コンタミネーション|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

混入はどこで起きるか

コンタミネーション(コンタミ)とは、原材料として使っていないアレルゲンが、製造や調理の過程で意図せず混じることを指します。使っていないことと、入っていないことは別です。

経路具体例
調理器具同じ包丁・まな板・菜箸・トング。洗っても微量が残る
揚げ油えびフライを揚げた油でコロッケを揚げる
ゆで湯そばとうどんを同じ釜でゆでる
製造ライン乳成分入りの製品の後に同じラインで作る
粉じん小麦粉・そば粉・きな粉が空気中に舞う
盛り付け隣の料理と接触する。同じ手袋で扱う

どこまで神経質になるか

必要な厳しさは、その方の反応の強さによって変わります。医師から示された指示がその基準です。

  • ごく微量で全身症状が出る方:共用の器具・油・ラインをすべて避ける。専用の調理環境が必要になります
  • まとまった量で症状が出る方:原材料としての使用を避ければよく、コンタミまでは求めないことが多い
  • 不耐症の方:そもそも量の問題なので、微量の混入は問題になりません

この線引きを本人・家族の推測で決めないでください。厳しすぎれば食べられるものが減って低栄養を招き、緩すぎれば事故になります。主治医に「コンタミまで避ける必要がありますか」と直接聞くのが確実です。

家庭でできること

  1. 作る順番を変える。アレルゲンを使わない料理を先に作り、後から使う料理を作ります。逆にすると器具を洗い直す手間が増えます
  2. 器具を色分けする。まな板・菜箸・トングを色で分け、洗ってもまざらないようにします
  3. 揚げ油を分ける。共用が避けられないなら、アレルゲンを含まないものを先に揚げます
  4. 保存を分ける。冷蔵庫の中で、除去食を上の段に置きます。上から汁が垂れる事故を防げます
  5. ラップと表示。取り分けた除去食には名前を書く。家族の誰が見ても分かる状態にします

配食の場合

配食の弁当は共用の厨房で作られます。したがって、コンタミを完全にゼロにすることは構造的にできません。ここを曖昧にせず、事業者に次の点を確かめてください。

  • そのアレルゲンを厨房で扱っているか
  • 扱っている場合、調理器具・揚げ油を分けているか
  • 盛り付けの動線が分かれているか
  • 献立が変更されたときに連絡が来るか

配食のふれ愛 太子店では、ご注文時にアレルギーの内容と、必要な厳しさの程度(原材料の除去のみか、混入も避けるべきか)を伺っています。医師から厳格な回避を指示されている場合は、そのままお伝えください。対応できる範囲とできない範囲を、注文の前に正直にお伝えします。

詳しくはよくある質問「調理器具の使い分けはしていますか」をご覧ください。

混入が起きる場所を順に潰す

混入は、材料が入るところから口に入るところまで、どこでも起きます。順番に見ていくと、家庭でも施設でも見落としが見つかります。

場面起きること手当て
仕入れ・保管粉が舞う、袋から漏れるアレルゲンを含むものは下段に、密閉して置く
下ごしらえまな板、包丁、ボウルの共用先に除去食を作る。器具を分ける
加熱同じ湯、同じ油、同じ鉄板湯と油を分ける。分けられないなら順番を変える
盛り付けトング、しゃもじの使い回し、飛び散り先に盛る。別の場所で盛る
配膳お盆の取り違え、隣の皿から移る名札とふたを付ける。別のお盆にする
食卓取り箸の共用、こぼれ取り分けを済ませてから出す

いちばん多い事故は、調理ではなく配膳の取り違えです。正しく作っても、渡す先を間違えれば意味がありません。名前を書いて、渡す人が声に出して確かめる。この2つで大半が防げます。

「先に作る」がいちばん効く

器具を全部そろえ直すのは現実的ではありません。家庭でも施設でも、費用をかけずにいちばん効くのは作る順番を変えることです。

除去食を最初に作れば、まだ何もアレルゲンに触れていないまな板と鍋を使えます。作り終えたぶんはふたをして、別の場所に避難させます。そのあとで通常食を作ります。この順番なら、洗い方が多少甘くても混入は起きません。

逆に、通常食を作ったあとに除去食を作ると、洗浄の精度がそのまま安全性になります。忙しい時間帯に完璧な洗浄を求めるのは、無理を人に押しつけることになります。順番で解けるものは順番で解いてください。

家庭でも同じです。家族のぶんを作る前に、ご本人のぶんを作って取り分ける。行事の日や来客の日ほど流れ作業になるので、この順番を決めておくと事故が減ります。

表示の「入っているかもしれない」をどう読むか

包装された食品に「本品製造工場では〇〇を含む製品を製造しています」と書かれていることがあります。これは注意喚起の表示で、法律で義務づけられたものではありません。書いていないから混入がない、という意味にもなりません。

読み方は、症状の強さによって変わります。

  • 微量で強い症状が出る方。この表示があるものは避けるのが無難です
  • ある程度の量で症状が出る方。主治医と相談して、食べてよい範囲を決めてください

一方、「入っているかもしれない」を可能性の表示として使うことは認められていません。つまり原材料欄に「卵が入っているかもしれません」と書くことはできません。原材料欄に書いてあれば、それは実際に使われているということです。この違いはアレルギー表示の読み方で詳しく扱っています。

外食・施設・配食で確かめること

外で食べるときは、こちらから聞かないと分かりません。聞く内容を決めておくと、短いやり取りで済みます。

  1. この料理に〇〇は入っていますか(原材料そのもの)
  2. 同じ油、同じ湯、同じ鉄板を使っていますか(加熱の共用)
  3. 盛り付けの器具は分けられますか(最後の混入)
  4. 難しい場合は、そう言ってください(無理をさせない)

