理会社の許可を取ってください。
玄関のドアノブや手すりに掛ける小型の金庫で、暗証番号を知っている人だけが鍵を取り出せます。介護の現場では広く使われています。
訪問介護を利用している場合、事業所が鍵の管理手順を持っていることがあります。ケアマネジャーに相談すると、既にある仕組みに乗れることがあります。
配食のふれ愛 太子店では、原則としてお客様の合鍵はお預かりしていません。理由は次のとおりです。
そのかわり、応答がない場合にすぐ連絡できる先を伺っています。ご家族・ケアマネジャー・近隣の協力者のいずれかが鍵を持っている状態を作っていただければ、連絡から確認までの時間は短くできます。
詳しくはよくある質問「鍵を預かってもらえますか」をご覧ください。連絡体制の組み方は緊急時の連絡体制で扱っています。
候補は複数あります。近い順に検討してください。
まず、近くに住む家族や親族です。最も自然な預け先であり、責任の面でも問題が起きにくい相手です。ただし、駆けつけられる距離にいることが条件になります。
次に、信頼できる近所の方です。距離では最も有利です。ただし、無償で責任を負ってもらう関係になるため、負担をかけすぎない配慮が要ります。
そして、大家や管理を担う会社です。賃貸の場合、すでに鍵を持っていることがあります。緊急時の対応をどうするか、あらかじめ確かめてください。
該当する人がいない場合は、機器で補う形になります。暗証番号で開く箱、外から開けられる電子の鍵。人に預けない方法を検討してください。
本人の知らないところで鍵を渡すと、あとで問題になります。
必ず本人に説明してください。誰に、何のために預けるのか。納得したうえでなら、抵抗は小さくなります。
使う場面を限ることも、伝えてください。「応答がなく、安否が確かめられないときだけ」。いつでも入られるという不安を、取り除いてください。
そして、拒まれた場合は、代わりの手段を探してください。鍵を渡さずに済む形もあります。納得のないまま進めると、信頼が壊れます。
認知の面で判断が難しい場合は、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。家族だけで決めないほうが、後の説明がしやすくなります。
本数を増やすほど、管理が難しくなります。
誰が何本持っているか、記録してください。渡した日、渡した相手、本数。把握していないと、回収できません。
そして、関係が変わったときは回収してください。引っ越した親族、担当を外れた人、事業者の変更。そのままにすると、所在が分からなくなります。
鍵に住所を書かないでください。紛失したときに、そのまま侵入の手段になります。目印は、住所と結びつかないものにしてください。
複製できない鍵の場合、専用の手続きが要ります。時間と費用がかかります。必要になってから慌てないよう、早めに確かめてください。
物理的な鍵を渡さずに済む方法があります。
暗証番号や携帯の操作で開く錠があります。誰が、いつ開けたかが記録に残るものもあります。離れた家族が確かめられる点が利点です。
ただし、電池が切れると使えなくなります。交換の時期を、誰が管理するかを決めてください。本人が気づけないことがあります。
そして、本人が操作できるかを確かめてください。普段は従来の鍵を使い、緊急時だけ外から開ける、という使い分けもできます。本人の生活を変えない形を選んでください。
賃貸の場合、取り付けの可否を確かめてください。扉に穴を開けない形の製品もあります。退去のときに戻せるかどうかが要点です。
鍵を預ける以前の問題として、閉め忘れがあります。
出かけるときに掛けない、寝るときに掛けない。本人は掛けたと思っています。指摘しても、直りません。
自動で施錠される錠に替える方法があります。扉を閉めれば掛かる形なら、忘れようがありません。ただし、締め出される可能性が増えます。
そして、締め出しへの備えが必要になります。近所や家族が鍵を持っている状態にしておいてください。この二つは、組み合わせで考えてください。
開いたままの状態が続く場合は、防犯の面で危険です。訪問販売や不審な訪問の被害につながります。早めに手を打ってください。
