離れて暮らす家族の見守り|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

「頑張る」で組むと続かない

遠距離の見守りで最初に起きるのは、心配のあまり毎週末帰省し、数か月で疲れ果てるという展開です。交通費も休日も有限で、続かない形は結局は途切れます。

設計の順番はこうです。

  1. 現地の仕組みに任せられることを、先に全部任せる
  2. 機器で自動化できることを入れる
  3. 残った部分だけを、自分が帰省してやる

逆にしないことです。自分がやることを先に決めると、任せられたはずのことまで抱え込みます。

帰省したときにやること

帰省は年に数回しかない貴重な機会です。その場でしかできないことに使ってください。

  • 地域包括支援センターに一緒に行く。本人と同席して顔をつなぐ。これが最も効きます
  • かかりつけ医に挨拶する。家族の連絡先を伝えておく
  • 家の危険を減らす。段差、コード、風呂場のマット、階段の手すり
  • 冷蔵庫と薬を確かめる。異変のサインを実地で見る
  • 近所に挨拶する。連絡先を渡しておく。何かあったとき最初に動けるのは近所です
  • 書類の場所を把握する。通帳、保険証、年金、印鑑、権利証

1つ目が最重要です。センターの担当者と家族が一度でも会っていると、その後の電話相談が段違いに進みます。

日常でやること

頻度やること
毎日センサーの通知を確認(見るだけ)
週1〜2回時間を決めた電話。声と話の内容を聞く
月1回ケアマネジャーまたは配食事業者と連絡をとる
年1回緊急連絡先・薬・担当者の一覧を更新する

電話は時間を決めるのがこつです。「日曜の夜7時」と決めておくと、出なかったこと自体が情報になります。不定期にかけると、出ないのが普通なのか異常なのか分かりません。

現地に頼むこと

  • 配食:毎日、手渡しで安否を確認してもらう
  • 訪問介護・デイサービス:介護保険。ケアマネジャーに相談
  • 民生委員・社会福祉協議会:地域の見守り訪問
  • 近所・大家:合鍵、緊急時の一次対応
  • 警備会社:費用はかかるが24時間の駆けつけ

配食は、遠距離の家族から見ると費用対効果が高い選択肢です。食事の心配と安否確認を同時に解決でき、日々の報告先も1か所にまとまります。

費用と休暇の見通しを持つ

遠距離介護には、交通費・宿泊費・休暇という見えにくいコストがかかります。あらかじめ次を確かめておくと、無理のない範囲が見えます。

  • 介護休業・介護休暇の制度(勤務先の就業規則)
  • 介護保険の自己負担割合と、月の上限額
  • 市区町村の配食助成や見守り助成
  • 帰省にかかる年間の交通費

制度面は介護の窓口(kaigoinfo.com)の記事にまとまっています。下の「介護のことをもっと詳しく」からご覧ください。

最初に確かめる4つのこと

離れて暮らす場合、まず現状を把握するところから始まります。

介護の認定を受けているかどうか。受けているなら担当のケアマネジャーがいます。その人が、現地での最も重要な連絡先になります。まだなら、地域包括支援センターが窓口です。