4つめが大事です。「対応できません」と言える余地を残しておかないと、店側が無理をして事故になります。断ってもらえたほうが安全です。

配食では、厨房でそのアレルゲンを扱うかどうかを最初に聞いてください。扱っていなければ経路そのものがありません。扱っている場合は、上の順番の工夫ができるかを聞きます。事業者の比べ方は配食サービスの確認12項目にまとめています。

家庭の台所でできる分け方

施設の話は自分に関係ないと思われるかもしれませんが、混入がいちばん起きているのは家庭の台所です。器具が少なく、同じ場所で全員ぶんを作り、しかも急いでいるためです。

費用をかけずにできることを挙げます。まず、まな板を色や形で分けます。新しく買わなくても、シート状のまな板を1枚足すだけで足ります。次に、菜箸とおたまを1組だけ専用にします。持ち手にテープを巻いて印を付ければ、家族の誰が見ても分かります。

保管の順番も効きます。冷蔵庫の中で、アレルゲンを含む食品を下の段に置くと、汁が垂れても上には届きません。粉ものは密閉容器に入れます。小麦粉やそば粉は、袋のまま置くと開け閉めのたびに舞います。粉は空気に乗って移動する、と考えておいてください。

洗いものは、除去食に使った器具を先に洗います。スポンジも分けられるなら分けます。分けられないなら、洗剤を付けて流水でしっかり洗えば、多くの場合は問題になりません。ただし、微量で強い症状が出る方の場合は、スポンジも別にしてください。

そして、家族全員が同じやり方を知っていることが大事です。一人だけが完璧にやっていても、別の人が普段どおりに作れば、そこで混入が起きます。やり方を紙に書いて台所に貼っておくと、伝わり方が安定します。

混入を完全にゼロにはできない

正直に言えば、混入をゼロにすることはできません。家庭でも施設でも、同じ空間で複数の料理を作るかぎり、可能性は残ります。大事なのは、ゼロを目指して無理を重ねることではなく、どこまで減らせば安全といえるかを主治医と決めておくことです。

微量でも強い症状が出る方と、ある程度の量までなら大丈夫な方では、必要な対策の重さが違います。前者であれば、専用の器具と別の調理場所が必要になりますし、外食も難しくなります。後者であれば、順番を工夫して、器具を洗えば十分な場合があります。

この線引きが曖昧なままだと、2つの問題が起きます。1つは、必要以上に厳しくして、家族が疲れ果てることです。もう1つは、必要な対策を取らずに事故が起きることです。どちらも、線引きを決めていないことから生まれます。

受診のときに、「どこまで気をつければよいですか」と具体的に聞いてください。同じ油で揚げたものはどうか。同じ湯でゆでたものはどうか。表示に「同じ工場で製造」とあるものはどうか。この3つの答えがあれば、日常の判断のほとんどが片づきます。

そして、答えを紙に書いて、家族と施設に配ってください。判断の基準を共有しておけば、その場にいる人が迷わずに済みます。書き方はアレルギーの伝え方を参照してください。

気をつけすぎて続かなくなることを避ける

混入を防ぐ工夫は、続かなければ意味がありません。最初に完璧な体制を作っても、1か月で疲れて元に戻れば、防げていないのと同じです。長く続く形を選んでください。

続く形の条件は3つあります。1つめは、手間が増えないことです。器具を分けるのは手間が増えませんが、毎回熱湯消毒をするのは手間が増えます。2つめは、誰がやっても同じ結果になることです。「よく洗う」は人によって差が出ますが、「除去食を先に作る」は誰がやっても同じです。3つめは、忙しい日でも守れることです。時間のあるときしかできない工夫は、いずれ守られなくなります。

この3つを満たすのが、順番を変えるという方法です。費用がかからず、手間が増えず、誰がやっても同じで、忙しい日でも守れます。混入対策の中心に順番を置き、器具を分けるのは補助と考えると、体制が長続きします。

そして、完璧を求めないでください。どこまで減らせばよいかを医師と決めておけば、それ以上の努力は要りません。必要のない努力を続けると、作る人が疲れ、疲れた人は手を抜き、手を抜いたときに事故が起きます。ほどよい水準を決めることが、いちばん安全です。

起きてしまったときの振り返り方

どれだけ気をつけても、混入は起こりえます。起きたときに、誰かを責めて終わらせないでください。次に生かす振り返りが要ります。

まず、経路を特定してください。調理の器具か、油か、盛り付けか、保管か、運搬か。どこで混ざったかが分かれば、そこだけを直せます。分からないまま「もっと気をつけよう」で終えると、必ず繰り返します。

そして、その工程を仕組みで変えてください。順番を変える、道具を分ける、色を変える、置き場所を離す。注意力に頼る対策は続きません。物理的に混ざらない形にするのが確実です。

担当者を責めないでください。責められた人は、次に起きたときに報告しなくなります。報告されなくなることのほうが、はるかに危険です。起きたことを言える空気を保ってください。

そして、記録に残して共有してください。いつ、どの工程で、何が混ざったか。この記録が蓄積されると、どこが弱いかが見えてきます。家庭でも施設でも、同じ考え方が使えます。

アレルギーのある方の食事を、毎日どう用意するか

配食のふれ愛 太子店では、ご注文時にアレルギーをお伺いし、献立表に使用アレルゲンを記載してお届けしています。除去が必要な日は代替のおかずに差し替えるなどの調整もご相談ください。まずは無料試食で、実際の献立表と容器をご覧ください。

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