紛失が増えるのは、状態が変わってきた合図でもあります。
置き場所を一か所に決めてください。玄関の決まった場所に、必ず戻す。複数の場所に置くと、探し回ることになります。
そして、身につけられる形にする方法があります。首から下げる、鞄に固定する。持ち歩く形が合う方もいます。
紛失が続く場合、鍵そのものをなくす方向に切り替えてください。暗証番号で開く形なら、失くすものがありません。覚えられるかどうかは、確かめてください。
そして、紛失したときの手順を決めておいてください。誰に連絡し、誰が開けに行くか。締め出されたまま夜を迎える事態を避けてください。
備えの必要性は、実際の場面を知ると分かります。
倒れて動けない状態では、内側から鍵を開けられません。意識があっても、玄関まで行けないことがあります。外から開ける手段がなければ、そこで止まります。
救急の隊員が到着しても、同じです。状況によっては、窓や扉を壊して入ることになります。修理の費用がかかり、時間も失われます。
そして、家族が遠方の場合、鍵を届けるだけで数時間かかります。その間、本人は中にいます。この時間を短くすることが、備えの目的です。
近くに鍵がある状態を作ってください。人でも、箱でも構いません。形は問いません。すぐ開けられるかどうかだけが問題です。
持ち家とは、確かめるべきことが変わります。
まず、緊急時の対応が契約でどう決められているかを見てください。管理する会社が対応する場合があります。連絡先を控えておいてください。
そして、錠の交換や機器の取り付けには、許可が要ることがあります。無断で替えると、退去のときに費用を請求されます。事前に確かめてください。
扉の外に箱を取り付ける場合も、同じです。共用部分の扱いになることがあります。置く形の製品なら、問題になりにくい場合があります。
高齢の入居者への対応を、あらかじめ決めている物件もあります。見守りの仕組みが用意されている場合もあります。契約時の書類を確かめてください。
頭の中の取り決めは、必要なときに出てきません。
鍵を誰が持っているか、書き出してください。名前、続柄、電話番号、持っている本数。1枚にまとめてください。
そして、箱を使っている場合は、その場所と番号の管理方法を記してください。番号そのものを、その紙に書かないでください。誰に聞けば分かるか、という形にしてください。
家族全員が、同じものを持ってください。一人だけが知っている状態では、その人が動けないときに止まります。
連絡の段取り全体は緊急時の連絡体制のつくり方にまとめています。鍵は、その中の一部です。単独で決めず、全体で組んでください。
出入りする事業者に、鍵の扱いを任せられるかどうかは、種類によって変わります。
訪問介護では、契約に基づいて鍵を預かる場合があります。ただし、事業者ごとに方針が異なります。預かれる場合も、保管の方法や責任の範囲が書面で決められます。
訪問看護でも、同様の扱いになることがあります。いずれも、事前の契約が前提です。その場の口約束では預かれません。
そして、預けた場合でも、対応できるのは訪問の時間帯に限られます。夜間や休日に開けてもらえるわけではありません。そこを補う手段が別に要ります。
可否は、ケアマネジャーを通じて確かめてください。複数の事業者が関わる場合、どこが持つかを整理してください。ばらばらに預けると、所在が分からなくなります。
用意しただけでは、いざというときに使えないことがあります。
箱を使っている場合、開けてみてください。錆びて回らない、番号を忘れている、中の鍵が別のものだった。実際に起きています。
電子の錠を使っている場合は、電池と動作を確かめてください。離れて暮らす家族が、遠隔で開けられるかどうかも試してください。使ったことがない機能は、本番で使えません。
そして、預けた相手にも確かめてください。まだ持っているか、どこに保管しているか、すぐ取り出せるか。引き出しの奥にしまい込まれていることがあります。
帰省の機会に合わせると、忘れません。連絡先の紙の更新と一緒に行うのが効率の良い形です。年に一度でも、確かめる習慣を作ってください。
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