高齢者のアレルギーと食事|配食のふれ愛 太子店 健康コラム

食物アレルギーの仕組みと高齢者の特徴

食物アレルギーとは、特定の食品に含まれるたんぱく質を体の免疫システムが「異物」と誤認し、過剰に反応してしまう現象です。体内でIgE抗体が産生され、再びその食品を摂取したときにヒスタミンなどの化学物質が放出されて、じんましん・嘔吐・呼吸困難などの症状が引き起こされます。

食物アレルギーは子どもの病気と思われがちですが、高齢者にも後天性の食物アレルギーが発症することが知られています。加齢に伴う免疫機能の変化や腸管バリアの低下により、これまで問題なく食べていた食品に対して突然アレルギー反応を起こすことがあります。

高齢者の食物アレルギーの特徴として、以下の点が挙げられます。

  • 症状が非典型的:じんましんだけでなく、腹痛・下痢・倦怠感など消化器症状が中心になることがある
  • 薬剤との交差反応:複数の薬を服用している場合、薬剤アレルギーとの鑑別が難しいケースがある
  • 口腔アレルギー症候群:花粉症との関連で、果物や野菜を食べると口腔内がかゆくなる症状が増加傾向

義務表示8品目と推奨表示21品目

日本の食品表示法では、アレルギー表示の対象として特定原材料8品目(表示義務)と特定原材料に準ずる21品目(表示推奨)の合計29品目が定められています。

表示義務のある8品目(特定原材料)

品目主な食品例高齢者の注意点
卵焼き、マヨネーズ、練り物加工品に含まれやすく見落としに注意
牛乳、チーズ、クリーム乳糖不耐症との区別が必要
小麦パン、うどん、醤油醤油にも微量含有
えび天ぷら、せんべい甲殻類アレルギーは成人に多い
かにかに缶、かに風味かまぼこえびとの交差反応あり
そばそば粉、ガレット重篤な反応のリスクが高い
落花生ピーナッツ、ピーナッツ油微量でも強い反応の可能性
くるみ菓子類、パン2025年より義務表示に追加

表示推奨の21品目

アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、まつたけの21品目は表示が推奨されています。

高齢者施設や配食サービスでは、この29品目すべてについて使用状況を把握し、利用者に情報提供することが安全管理の基本となります。

当店の29品目完全対応体制

配食のふれ愛 太子店では、すべてのメニューについて29品目のアレルゲン情報を管理し、お客様ごとの除去対応を行っています。

  • 顧客別アレルギー台帳:お一人おひとりのアレルギー情報を電子台帳で管理。注文から調理・配達まで情報が一貫して伝達されます
  • 品目別アレルゲン照合:毎日の献立に含まれるアレルゲンと、各お客様のアレルギー情報を自動でクロスチェック。該当がある場合は調理段階で代替食材に差し替えます
  • 2階層の安全管理:個人のお客様は顧客レベルでアレルギーを管理し、施設のお客様は注文レベルでの備考にも対応しています
  • 医療情報連携:SNOMED CTおよびJFAGYコードによる国際標準コーディングに対応し、医療機関との正確な情報共有が可能です

管理栄養士が献立を監修し、アレルゲン除去をしても栄養バランスが崩れないよう代替食材で栄養を補っています。例えば、卵アレルギーの方には豆腐や魚でたんぱく質を確保するなどの工夫を行っています。

アレルギーがある方の食事で気をつけたいこと

ご家庭や介護の現場でアレルギー対応をする際に、知っておいていただきたいポイントをまとめます。

  • 「少量なら大丈夫」は危険:食物アレルギーは微量でもアナフィラキシーを起こす可能性があります。自己判断での摂取は避けましょう
  • 加工品の原材料表示を必ず確認:「同じ製造ラインで卵を使用」などのコンタミネーション表示にも注意が必要です
  • 新しい症状が出たら受診を:高齢者の場合、「最近お腹を壊しやすくなった」という症状が実は食物アレルギーだったというケースがあります
  • お薬手帳とセットで管理:薬剤アレルギーと食物アレルギーの情報を一元管理することで、交差反応のリスクを減らせます

介護食が必要な方は、食事形態の調整とアレルゲン除去を同時に行う必要があるため、専門家のサポートが特に重要です。かかりつけ医や管理栄養士と相談しながら、安全で美味しい食事環境を整えましょう。