かかりつけの医療機関はどこか。病院名、診療科、通院の頻度、飲んでいる薬。急なときに必ず聞かれる情報です。

お金の管理を本人ができているか。通帳、印鑑、公共料金の支払い、年金の受け取り。ここが崩れると、生活全体が止まります。

そして、近所に頼れる人がいるか。名前と連絡先を把握してください。遠方にいる家族より、隣の人のほうが早く動けます。

連絡先を一覧にする

情報が家族の頭の中にしかない状態は、危険です。

紙にまとめてください。ケアマネジャー、かかりつけ医、地域包括支援センター、近所の方、利用している事業者、親族。名前と電話番号を、1枚に収めてください。

そして、兄弟姉妹の全員が同じものを持ってください。一人だけが把握している状態では、その人が動けないときに止まります。写真を撮って共有するだけでも構いません。

本人の家にも、同じ紙を置いてください。冷蔵庫に貼るのが確実です。救急の場面で、駆けつけた人が見ます。

年に一度は更新してください。担当者は替わります。古い番号のままでは、いざというときに使えません。

誰が何を担当するか決めておく

兄弟姉妹がいる場合、役割を分けないと一人に負担が集中します。

まず、主に連絡を受ける人を決めてください。事業者や医療機関からの連絡先を一本化すると、混乱がなくなります。複数を伝えると、伝わらない相手が出ます。

そして、お金を扱う人を決めてください。費用の支払い、通帳の管理。後々のもめごとを避けるため、使った内容は記録に残してください。

帰省の分担も決めておいてください。近くに住む人ばかりが行く形は、長続きしません。行けない人は、費用や連絡の面で担ってください。

そして、決めたことは共有の場に書き残してください。口約束は、忘れられます。やり取りの記録が残る形が望ましい形です。

電話の内容を決めておく

近況を尋ねるだけでは、変化に気づけません。

食事について聞いてください。今日は何を食べたか。答えられない、同じものが続いている、作っていない。ここに変化が出ます。

外出について聞いてください。今週どこかに行ったか。外出が減っている場合、体力か気持ちのどちらかが落ちています。

そして、声の様子を聞いてください。張りがあるか、返事が遅くないか、同じ話を繰り返さないか。内容より、話し方に変化が出ることがあります。

本人は「大丈夫」としか言わないことが多くあります。心配をかけたくないという気持ちが働きます。具体的な質問でなければ、実態は分かりません。

記録を残すと変化が見える

一回ごとの様子より、時間の流れのほうが多くを語ります。

電話をした日と、気づいたことを短く残してください。「食事を作っていないと言った」「同じ話を2回した」。一行で構いません。

半年分たまると、傾向が見えます。この時期から外出が減った、この頃から食事の話が曖昧になった。受診のときに、医師へ伝える材料にもなります。

そして、兄弟姉妹で共有してください。それぞれが別の場面を見ています。合わせると、全体像が分かります。

記録は、判断を助けます。「そろそろ相談したほうがよい」という時期を、感覚ではなく事実で決められます。

本人が拒む場合の進め方

サービスの利用を本人が嫌がる、という状況は非常に多くあります。

理由を確かめてください。他人を家に入れたくない、費用が心配、まだ必要ないと思っている、世話になるのが嫌。理由によって、進め方が変わります。

そして、負担を減らすためだと伝えてください。「介護が必要だから」ではなく「家族が安心するから」という言い方のほうが、受け入れられることがあります。本人の自尊心に配慮してください。

小さく始める方法もあります。週に一度の配食、月に一度の通所。いきなり生活を変えようとすると、拒まれます。

そして、家族が言うより、専門職から伝えてもらうほうが通ることがあります。ケアマネジャー、医師、地域包括支援センターの職員。第三者の言葉には、耳を貸すことがあります。

緊急の連絡が来たときの備え

急な連絡は、都合の悪いときに来ます。

すぐに向かえない場合を想定してください。誰が代わりに動くか、あらかじめ決めておいてください。親族、近所の方、地域の事業者。

そして、移動の手段と時間を把握しておいてください。最短で何時間かかるか、夜間はどうか。知っているだけで、判断が早くなります。

職場にも、事情を伝えておいてください。介護のための休暇や休業の制度があります。使えるかどうか、事前に確かめておいてください。

そして、鍵をどうするかを決めておいてください。駆けつけても、中に入れなければ確かめられません。取り扱いは鍵の預け方にまとめています。

介護のために仕事を辞めない

離れて暮らす家族が、最も陥りやすい判断です。

仕事を辞めると、収入が絶たれます。介護には費用がかかり、期間も読めません。収入がない状態で支えるのは、現実的ではありません。

そして、辞めた人が一人で背負う形になります。ほかの家族が関わらなくなり、負担が固定されます。この構図は、非常に長く続きます。

介護が終わったあと、元の仕事に戻れるとは限りません。年齢によっては、再就職が難しくなります。その後の生活にも影響します。

辞める前に、必ず相談してください。ケアマネジャー、地域包括支援センター、職場の担当部署。使える制度やサービスを組み合わせれば、続けられる場合があります。

同居や呼び寄せを考えるとき

離れているのが不安で、呼び寄せを考える方は多くいます。

ただし、環境が変わることの影響を見てください。それまでの人間関係、通っていた場所、慣れた家。すべてが一度に失われます。認知の面で、影響が出ることがあります。

そして、呼び寄せた側の生活も変わります。住まいの広さ、家族の負担、仕事との両立。家族全員の合意が必要です。

介護のサービスも、市町村が変われば内容が変わります。使えるものが同じとは限りません。移る前に、移り先の地域包括支援センターに確かめてください。

離れたまま支える方法も、あわせて検討してください。見守りの仕組み、配食、訪問のサービス。選択肢を比べてから決めてください。

地域の情報を、自分でも持っておく

現地に任せきりにすると、判断ができなくなります。

市町村のホームページを見ておいてください。高齢者向けの支援、見守りの仕組み、配食の助成、緊急通報の装置。その町にあるものを知っておくと、相談が具体的になります。

地域包括支援センターの場所と、担当の区域を確かめてください。住所によって担当が決まっています。遠方からでも電話で相談できます。

そして、地域の広報紙に目を通してください。集まりの案内、健康の教室、相談会。本人に勧める材料になります。

知っている家族と、知らない家族では、動ける速さが違います。調べるのは、何かが起きる前です。

費用の見通しを立てておく

お金の話を後回しにすると、選択肢が狭まります。

本人の収入と資産を把握してください。年金の額、預貯金、持ち家かどうか。介護の費用は、本人の資産から出すのが基本です。

そして、家族が出す分をあらかじめ話し合ってください。誰がいくら出すか、決めないまま始めると、後で必ずもめます。金額より、決め方を先に決めてください。

帰省の交通費も、無視できない額になります。年に何回、いくらかかるか。これも介護の費用として数えてください。

負担が重いときは、軽減の仕組みがあります。費用の上限、所得に応じた減額。市町村の窓口かケアマネジャーに確かめてください。

手渡しだから気づけることがあります

配食のふれ愛 太子店では、お弁当を玄関先で手渡しし、お変わりがないかを確認しています。応答がない場合は、あらかじめ伺ったご家族やケアマネジャーへご連絡します。見守りを兼ねた配食について、まずはお気軽にご相談ください。

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関連用語

ケアマネジャー

介護保険のケアプランを作り、サービス事業者との調整を担う専門職です。

見守りサービス

高齢者の安否や体調の変化を定期的に確認するしくみです。

配食サービス

栄養に配慮した食事を自宅へ届けるサービス。安否確認を兼ねる場合があります。

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