たんぱく質が薬の吸収と競合する

パーキンソン病の治療で使われるレボドパ(L-ドパ)は、たんぱく質を分解してできるアミノ酸と同じ経路で腸から吸収され、脳へ運ばれます。そのため、たんぱく質の多い食事と同時に飲むと、薬の効きが落ちることがあります。

対応は次のとおりです。

  • 薬は食前30分〜1時間前に飲む(吐き気が出る方は医師と相談)
  • たんぱく質を夕食に寄せる(日中の活動時間に薬を効かせる)。ただし1日の総量は減らさない
  • 朝・昼は炭水化物と野菜を中心にする

ただし、これはすべての方に必要な調整ではありません。薬の効きにムラがある(ウェアリング・オフ)方に検討されるものです。自己判断でたんぱく質を減らすとサルコペニアが進みます。必ず主治医に相談してください。

便秘は病気の一部

便秘はパーキンソン病の非運動症状のひとつで、運動症状より何年も前から出ていることがあります。薬の副作用も重なります。

  • 食物繊維:野菜、海藻、きのこ、いも
  • 水分をしっかり(1日1.2L以上を目安に。制限がある方は医師の指示に従う)
  • 発酵食品:ヨーグルト、納豆、みそ
  • 油を適量:オリーブ油、ごま油(少量でも便を通りやすくします)
  • 朝、起きてすぐコップ1杯の水
  • 体を動かす。座りきりにしない

便秘が続くと薬の吸収も悪くなります。便秘対策もご覧ください。

飲み込みの障害

病気が進むと、飲み込みの動きが遅くなり、むせが増えます。誤嚥性肺炎はパーキンソン病の方の大きな危険です。

  • 薬の効いている時間帯(オンの時間)に食事をする。これがいちばん効きます
  • 姿勢を整える。前傾姿勢になりやすいので、背中を支える
  • 水分にとろみをつける(必要に応じて)
  • 一口を小さく、飲み込んでから次へ
  • 口腔ケアを徹底する

薬を飲むこと自体が難しくなることもあります。錠剤が飲みにくい場合は、口腔内崩壊錠や貼り薬など別の形があります。とろみ剤で薬を包む方法は、吸収に影響する場合があるため主治医に確認してください。

食べる動作の工夫

手の震え、動作の遅さ、すくみで、食事の動作そのものが難しくなります。

  • 重みのあるスプーン、太い柄の食器(自助具
  • 滑り止めマット、縁の立ち上がった皿
  • ふた付きコップ、両手で持てるマグ
  • 食事に時間がかかるので、保温食器を使う
  • 30分を超えるなら形態を見直す

体重が減りやすい

パーキンソン病では、震えによるエネルギー消費、食事量の減少、飲み込みの問題が重なって体重が減りやすくなります。

週1回の体重測定を習慣にし、減っているなら分食と補食で補ってください。管理栄養士の関わりが必要なら、ケアマネジャーに相談できます。

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関連用語

サルコペニア

加齢に伴う筋肉量と筋力の低下。転倒と要介護の危険を高めます。

食物繊維

消化されない植物成分。糖の吸収を緩やかにし、便通を整えます。

誤嚥性肺炎

食べ物や唾液が気管に入って起きる肺炎。高齢者の肺炎の多くを占めます。

嚥下障害

飲み込みがうまくいかない状態。むせや口の中の残留が目印になります。

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