大人になってから出ることがある

子どもの問題だと考えられがちですが、そうとは限りません。

これまで食べてきたもので、急に症状が出ることがあります。本人が最も驚く事態です。「今まで平気だったから」という判断が、危険につながります。

そして、原因になる食品も、子どもとは傾向が異なります。果物、野菜、魚介、小麦、そば。大人で目立つものがあります。

症状の出方も、さまざまです。口の中がかゆい、喉に違和感がある、じんましんが出る、腹痛や下痢。軽いものから重いものまであります。

原因を自分で決めつけないでください。何に反応しているかは、医療機関の検査で確かめてください。思い込みで除去すると、栄養が偏ります。

重い症状が出たときの対応

備えを知っておいてください。

息苦しさ、声のかすれ、意識がもうろうとする、繰り返し吐く。これらが出たときは、すぐに救急に連絡してください。様子を見ないでください。

そして、高齢の方では、症状の見分けが難しい場合があります。ほかの原因と区別がつきにくいことがあります。迷ったら、連絡してください。

過去に重い症状が出たことがある方は、医師から対処の指示を受けているはずです。その指示を、家族も知っておいてください。本人が動けない場面があります。

何を食べたかを、記録しておいてください。受診のときに必ず聞かれます。包装が残っていれば、持っていってください。

果物や野菜で口の中が変化する場合

大人で目立つ、特有の出方があります。

特定の果物や野菜を食べたときに、口の中や喉に違和感が出ることがあります。花粉に反応する方に見られることが知られています。加熱すると出ない場合があります。

ただし、まれに重い症状につながることがあります。軽いからと自己判断で食べ続けないでください。医師に相談してください。

そして、季節によって出方が変わることがあります。花粉の時期に強く出る、という訴えがあります。症状が出た時期も記録してください。

診断は、医療機関で受けてください。何に反応しているかが分かれば、避けるべき範囲も定まります。やみくもに除去する必要がなくなります。

除去しすぎると栄養が偏る

避けることだけを考えると、別の問題が起きます。

心配だからと、疑わしいものをすべて外す方がいます。結果として、食べられるものが極端に減ります。高齢の方では、栄養不足に直結します。

そして、体をつくる材料の供給源が減ることが多くあります。卵、乳製品、大豆、魚。これらを一度に外すと、代わりを用意するのが難しくなります。

必要な除去の範囲は、医師が決めます。自己判断で広げないでください。検査の結果と、実際の症状を合わせて判断されます。

除去が必要な場合は、代わりに何を取るかを管理栄養士に相談してください。栄養の穴を埋める設計が要ります。外すだけでは足りません。

表示の読み方

買う側として、確かめ方を知っておいてください。

包装された食品には、原材料の表示があります。表示が義務づけられているものと、任意のものがあります。任意のものは、書かれていない場合があります。

そして、「同じ設備で製造」という注意書きがあることがあります。微量の混入の可能性を示すものです。重い症状が出る方は、この表示にも注意してください。

量り売りや、その場で調理されるものには、表示がない場合があります。惣菜、パン屋、飲食店。直接尋ねてください。

表示は変わることがあります。同じ商品でも、製造の変更で原材料が変わります。いつも買うものでも、時々確かめてください。

調理の場で起きる混入

家庭でも、注意が要る場面があります。

同じ調理器具を使うと、微量が移ります。まな板、包丁、菜箸、鍋。洗ってから使ってください。

そして、揚げ油は共有しないでください。先に揚げたものの成分が残ります。重い症状が出る方には、大きな危険になります。

盛り付けの段階でも起こります。取り分けの箸、盛り皿。先に該当の方の分を取り分ける形が安全です。

どこまで気をつけるかは、症状の重さによります。医師に確かめてください。過剰になりすぎると、生活が続きません。

外食と会食のとき

家の外での食事が、最も難しい場面です。

店に伝えるときは、具体的に伝えてください。「アレルギーがあります」だけでは伝わりません。何が食べられないかを、はっきり言ってください。

そして、対応できない店もあります。断られたら、無理に頼まないでください。店側が把握しきれない場合、危険が残ります。

会食では、周囲にも伝えておいてください。勧められて断りにくい場面があります。あらかじめ知られていれば、気まずくなりません。

そして、初めてのものを、外では試さないでください。症状が出たときに、対処が遅れます。家で、家族がいるときに試してください。

届けてもらう食事の場合

頼む側として、確かめておく点があります。

どこまで対応できるかを、契約の前に確かめてください。除去できる品目、表示の方法、混入の可能性。あいまいなまま始めないでください。

そして、伝えた内容が現場まで届いているかを確かめてください。受付で伝えても、調理の現場に届いていないことがあります。記録として残る形にしてください。

届いたものは、食べる前に確かめてください。表示を見る、中身を見る。間違いは起こり得ます。

本人が確かめられない状態なら、家族か介助する方が確かめてください。認知の面で判断が難しい方は、特に注意が要ります。誰が確かめるかを決めておいてください。

本人が伝えられない場合

高齢の方では、この状況が現実的な問題になります。

記憶があいまいになると、自分で伝えられなくなります。忘れて食べてしまうこともあります。周囲が把握しておく必要があります。

紙に書いて、目につく場所に貼ってください。冷蔵庫、玄関、本人の持ち物。関わる人全員が見られる形にしてください。

そして、関わる事業者すべてに伝えてください。訪問介護、通所、配食、施設。一つでも抜けると、そこで事故が起きます。

入院や入所のときも、必ず申告してください。本人が伝えられないなら、家族が伝えてください。お薬手帳と一緒に、書いた紙を持たせる方法があります。

疑わしいときは受診する

自己判断で済ませないでください。

症状が出たことがあるなら、医療機関で確かめてください。何に反応しているかが分かれば、避ける範囲が定まります。不要な除去も減らせます。

そして、市販の検査や、根拠のはっきりしない検査に頼らないでください。誤った結果で、必要な食品を除去することになります。医師の判断を受けてください。

診断がついたら、その内容を紙でもらってください。関わる人に伝えるときに使えます。口頭では、正確に伝わりません。

状態は変わることがあります。定期的に医師に確かめてください。一度決めたら終わり、ではありません。

アレルゲン別に、詳しく書いた記事があります

ここから先は、原因になりやすい食品ごとに分けて書いています。 高齢の方の食事で実際に困りやすいところ(和食に隠れている、練り製品やだしに入っている、 表示が変わった)を中心にまとめました。

アレルゲン高齢の方の食事で困りやすいところ
つなぎ・衣・練り製品に入り、原材料名に「卵」と書かれないことがある
牛乳乳糖不耐症と混同されやすい。栄養補助飲料の多くに乳成分が入る
小麦しょうゆ・みそ・麩・つなぎ。和食だから安心とは言えない
そば微量でも起きる。同じ釜で茹でたうどんでも起きることがある
落花生・木の実くるみが2025年から義務表示になった。和え衣や菓子に入る
えび・かにちくわ・かまぼこ・だし・ふりかけに広く使われる

症状の出方で迷ったとき

「アレルギーなのか、そうでないのか」で迷う場面がいくつかあります。 分け方を間違えると、要らない除去を続けたり、逆に危険なものを見逃したりします。

毎日の食事で、実際にどうするか

診断がついたあと、家庭で続けていくための話です。 除去そのものより、抜いたぶんをどう埋めるか周りにどう伝えるかのほうが、長い目では効いてきます。

当店では、ご注文のときに29品目のうちどれを除くかを伺い、 毎日の献立ごとに含まれるアレルゲンをキッチンの手元まで持っていく形にしています。 ご本人が伝えられない状態のときは、ご家族やケアマネジャーからでも構いません。

アレルギー対応も安心の配食サービス

配食のふれ愛では、29品目すべてのアレルゲン情報を管理し、お客様ごとの除去対応を行っています。初回のご相談時にアレルギー情報を詳しくお伺いし、毎日の献立と照合して安全な食事をお届けします。アレルギーでお困りの方も、まずはお気軽にご相談ください。

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関連用語

介護食

噛む力や飲み込む力が低下した方のために、食事形態を調整した食事の総称。きざみ食・ソフト食・ムース食など段階がある。

配食サービス

栄養バランスの整った食事を自宅に届けるサービス。高齢者の栄養管理と安否確認の役割を兼ねる。

管理栄養士

栄養学の専門知識を持つ国家資格者。個人の健康状態に合わせた栄養指導や献立作成を行う。

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